河内マサヤンのブログ -4ページ目

河内マサヤンのブログ

私が作成した創作花札を掲載しています。創作花札とは花札の形を借りた「書」「イラスト」「言葉遊び」が三位一体となった作品です。

アリー!

ミクロネシア地域のパラオは人口は2万人弱、面積は屋久島とほぼ同じです。

パラオの国旗はライトブルー地に黄色の円が描かれ、日本の国旗と似ていますが、円は中央よりやや左に配され、太陽ではなく、月を表しています。

第二次世界大戦前に日本の委任統治領だったこともあり、日本と非常に縁が深い国になっています。国民の4分の1は日本人の血をひく日系パラオ人と言われており、歴代の大統領10人のうち4人が日系人です。またパラオ語には日本語由来の単語が非常に多く「Daiziob(大丈夫)」「Daitorio(大統領)」「Komeng(ごめん:謝罪)」など、面白いものでは「SapporoIchibang(インスタントラーメン)」「Tsitsibando(乳バンド:ブラジャー)」などあり、単語だけでなく「Ichirets ni narande!(一列に並んで)」「Genki dasite!(元気出して)」などのフレーズも普通に使われているそうです。さらにアンガウル州ではパラオ語、英語の他に日本語も公用語として定められています。

さて、今回は「メフィスト・フェレス」をはめ込みました。太平洋戦争では激戦地になりましたが中でも『ペリリューの戦い』では日米両国ともに大きな損害を出し、日本軍は1万人以上の戦死者を出し玉砕状態、アメリカ軍も深刻な損害を受け、積み上がる戦死者に米兵は「悪魔の島」と呼んだそうです。

 

ブエナスタルデス!

コロンビアは南米北西部に位置し、漢字では『哥倫比亜』と書きますが、名前の由来は新大陸発見者『コロンブス』に由来しています。コーヒー(世界四位)、エメラルド(世界一位でシェアは80%)などが有名ですが、世界有数のコカ栽培国でもありコロンビアで生産されたコカインは世界中に密輸されました。そのため1980年~1990年代は『麻薬戦争』が起こり「世界で最も危険な国」のひとつと呼ばれました。

さて、今回は白い鳩をはめ込みました。かつては「世界で最も危険な国」であったコロンビアですが、21世紀に入り政府による粘り強い治安対策が行われ、飛躍的な改善が見られています。平和と幸運を運ぶ白い鳩がこの国に舞い降りたのでしょうか。

 

 

ジェンドブリィ!

ポーランドは中央ヨーロッパに位置し西と東の文化が往来する重要地点。そのため多くの外憂に曝されますが、苦難にあったが故に革新・革命的なものを生み出してきたのでした。

13世紀「モンゴル侵攻」ではワールシュタットの戦いをはじめ、壊滅的な打撃を受けましたが、ポーランドは強かにも敵から騎馬戦術や火器を取り入れます。火器はフス戦争におけるハンドカノンを始めとした銃器へ発展をとげ、騎馬戦術では『フサリア』と呼ばれる最強の騎兵を生み出しました。『フサリア』は独特な羽飾りを背負い『有翼衝撃重騎兵』とも呼ばれ、小数でも圧倒的多数を打ち負かす事が可能です。「オスマントルコ」による「第二次ウイーン包囲」では15万のトルコ軍に対し、ポーランドの『フサリア』3000騎が中央突撃を敢行しトルコ軍を敗走させ、「スウェーデン大洪水」と呼ばれたスウェーデンとの戦いにおいても10倍以上の敵を『フサリア』で打ち負かしています。「北方の獅子」と呼ばれたスウェーデン王「グスタフアドルフ2世」が最も恐れたのはボヘミアの魔将「ヴァレンシュタイン」ではなく、ポーランドの軍人貴族「スタニスワフ・コニェツポルスキ」でした。

