市役所勤務の現役保育コンシェルジュ、ナナです。


昨日に引き続き、保育園の空き状況についてのお話です。

今日は、市役所のホームページなどで公表されている「保育園の空き状況」ですが、見る時の注意点などをお話したいと思います。


まず、1番に言いたいのは

リアルタイムの状況ではない。

ということ。


「○月△日更新」とか、「○月△日時点」とか書いてあると思います。

うちの市の場合は、毎月25日に更新しています。月に1回だけの更新です。

次の次の月の空き状況を25日に発表しています。

次の次の月の入園申込みに間に合うようにしています。

25日に発表するということは、20日頃から園とやり取りをしながら「あと何人、入れるか」ということを検討しています。


だから、20日以後に

急に退園者が出た(←空きが出た)

急に保育士が辞めて保育士不足になった(←空きがあるって言ってたけど余裕がなくなった)

保育士の採用が上手くいったので、あと数人受け入れできる(←保育士不足で無理って言ってたけど大丈夫になった)


などなど、園の事情の変化による変更があっても、その都度の発表はしていません。

本当は、それをしないといけないのかもしれないけれど、そこまで手が回らないのです。(やっている市があるなら、それはすごいことです!)

もちろん、窓口やお電話で相談があった時には、最新の情報はお伝えしていますよ。

だから、空きがあると見た園を選び、希望園に書いた申込書を持って来られた方には

「申し訳ないのですが、こちらの園は、園から保育士不足で急に受け入れが出来なくなったと連絡がありまして…」

という感じでお伝えすることがあります。


どこの市町も、公表している空き状況の表の一番下あたりに小さい字で書いていると思います。


受け入れ可能となっている園でも、今後の園の状況等により受け入れ不可となる場合があります。

っていう感じに。

その逆もあります。

受け入れ不可となっている園でも、今後の退園者などがあれば受け入れ可能となる場合があります。

ということも書いています。


また、

この空き状況の公開は、受け入れ不可となっている園の申込みを拒むものではありません。

ということも書いています。

以前、「受け入れ不可になっている園は申込みが出来ないと思っていたから申請しなかったのに、今月、その園に入園したという人がいる。どうなっているのか?」というクレームがありました。

月末になって退園者が出たため、急遽、受け入れが可能となった結果なのですが、それ以後、この一文を付け加えて記載しました。


変更はそう度々ある訳ではありませんが、たまにあります。

保活中の保護者さんの対策としては、

「ホームページで空き状況を見ましたが、あれから変更ありませんか?」

とお聞き下さればお答えしています。気になる方は是非お尋ねください。


あと、もう一つ。

育休延長希望で「申し込むけれど、入所保留になりたい」という方は、この保育園の空き状況を見て「受け入れ不可」のところを一園だけ書いて申請すれば良いのですが、念のため

「保留希望なんですが、この園で大丈夫でしょうか?」

と尋ねておく方がいいです。

急に空きが出たということもあるのでね。



さて。

リアルタイムの状況ではないということ以外に注意点があります。

それは、ホームページで空きが出たことを見ると、

「B保育園、空きが出たんだ!申し込もう!」

となると思いますが、

考えることは皆、同じ。

ということです。

今まで他の保育園を希望園にして申込み、待機になっている方々の中にも、空き状況を見てB保育園に希望を変えてこられるということもあります。

つまり、年度途中の入園申込みにおいては

空きのある園に申込みは集中する

のです。

とくに1歳児などですと、年度途中の空きは奇跡的な貴重な1席となります。

1人のみの募集に30人以上の新規申込みや、希望園変更が集中することがあります。


だから、

空きがあるからと言っても、激戦なんです。

決して、決まるまでは職場に「保育園、空きが出たみたいだから、来月から復職できるかも〜」なんて言わないことです。


入所保留通知を受け取ってから

「空きが出たんじゃなかったんですか!?」

って言って来られる方、ありますけれど、

「空きが出たからといって、自分が入れると思ってたの?」って、心の中で思いながら、入れなかった理由を説明します。



さてさて。

保育園というのは、4月に一斉に新入園児が入園すると、あとは、5月、6月、7月……と、残りの席が次々に埋まっていくイメージです。

一旦、定員に達してしまうと、あとは誰か退園する人がいなければ空きは出ないというのが例年の流れです。たまに、保育士の年度途中で新規採用があったり、あるいは育休から復帰する保育士がいたり、そういうことで、年度途中の募集がかかることはありますが。

基本的には、今、発表されている空き状況で「受け入れ不可」となっている園が「空き有り」となることは、もう退園者がない限り無いことです。


空きがあまり無いことを見た保護者さんから「次の募集は秋ですか?」とか「9月ですか?10月ですか?」とたまに尋ねられることがあるのですが、これを聞かれる理由が全く分かりません。

どこからの情報なんでしょうかね。保育園の一斉募集は4月のみです。私がこの仕事に携わってから10年になりますが、いまだにこの質問の根拠は謎です。



実はね、うちの市の7月の空き状況。

1歳児が全滅となりました。

認可保育園で1歳児の入園可能な園が全くなくなってしまいました。

これは、辛い。

保育コンシェルジュとしては、本当にやるせない気持ちです。ご案内できる園がないのです。


そして、調べましたら、市内の企業主導型保育施設も現在、1歳児全滅

分かった時には冷や汗が出ました。


かろうじて、認可外の園2園が「今ならまだいけます」とのお返事を下さいました。


あとは、ファミリーサポートセンターとか、一時預かりのご案内しかできなくなりました。


昨日のブログに書いたX市の保育園なら空きがあるということを、もう全ての1歳児の保護者の方に伝えています。勤務先がX市という方は検討される方が多いです。

まだお読みでない方は、こちらからどうぞ、ご覧ください↓↓




ご相談のお子さんの年齢が1歳児で、もう認可も企業主導型もいっぱいと分かって、「もう入れるところ、ないんですね」言われると、私自身が責められているような気持ちになります。

「どうしたらいいんですか?」と言われると泣きたくなるという職員もいます。

私は、認可外やファミリーサポートセンターや一時預かりのご案内をしたうえで、

「市役所としてご案内できることは、これが全てです。お役に立てなくて申し訳ありません」

と誠心誠意で言うしかないよ、と若い職員には伝えています。

これが窓口職員に出来る限界です。

あとは、もっと上の人が考えることだと思っています。



はい、では今日はここまでです。

最後は少し愚痴っぽくなってしまいましたね。ごめんなさい。

最後までお読みいただいて、ありがとうございました。