「川の流れのように」ガンビア共和国(Republic of the Gambia) | 河内マサヤンのブログ

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私が作成した創作花札を掲載しています。創作花札とは花札の形を借りた「書」「イラスト」「言葉遊び」が三位一体となった作品です。

アイニンバーラ!

今回は西アフリカに位置するガンビア共和国、上の地図を見ていただければ分かるように、ガンビア川に沿った東西に細長い地形です。さらにガンビア川河口の西側を除いた陸地部分の国境は全てセネガルと接しているのみ。このいびつな状態は植民地時代の歴史が関係しています。この地域ではイギリスとフランスが争っていました。特に川幅が広く流れも緩いガンビア川は河川輸送にうってつけで、内陸から金、そして奴隷を運ぶ重要な交易路だったのです。当時イギリスは武器・綿布を本国からアフリカへ、奴隷をアフリカから西インド諸島へ、砂糖を西インド諸島から本国へ持ち帰るいわゆる「三角貿易」で莫大な利益を得ており、ガンビア川は奴隷交易の最重要拠点でした。イギリスにとってはガンビア川流域の「おいしい所」さえ確保できれば、周りの広大な「セネガル地域」はフランスにくれてやれ状態だったのでしょうか。しかし次第に奴隷貿易は下火になり、19世紀に禁止されると今度は「フランスさんフランスさん、ガンビア川にイギリス植民地あったら嫌でしょう?ガンビア川あげるから、代わりにどこか頂戴な」と領地交換を持ちかけますが、話はそう上手く進むはずが無く、ガンビアはセネガルとは別の国として残ったのです。

ガンビア川河口には「クンタ・キンテ島」という島があり、かつて奴隷貿易が行われていた痕跡をとどめる遺構が多く残り「世界遺産」に登録されています。ちなみに元は「ジェームズ島」という島名でしたが、アメリカドラマ(小説)「ルーツ(アイレックス・ヘイリー著)」の主人公クンタ・キンテにちなみ改名されました。