アカマツ 実は長期熟成型。一年半かかります。 | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

トツゼンですがアカマツです。
太極拳広場にはこの小さめのアカマツともう一本、高さ10mはありそうな、そうです!カラスが巣を作ったアカマツがあるのですが、こちらは周りの木が重なって全体が撮れません。そんなこんなでご紹介が遅くなってしまいました。


幹の上のほうは赤いですね。で、アカマツです。似た木にもう一種類あって、クロマツ。こちらは幹がアカマツのように赤くなくて、黒っぽいので、クロマツ。
他にもアカマツとクロマツの違いはいろいろあって、好む場所も、アカマツは乾燥した尾根筋が本来の生育場所。これに対してクロマツは海辺の防砂林などにも使われているのですが、潮風にもつよく、海沿いが分布域です。葉もクロマツは先が尖っていて、触ると痛いのですが、アカマツはそれほど痛くありません。


今、ちょうど実をたくさんつけています。


じつはこれは昨年の春にできた実なんです。実のすぐ上のほうに茶色い毛虫みたいなものが見えますが、これが今年の雄花の花粉を飛ばして役目を終えたあとの姿。雌しべはこの上のほうにあるはずなのですが、なにしろ高くて覗けません。


で、この黒っぽい実が一昨年できた実なんです。昨年の秋にはもう黒っぽくなっていたとおもいますから、 春に花が咲いて、一年半かかって成熟した実になるという、長期熟成型です。
ちなみにマツ科の木が全部そうというわけではなくて、ツガ、モミなどは春に花が咲いてその年の秋には実が成熟しますし(半年タイプ)、ヒマラヤスギなどは秋に花が咲いて翌年の秋に実が成熟します(1年タイプ)。


針葉樹は秋に一斉に葉を落とすことはしませんが、新芽の出る春先から葉を少しずつ落とし続けています。


こちらは一昨年の実。


そしてこちらは昨年の実が途中で落ちてしまったものです。