しかし国内外での度重なる戦争で国力は疲弊し、コストのかかる『フサリア』は衰退、遂に18世紀のポーランド分割により滅亡してしまいます。その後『ワルシャワ公国』『ポーランド立憲王国』などが建国されましたがフランスやロシアの衛星国にすぎず、真の独立国とは言えませんでした。第一次世界大戦後、遂に独立主権を持つ『ポーランド共和国(第二共和国)』が建国されたのも束の間、第二次世界大戦での『独・ソ・ポーランド侵攻』により占領されてしまいます。大戦後『ポーランド人民共和国』として独立しますが、実態はソ連の衛星国、ポーランドが真の独立国となるのは1989年『ポーランド共和国(第三共和国)』成立からでしょうか。

実に二世紀もの間、苦渋の期間が続きましたが、学術・文化面において革新・革命を起こす人物が現れます。

『マリア・キュリー(キュリー夫人)』は放射能の研究でノーベル物理学賞と化学賞を受賞しました。彼女の研究やアイデアは当時の物理・化学だけでなく21世紀の生物学・医学にまで影響を与えています。

❝ピアノの詩人❞『フレデリック・ショパン』は革新的なピアノ技法、そして繊細な感情表現によりピアノ音楽の新境地を拓きました。『革命』といえばショパンの練習曲集10‐12番、1831年ロシアのポーランド侵攻に対する怒りの感情を表現した作品と言われています。

今回、地図にはめ込んだのは『ショパン』と女流作家『ジョルジュ・サンド』。彼女と寄り添った9年の間にも多くの情熱的傑作が生まれました。

アニティレ!

マリはアフリカ西部の内陸国で面積は日本の3.3倍です。かつてこの国に栄えたマリ帝国は強大な国力を持ち、特に14世紀最盛時の国王マンサ・ムーサは『人類史上最高のお金持ち』といわれ、総資産は今の価値にして40兆円とのこと。彼は数万人のお供を従えメッカ巡礼に赴き、行く先々で大量の金をばらまきました。特にエジプトのカイロでは金を大量に配りすぎて金相場の深刻な下落が十年以上も続いたそうです。

現在のマリ共和国においても金は総輸出の75%、総生産の25%を占めています。地図では金のバーベルをはめ込みました。そりゃあ金のバーベルですもの、重いわけですよ。それで練習すれば金メダル取ってニンマリでしょうねぇ・・・と思いきやパリオリンピックではウエイトリフティングに代表を送れず残念ながらダンマリ・・・

ドブリーデン!

チェコは中央ヨーロッパに位置し、かつてはチェコスロバキアと呼ばれていましたが、1993年チェコとスロバキアに分離しました。チェコと言えばビール、国民一人あたりビール消費が世界一位(年間約160リットル)で、有名な銘柄は『ブドヴァイゼル』、英語読みでは『バドワイザー』ですが、アメリカのアンハイザー・ブッシュ社の『バドワイザー』とは味がかなり違うようですね。

またチェコはオーストリア・ハンガリー帝国の時代から産業革命が進み、当時は世界7位の工業国でした。自動車産業も盛んで、シュコダ、タトラ、プラガなどの自動車メーカーがあります。1936年にデビューした「タトラ・T87」はその特異なデザインとアウトバーン専用とまで言われた高速性能で「20世紀の名車」に選ばれました。シュコダやプラガはモータースポーツにも参入しています。

さて今回はスポーツカーをはめ込みました。チェコは駱駝にも見えるので?マサヤンは「ラ・クーダ」と名付けました。

ノモシュカール!

バングラデシュは、バングラ(ベンガル人)・デシュ(国)「ベンガル人の国」という意味です。かつてはインドの一部でしたが、イスラム教とヒンドゥー教の対立により「パキスタン」として独立しました。ただし今度は「東パキスタン」とよばれ、パキスタン本国から遠く離れ、偏った政策による不満が爆発。「バングラデシュ独立戦争」が発生し、さらにインド介入による「第三次印パ戦争」を経て1971年に独立しました。

『黄金のベンガル』といわれ、かつては南アジアでも近代化の先頭に立つほど豊かな地域でしたが、政治汚職、非効率な行政により世界最貧国のひとつとなりました。

しかしバングラデシュには1億7000万人近い人口があり、人口密度は小国を除けば世界最高。豊富で安い労働力目当てに外資が流れ込み、中国や東南アジアに代わる『世界の工場』になりえると期待されています。

はめ込み地図では、若者が天を仰ぎ叫んでいます。『ベンガルの若虎』躍進の咆哮になるのでしょうか。

 

 

キアオラナ!

