市役所勤務の現役保育コンシェルジュ、ナナです。


今日からは昨日の予告の通り、

幼稚園に通われている方が預かり保育を利用する時の「無償化制度」について説明します。


昨日のブログに載せましたこども家庭庁の「制度早わかり表」を使っていきます。

昨日のブログをまだお読みでない方は、こちらからどうぞお読み下さい。↓↓


はい。では、今日はこの「制度早わかり表」の中の下記、赤で囲んだ部分について詳細をお伝えしていきますね。




はい。早速ですが、ここで1つ目の疑問点が浮かび上がってきますね。


「幼稚園」の中に

対象になる幼稚園 と

対象にならない幼稚園 がある!


「子ども子育て支援新制度の対象の幼稚園ですか?」

って尋ねられていますね。


いや、ここでもう「はあ?」ってことになる方も多いと思います。


しかもね。この表には書かれていないですけれど、この表の中の「幼稚園」というのは

「認定こども園」を1号認定(幼稚園区分)で利用されている方も該当します。


認定こども園を1号認定(幼稚園区分)で利用されている方は、

現在お子さまが利用している施設はどれですか?

との問いかけに対し、保育所/認定こども園に進んじゃダメなんです!

「え?私、認定こども園に行っているけど?」

と言われるお気持ちは分かります。

ええ、ええ、そうですよ、認定こども園に行かれてますよね。

でも、この「幼児保育の無償化」制度においては、あなたが行っているところは「幼稚園」なのです。


保育所/認定こども園に進むのは2号認定(保育園区分)で利用されている場合のみです!

そこのところ、こども家庭庁、抜けてますよって言いたい。



はい。話を戻します。

子ども子育て支援新制度の対象の幼稚園ですか?

という問いかけについて。


入園案内などにはっきりと

「子ども子育て支援新制度の対象です」

と書いてあったりする園もありますが、そういった園は少ないですね。


はっきりと言えるのは、先ほどの話に出た

認定こども園の1号認定(幼稚園区分)で利用の方は、対象です!

また、公立の幼稚園も対象です!


認定こども園でない場合の私立幼稚園は、パッと見た感じでは分からなくて、調べたり問い合わせをする必要がありますね。

市役所職員は、もちろん市内の幼稚園については把握しています。きっと調べるより聞いていただいた方が早いです。

「子ども子育て新制度対象外の幼稚園」を「制度未移行の幼稚園」と言うこともあります。むしろ、うちの市では「未移行」と呼んでいます。


市町によると思いますが、うちの市では私立幼稚園はすべて「未移行」です。


なぜ、「未移行」なのか?

という疑問を持たれる方もあると思いますが。


「子ども子育て支援新制度」(以後、「新制度」と略します)が始まった時(約10年前)、たぶん国としては、すべての園が新制度に乗っかって欲しかったことと思います。

でも、そうはいかなかったのです。

私立幼稚園の中には開園100年なんていう園もあります。一族で何代も引き継いできた園もあります。

そういった園からしてみれば、園は「我が園」です。時代が変わったとはいえ、簡単に国の制度に取り込まれるようなことはしたくないのです。

制度のルールの中での運営となると、保護者から徴収する入園金や保育料のこと、開園時間や長期休み(春休み、夏休み、冬休み)のこと、様々なことが国から口出しされます。そんなことは「御免こうむる!」というところなのでしょう。

「うちの園は新制度には加わりません!」

という反発の声が多かったと聞いています。

すると、国の方も「必ずしも新制度に移行しなくてもよろしい」とせざるを得なかったみたいです。

これが、「未移行」と呼ばれる所以です。

そんな背景の中で新制度はスタートしました。


そして、5年前の2019年。「幼児保育の無償化」が始まります。

この「幼児保育の無償化」は、

幼稚園、保育園、認定こども園等を利用するすべての子どもが対象

と定められました。


そうなると、「未移行」の幼稚園はどうなる?

国は「すべての子どもが対象」って言ってるけど?

と、なりますよね。


そこで苦しまぎれに、今まで新制度の中で支給していた「1号」「2号」「3号」という認定の他に、「新1号」「新2号」「新3号」という認定を出すことになったのです。


ここで、おさらいです。

1号は3歳以上で、公立幼稚園利用、認定子ども園の幼稚園区分利用、新制度対象の私立幼稚園利用の方

2号は3歳以上で、認可保育園利用の方(認可保育園には認定こども園の保育園区分を含みます)

3号は3歳未満で、認可保育園利用の方(認可保育園には認定こども園の保育園区分を含みます。認可の地域型保育園、小規模保育園も含みます)


以上が新制度における教育・保育認定です。


それがですね。

幼児保育の無償化が始まったことで、新たに

新1号は3歳以上で、未移行の私立幼稚園利用で預かり保育の無償化制度は受けない方。(預かり保育は使うけど費用は自己負担で良いという方は新1号です)

新2号は3歳以上で、すべての幼稚園利用(公立幼稚園も認定こども園の幼稚園区分も未移行の私立幼稚園も全部!)で、保育の必要性があって預かり保育を利用している方。認可外保育園等を保育の必要性があって利用している方。

新3号は3歳未満で、認可外保育園等を保育の必要性があって利用している方で、住民税非課税世帯の方。


以上3つの「新○号」という教育・保育認定が誕生しました。


はい、皆様、ここまで、良いですか?

「幼児保育の無償化」制度のお話はまだまだ続きますよー。

長くなりましたので、今日はここまでにします。

続きはまた次回に。


ではでは。

ややこしいお話を最後までお読みいただいて、ありがとうございました。



「日本語であそぼ」の野村萬斎さんの声で脳内再生してください。
イラストはいらすとやさんからお借りしました。