アセビ 花の向きの意味は | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

今朝は拍子抜けするくらいに暖かく、いつもは霜でばりばりの地面も、足をとられそうになるぐらい
やわらかくなっていて、気温はと見ると6.5℃。予報では最高気温が6℃のはず。これから下がっていく寒い一日になるのでしょうか。曇りで8時ごろには小雨になってきました。冬型の気圧配置が崩れて、春が近いということですかね。

昨日の続きです。
アセビの花が何輪か咲いていたのですが、よく見ると花の向きがいろいろなんです。
この花穂の中ほどの開きかけたつぼみは上を向いています。アセビは下を向いて咲くとばかり思っていたのですが。


こちらも斜め上を向いて咲いています。しかも先端から咲くのではなく、これも中ほどから咲いています。


こちらは横向き。先端の2個のつぼみはだいぶ起き上がってきています。下のほうの小さなつぼみは下を向いてる。


こちらも斜め上です。


こちらも斜め上を向いていますね。


こちらは教科書通り下を向いています。


いちばん多く咲いている枝は、みんな下を向いています。


この違いは何なのでしょう?
昨日からずっと疑問に思っていたのですが、今、改めて写真を見ながらこれを書いていて、なんとなくわかってきました。
横や上を向いている花は通路の反対側、つまり川沿いに位置しているんです。写真でも柵が見えますが、この下が仙川です。
一方、教科書通り下を向いている花は、川とは反対側の通路側を向いています。

アセビの花は、本来は光を背に受け暗いほうを向く習性のはずが、川が光を反射してあまりに明るいものだから、
空とも川とも判断が中途半端になり、こんなふうに上や横を向いてしまった、そんな気がします。

川沿いのサクラなどが、よく川に向かって枝を長く伸ばしているのを目にすることがありますが、あの現象がまさにこれです。川が光を反射して空よりも明るくなるので、光を求めて本来は上へ伸びるはずの枝が重力に逆らって下に向かってしまう。
植物は絶えず自分の置かれた環境を読み取り、状況判断をして、有利な状況に身を置いているのですね。これは動物が考えて行動するのと同じ。
植物も考えて、しかも動いているんです!
そう、こないだの枝の冬芽と同じです。