クック諸島はポリネシア東部の24の環礁と火山島からなる国です。ニュージーランド王国(国王は現イギリス王チャールズ三世が兼任)に属し、全国民がニュージーランドの国籍も有しています。また外交と国防の最終決定はニュージーランドが行います。このため国家三要素のうち「主権」と「人民」について完全に満たさず、国家として承認していない国も多数あります。

今回はめ込んだのは、レイ(ポリネシアの花輪)をつけた優しいおばちゃん。クック諸島は治安が大変良く、人民は穏やか、危険な動物や毒虫も一切いないとても安全な国と言われています。

ちなみに大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」の撮影はこの国のラロトンガ島で行われました。

ハーイ!

中央アメリカ、ユカタン半島の付け根に位置するベリーズは、美しい珊瑚礁に恵まれ『カリブの宝石』と称えられています。世界2位の規模を誇る『ベリーズバリアリーフ』や『グレート・ブルーホール』などダイビングスポットが多く存在します。そしてつぶらな瞳が愛らしいカイギュウ目『マナティー』が生息しています。ベリーズにいるのは『アンティル・マナティー』という比較的大きな亜種になります。絶滅が心配されていましたが、懸命な保護活動により1000頭ほどに回復したそうです。基本保護区では接触禁止だそうですが、一部泳いで観察ができるシュノーケリングツアーもあるそうです。

 

テーマ:

 

暑い日が続きます。創作花札から涼し気な作品をひとつ。

利尻島はアイヌ語で❝リ(高い)シリ(島)❞その名のとおり最高標高は1721m、夏でも山頂付近は10℃をきることも多いそうです。本作では海上に颯爽とそびえ立つ利尻島と蒼翠の丘に咲き乱れるエゾカンゾウを描きました。エゾカンゾウは夏にオレンジ色の花を咲かせます。花にはほのかな甘みがあり、シャキッとした食感で「おひたし」や「からし和え」などが美味しいそうです。

アイニンバーラ!

今回は西アフリカに位置するガンビア共和国、上の地図を見ていただければ分かるように、ガンビア川に沿った東西に細長い地形です。さらにガンビア川河口の西側を除いた陸地部分の国境は全てセネガルと接しているのみ。このいびつな状態は植民地時代の歴史が関係しています。この地域ではイギリスとフランスが争っていました。特に川幅が広く流れも緩いガンビア川は河川輸送にうってつけで、内陸から金、そして奴隷を運ぶ重要な交易路だったのです。当時イギリスは武器・綿布を本国からアフリカへ、奴隷をアフリカから西インド諸島へ、砂糖を西インド諸島から本国へ持ち帰るいわゆる「三角貿易」で莫大な利益を得ており、ガンビア川は奴隷交易の最重要拠点でした。イギリスにとってはガンビア川流域の「おいしい所」さえ確保できれば、周りの広大な「セネガル地域」はフランスにくれてやれ状態だったのでしょうか。しかし次第に奴隷貿易は下火になり、19世紀に禁止されると今度は「フランスさんフランスさん、ガンビア川にイギリス植民地あったら嫌でしょう?ガンビア川あげるから、代わりにどこか頂戴な」と領地交換を持ちかけますが、話はそう上手く進むはずが無く、ガンビアはセネガルとは別の国として残ったのです。

ガンビア川河口には「クンタ・キンテ島」という島があり、かつて奴隷貿易が行われていた痕跡をとどめる遺構が多く残り「世界遺産」に登録されています。ちなみに元は「ジェームズ島」という島名でしたが、アメリカドラマ(小説)「ルーツ(アイレックス・ヘイリー著)」の主人公クンタ・キンテにちなみ改名されました。