4/20NHK俳句。題「桜・花」選者は和田華凜さん、ゲストは片岡信和(俳優・気象予報士)さん、司会は柴田英嗣さん。

【和田華凜さん】1768年東京都生まれ。3歳より神戸市在住。2006年「諷詠」入会。祖父・後藤比奈夫、父・後藤立夫に師事。2013年『初日記』上梓。北溟社第三回与謝蕪村賞奨励賞受賞。2016年父後藤立夫逝去により俳誌「諷詠」四代目主宰継承。現在「諷詠」主宰。「ホトトギス」同人、「玉藻」同人。俳人協会評議員、日本伝統俳句協会関西支部監事。虚子記念文学館理事。大阪俳人クラブ常任理事、兵庫俳壇常任理事。

【片岡信和さん】1985年うまれ。俳優気象予報士。中央大学総合政策学部卒業。

◎和田さんの時の年間テーマは「季語から見るDNA」、今回の題は「桜・花」。花の季語は150以上ある。

「芭蕉は〈物の見えたる光いまだ心にきえざる中(うち)にいひとむべし〉と言っている。そういう句に次のような名句がある」(和田華凜さん)

★咲き満ちてこぼるゝ花もなかりけり 高浜虚子

 この句は、昭和3年の4月8日、水原秋桜子、高野素十、中田みづほ、松本たかし等と共にした鎌倉での吟行句会で詠まれた句。

 もう一句、

★一山の花の散り込む谷と聞く 稲畑汀子

 昭和61年4月15日、吟行で訪れた満開の吉野山で詠まれた句。桜の花びらが風に乗って谷底へと流れ込んでいく風景。吉野山に魅了された汀子は、以後「吉野山くつろぎの旅」と称して毎年吉野山への旅を平成31年まで続けた。その定宿にはこの句の句碑が建立されている。


◎特選9句

★花追うて旅の終はりの五稜郭  栃木県宇都宮市 亀田 かつおぶし

★夕桜デジャヴのやうな会話して  東京都板橋区 佐藤ひろみ

★花の山子が落ちて来る滑り台  神奈川県横浜市 有村次夫

★イエスタデイ流るる葬や花の昼  静岡県静岡市 山本正幸

★車出て車のかたち桜散る  大阪府大阪市 和住緋弧

★桜みる桜にみらる南無阿弥陀  兵庫県養父市 圓山多津美

★(三席)天も地も汝も吾も時も消え桜  東京都文京区 礒部安志

★(二席)シャガールの飛花クリムトの落花かな  神奈川県横浜市 古関 聰

★(一席)花冷えや同じところでまた涙  青森県弘前市 川口泰英


特選句及び佳作は「NHK俳句テキスト」6月号に掲載されます。次回、和田華凜さんへの投稿は ↓

◎ゲストの片岡信和さんの俳句

★流れゆく日々とどまりし桜色  片岡信和

    ↓ (添削)

★流れゆく日月とどめ花の雲


◎「はみだせ ! 俳句教室」。今回も前回に引き続き愛媛県東温市立川上小学校の岸恭子先生。

最初は↓下五だけ「らんどせる」と提示。

そして、「らんどせる」から生徒さんにいろいろ連想させてみる。例えば ↓

そして最後に季語 ↓