シャクチリソバ(赤地利蕎麦) 蕎麦の花に似て、カモも大好物 | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

 今日も秋晴れの気持ちのよい朝を迎えました。西の空には、一昨日の晩、天体ショーをみせてくれた丸い大きな月が、雲のように白く浮かんでいました。
 
さて、このところ、あちこちで見かけるようになったのが、この白い小さな花。
太極拳広場から神明社に抜ける小道には、高さは30㎝~70㎝くらいあるものまで群生しています。


米粒くらいの小さな花が穂状にかたまって咲いています。


花びらに見えるのは萼(がく)だそうで、これはタデ科植物の特徴とか。


よ~く見ると、ピンクに見えるのは雄しべなんですね。なかなか素敵な花です。


この花序にだけ、こんなに虫がとまっている。ハナアブでしょうか。小さい小さい。


葉はハートのような二等辺三角形のような、特徴ある形です。


茎はこんなに赤い。


帰り道、仙川に目をやると、水面の縁を彩っているのは、シャクチリソバではありませんか!そしてNさんに伺ったところによると、この川にくるカモ類は藻などのほか、この植物の葉を好んで食べるそうです。


なにしろ川辺には降りられないので、小さくしか見えなかったのですが、間違いありません。


シャクチリソバ(赤地利蕎麦)は、タデ科タデ属の多年草。「シャクチリ」の語源は不明であるが、『本草綱目』に用いられた種名であり、牧野富太郎が和名として命名したものである。地下に黄赤色の根茎を残し越冬するため、シュッコンソバ(宿根蕎麦)の名称もある。
太く空洞の茎に三角形ないしハート (シンボル)形の葉をつける。夏から秋にかけて5枚の萼片に分かれた白色の花をつける。多年生であるため、冬は地上部が枯れるが、宿根は残って翌年に新たな茎を叢生させる。

分布
カシミールの高地地帯を原産とする。インド・ブータン・ネパールや雲南地方に自生している。
日本には明治時代に薬種として持ち込まれ、東京大学大学院理学系研究科附属植物園で栽培された。その後、園外に飛散した種子が繁殖し、帰化植物として繁茂することとなった。