ボルネオ編が続きます。あと2回。
ここはオラウータンの保護施設、セメンゴ・リハビリセンター。
森林の伐採で住処を奪われたり、あるいは怪我をしたオラウータンを保護し、餌を与えるなどして回復させ、再び自然に戻すことを目的にした施設です。
通常は1日2回、9時と15時に森の中に用意された餌付けの場所でオラウータンが出てくるのを今か今かと待つのだそうですが、
この日は滅多にないことだそうですが、入り口のベンチで1頭がお出迎え。
3mほどの至近距離で見ることができました。
世界でオラウータンが生息しているのはたった2箇所。
このボルネオ島と隣のスマトラ島のみです。
赤っぽい毛に全身が覆われていますが、顔はこのように無毛。
なにしろオラウータンと人間のDNAは95%まで同じだというのですから、親近感を抱かずにはいられません。
すぐ隣の高い木にも2匹登場して、3匹も同時に見られました。
オラウータンはサルと違ってジャンプしません。足の2倍の長さがあるという手を巧みに使って枝から枝に移動していきます。
足に何か持っていますね。手と足の働きが人間と逆のよう。
この木の下に果物が置いてあって、それを拾っては木の上で食べる。
見ているとこの2匹は親子のようで、下が親。上にいる子供が盛んに餌をもらっていました。
ベンチにいたオラウータンに目を写すと、ヤシの実を柵に叩きつけて割っていました。
割れたら中のジュースは流していまって、果肉をおいしそうに食べていました。
お腹がいっぱいになったらこの無防備な格好で横にゴロンです。
足の指は5本、手のように長いですね。
センターには現在27頭いて、それぞれに名前がつけられ、絶えずモニタリングされています。
何をどのくら食べ、排泄し、どこで寝て、仲間との関係はどうなっているか、それらのモニタリングは野生で生きていくことが確認できるまで続けられる地味で根気のいる作業だそうです。
ボルネオ島でのオラウータンの推定生息数は1993年の時点で12,300〜15,500頭。
現在は森林伐採などでさらに減少し、近親交配が問題になっているとの話でした。