「合体木のユズ」 昨日の続きです | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

昨日は合体木になっているユズを「発見」しました。

 

そのコメントに

「何と何の樹木が合体しているのでしょう?」とありました。

 

たぶんそう思われた方は他にもおられる気がして、

昨日の続きです。

 

何と何の樹木か?と問われたら、

「ユズの一種」と「ユズの一種」です。

 

この木がここに育った過程を想像してみましょう。

 

誰かが、かなり以前にこの場所に複数の種をまきました。

 

誰かとは誰か?

 

それは木になっているユズを食べて糞をしたカラスなどの鳥かもしれませんし、

落ちているユズを食べて糞をしたアナグマやハクビシンなどの哺乳類かもしれません。

あるいは近くで採ったユズの実をここで捨てた人間かもしれません。

 

みなさんもたぶんご存知だと思いますが、

ユズは1個の果実に複数の種がはいっています。

 

その種の何個かが発芽し、

そのうちの2つが大きく成長した姿がこの合体木なのでしょう。

 

同じ果実だからといって見た目が同じ木になるとは限りません。

むしろ違っていて当たり前です。

 

人間だって、同じ父親と母親から生まれた子供達でも、

全員違う姿をしているでしょ。一卵性双生児以外は。

 

それと同じで、ユズ1個にできる複数の木の種も

それぞれが違うDNAを持っているわけです。

 

「理科」か「生物」か忘れましたが、

メンデルの法則で習いましたね。優性遺伝とか。

 

「品種改良」は発芽した苗の長所を掛け合わせていって

作出するわけです。

そしてできたものが「品種」です。

 

だからこの合体ユズを見ると、

同じユズでも個体差がこんなにあるのかと驚きます!

 

例えば凄い棘のあるユズを防犯用の樹木として作りたいとしたら、

左側のユズの種をまいて、棘が凄い個体が複数出てきたら、

その木とその木を交配させれば、さらに凄い棘のユズができて

「防犯ユズ」として垣根に使えるかもしれない(な〜んちゃって!)

この「防犯ユズ」という名前が「品種」です。

 

もっと手軽には、この凄い棘のユズを挿し木で増やせば

同じ特徴を受け継いだユズができます。

 

ということでご納得いただけましたでしょうか。