コレシストキニンによる食欲不振・胃もたれ | 症例と解説 | かわせカイロプラクティック

症例と解説 | かわせカイロプラクティック

症状に対する私なりの考え方や症例の解説などを書いています。

コレシストキニンは満腹中枢を刺激し食欲を抑制する働きがあるホルモンです。主に消化に時間がかかる脂肪やタンパク質を食べた時に小腸から分泌されます。コレシストキニンは膵酵素や胆汁の分泌を刺激して脂肪やタンパク質の消化を促しながら、消化能力を超えた量の食べ物が一気に胃から十二指腸に送り込まれないようにするために、胃排出(胃から十二指腸へ食べ物を排出する事)のスピードを遅くする働きもあります。

もし消化力が悪いために未消化の食べ物が腸内に小腸に長く留まっていると、コレシストキニンの分泌も続きます。その間は満腹中枢が刺激され、胃排出も抑制されたままになるので、食欲が無くなったり胃もたれをおこします。またコレシストキニンには噴門(胃の入り口)を開く作用もあるので、胃食道逆流症(GERD)の原因にもなります。プロテインを飲むと胃が苦しくなるから飲みたくないという訴えをよく聞きますが、恐らくこれもコレシストキニンの働きによるものでしょう。

コレシストキニンによる食欲抑制を解除するには膵酵素や胆汁の分泌を良くします。特に胆汁の分泌を良くするアプローチがポイントになります。私の場合はARテストでしっかり調べてから必要なサプリメントをアドバイスしています。自己流でサプリメントを飲む事はお勧めしていません。

胆汁の分泌が悪い人のサイン

  • 胆汁にはコレストロールの排泄作用があるため、胆汁の分泌が悪いと痩せているのにLDLコレステロール値が高くなる事があります。
  • 胆汁には便を柔らかくしたり腸の蠕動運動を高めて便通を良くする働きがあるため、胆汁の分泌が悪いと便秘になる事があります。
  • 胆汁には小腸や胆管での殺菌作用があるので、胆汁の分泌が悪いとSIBO(小腸内細菌増殖症)になる事があります。SIBOになると小腸で発生した大量のガスによりお腹が苦しくなります。
  • 胆汁にはビリルビンという色素が含まれているため、胆汁の分泌が良いと便の色は黄みを帯びた茶色になります。しかし胆汁の分泌が悪いとこのような健康的な色にはなりません。
  • 胆汁の分泌が悪いと脂肪を吸収できないため水に浮く脂肪便となる事があります。また脂肪便のために便臭がする事があります。
  • 胆汁の分泌が悪いと血清ビリルビン値が増加し、ビリルビンの末梢神経刺激作用により強いかゆみを生じる場合があります。
  • 胆汁の分泌が悪く「うっ滞」した状態が続くと肝臓が悪くなります。

 

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