義母に父親としての義父の様子を聞いたところ、予想外の返事が返ってきて私は驚きました
「あの人がもっと子供達に関心を示してきちんと教育してくれたら、私も娘達に嫌われる事なんてなかったのよ」
「………………………………。」
「まったく、あの人のせいで私は本当に苦労したのよぉ〜!」
確かに昭和のお父さんは仕事優先で、子育てはお母さんに丸投げ、なんて話はよく聞きます
でも10年以上義母と関わってきた私に言わせれば、娘達に嫌われているのは口うるさいだけではない
非常識な言動が毛嫌いされているし、我が強すぎて人の意見を聞き入れず、自分の意見を押しつけるのも嫌でしょう
たとえ口うるさいお母さんでもそこには愛情があって、気遣いや思いやりのある人なら娘達はそこまで嫌わないと思います
そして私がその場で何より驚いたのは
「今現在火葬中の夫を悪く言う」
これよくできるよなーと
義母に聞いた私が馬鹿だったと思い、その場を離れて別の席に移動しふと振り返ると、いつの間にか義母の周りから人がいなくなり、長テーブルに義母1人がポツンと座っていました
それから間もなく義父は荼毘に付され、改めて葬儀が執り行われました
全員椅子に座っており、順番に前に進んでご焼香を行います
最前列に座っていた義母も立ち上がって、普通にご焼香を済ませて戻ってきました
その後葬儀後半にも再度1人1人ご焼香をする時間があったのですが、足が痺れたのか痛いのか、なかなか立ち上がれず義姉妹から両脇を抱えられ、立ち上がりから歩き出しまでをサポートしてもらう義母がいました
ひょこひょこと歩く義母を見て、こうやってどんどん人の手を必要としていくのに、今後どうするんだろうと思いながら眺めていると、私はとある異変に気づいたのです
つづく