【アセアン自動車ニュース@川崎大輔】トヨタ、ハイラックスをミャンマーで生産予定(2021年より) | アセアン自動車流通大陸@川崎大輔

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トヨタ自動車はミャンマーで車両生産会社「Toyota Myanmar Co., Ltd.(TMY)」を設立し、2021年2月よりハイラックスを現地生産すると発表。ずっと様子を見て行動に移さなかったトヨタだが、ようやくミャンマーに入り込むことになった。

 

(記事抜粋)

『ミャンマーは経済発展に伴い、2018年の新車需要は前年比2.1倍増の約1万8000台と、大幅な伸びを示している。トヨタは現在、ミャンマーにて『ハイラックス』や『ヴィオス』、『ラッシュ』などを輸入して販売しているが、今後も着実に拡大する市場を見据え、今年6月にTMYを設立。現地生産を進めていく。

 

新会社TMYにはトヨタのほか、ミャンマーで様々な事業を展開する豊田通商も15%を出資。新工場は、最大都市ヤンゴンの南部近郊に位置するティラワ経済特区に建設を予定しており、投資額は約5260万米ドル(約57億円)を見込む。新規雇用は約130人を予定しており、2021年の稼働当初はSKD(セミノックダウン方式)でハイラックスを年間約2500台生産する予定だ。』

 

https://response.jp/article/2019/05/31/322955.html

 

 

ミャンマーでは、2012年以降の中古車開放によって、一気に街に車が溢れることになった。特にヤンゴンの朝夕のラッシュ時はひどい。自動車保有台数の7割がヤンゴンに集まっている。そのため、政府は自動車の増加による渋滞緩和と環境保護を検討。2016年から政府は自動車の輸入を制限。2018年にはついにミャンマー政府は中古車政策によって、右ハンドル車の輸入が乗用車、商用車、共に禁止とした。

 

実質、日本からの中古車輸出が不可能になった。右ハンドルの自動車輸入規制が開始されてから新車市場に追い風が吹き、情勢が変わってきた。中古車天国のミャンマーであったが、新車の販売台数が突然伸びることになった。

 

この市場にスズキなどは早くに目をつけ、現地生産をスピーディーにスタートしていた。スズキがミャンマーで急伸 市場シェア52%、価格の安さが魅力であった。現地生産でもないにも関わらずそんなスズキを猛追していたのは、シェア約20%のトヨタ自動車だ。主に若い家族向けのインドネシア生産車「アバンザ」は同じクラスの現地生産車より高価だが、ブランドイメージの高さから人気を集めている。現地生産をすると優遇税により価格競争で優位に立てる。ハイラックスで一気にスズキとの差とブランド力を縮める予定なのだろう。

 

経済成長を追い風に、これからのミャンマーでの新車市場が広がりには注目だ。

 

<川崎大輔 プロフィール>

大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより「日本とアジアの架け橋代行人」として、Asean Plus Consulting LLC にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。専門分野はアジア自動車市場、アジア中古車流通、アジアのアフターマーケット市場、アジアの金融市場で、アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア研究センター外部研究員。