なんとか義父の葬儀が終わり、私達はお寺から真っ直ぐ自宅へ帰ると予め伝えてあったので、準備を始めていました
すると案の定義姉がこうじ(夫:仮名)にすり寄って来て、ボソボソと何かを話していましたが、どうやら義母を義実家まで送って欲しいとの事
いやいやいやいや冗談はやめてー
おそらくウエットティッシュで拭いただけの汚い義母を、うちの車になんて乗せられません
しかしそこはこうじ
「いや、俺達はこのまま帰るから。最初からそう言ってただろ?お袋の事は適当に宜しく。」
そう告げるとさっさと帰路に着きました
帰宅して数日後、私はこうじにこの事を話してみる事にしました
「お義母さん、お義父さんの事をこう話してたんだけど、ちょっと驚いちゃった。ゆう(子供:仮名)とも一緒に遊んでくれたし、ごくごく普通のお父さんだと思ってたから。すごく意外だね。」
「え?お袋がそんな事言ってたの?」
「そうだけど………」
「ったく!何言ってんだよお袋はボケたのか?
確かに親父は仕事が忙しくて帰りが遅い日なんてざらだったけど、休みの日にはキャッチボールして遊んだり、宿題を見てくれたり普通の親父だよ。」
「お袋こそケチって家族旅行すらまともに連れて行ってもらえなくて、そういう思い出はほとんどないし、昔からあーやって口うるさく自分の思いを押しつけてばかりいて、だから姉貴や◯◯(義妹)に嫌われてんだろ」
「親父のせいにするとか、本当に最悪だな。」
そう吐き捨てるように言うこうじを見て、やっぱりなと思いました
今回の2日間に及ぶ義父の葬儀、私は義母の涙を1度も見る事はありませんでした
俯いて悲しそうにしている様子もなければ、控え室のお菓子とペットボトルのお茶を、我先にと自分のバッグに押し込んで持ち帰ろうとしている姿は、本当にいつも通りの義母
半世紀以上一緒に生活をし、共に3人の子供を育ててきたのにこれ………
分かってはいたけど、本当にこの人は人として大きなものが欠けていると再確認しました
そんな義母からは、息子が仕事を辞めてしまい、相当苦労していると簡単に想像できる嫁の私に対して、謝罪や労いの言葉一つありませんでした
うん、当然だよね
だってうちの義母は頭おかしいから………
本当に自分の事しか頭にないのに、息子家族の心配なんてできるはずないもんね笑
人助けはできないのに、助けてもらう事しか考えられない義母はまだまだ健在です