昨日の午後のことです。
雨も小康状態になり、
久しぶりに電車に乗って出かけました。
ここはいったいどこでしょう!
霞門を入るやいなや、甘い香りに包まれました。
いつもの日比谷公園とは全く別の場所のよう。
目に入るのは、どこまでも続く満開のユリ、ユリ、ユリ!
雲形池まで続いています。
その数なんと1万2000本!
そのほとんどが今、見頃を迎えています。
今年開催の東京オリンピックに向けて数年前から準備し、
開催時期に合わせて開花調整を施し、
丹精込めて育成してきたユリなのだそうです。
中でも見所の一つは、
伊豆七島に固有種のサクユリです。
ヤマユリの近似種ですが、
その花の大きさはヤマユリよりも大きく
直径は25〜30㎝。
日本一、いえ世界一の大きさを誇ります。
利島の生産者と何度も打合せを重ねて、納品されたものです。
ユリの種類は自生種から園芸品種まで20数種。
開花時期が揃うように調整されているから見られる
圧巻のユリ園です。
コロナでオリンピックは延期になり、
海外からのお客様のおもてなしに
一役買う目的で計画したせっかくのユリ園も
「無観客試合」になってしまい残念は残念ですが、
通りかかる人々はびっくりした表情で
スマホや大きなカメラで撮影している姿を多く見かけました。
ユリに関しての解説も詳しくされていました。
ユリは古来から日本で親しまれてきた植物で、
『古事記』や『万葉集』にも登場すること。
江戸時代には江戸園芸文化の一翼をになっていたこと。
また、ユリもアジサイやツバキなどと同じく
オランダのケンペルやシーボルトによってヨーロッパに渡り、
品種改良されて多くの園芸品種が生まれたこと。
現在、世界中で楽しまれているユリの多くは、
日本で自生しているユリの血が脈々と流れていること。等々。
この時節柄、あえて外部への報道は控えているそうですが、
この小さなブログくらいなら許されるでしょう。
来週までが見頃だそうです。
「樹木の会」でいつもなにかとお世話になっている
東京都公園協会の日比谷事務所からの情報でした。