「亀に乗ってスローライフ」コスタリカ共和国(República de Costa Rica) | 河内マサヤンのブログ

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私が作成した創作花札を掲載しています。創作花札とは花札の形を借りた「書」「イラスト」「言葉遊び」が三位一体となった作品です。

ブエナスタルデス!

7月に入り、2024年も半分が過ぎましたね。7月といえば、日本書紀に「雄略天皇22年(478年)7月に丹波国で浦嶋子なる者が巨亀を釣り上げる」との記述があります。亀は美女に変身し、浦嶋子は妻に娶り、共に海中にある蓬莱国へ赴き仙人たちに会って回ったとのこと。皆様ご存知の「浦島太郎」の原話ですね。万葉集になると、蓬莱国に3年滞在したのち里帰りすると既に300年経過しており、「開けてはいけない」と言われた箱を開け一気に老化してしまうというストーリーになります。浦島太郎は竜宮城で超スローライフをおくったのでしょうが、今回のはめ込み地図は、亀に乗るのは浦島太郎ではなく『ナマケモノ』、英名でも「怠惰」を意味する『Sloth』とあまり有り難くない命名です。移動速度は分速2m~3m程、スローライフ故に代謝が極端に少なく食事も1日10g程で木の葉や芽、自分の体毛に生えたコケを摂取しています。一生のほとんどは樹上で過ごしますが、週に1回地上に降りて排便を行います。ただしこの時が一番危険でオウギワシなどの天敵に襲われやすく、ナマケモノの50%が排便時に命を落とす、まさに「命がけのおトイレ」なのです。

はめ込み地図のコスタリカにはナマケモノが多く生息し『ナマケモノのとおりみち』という名の「生物回廊農園(植樹により生き物の通り道を作り共生を目指す)」プロジェクトも立ち上げられています。コスタリカは「環境保護先進国」といわれ、国土の4分の1が国立公園・自然保護区で地球上の5%もの生物が生息し、世界で最も昆虫が多く住む国とも言われています。生物との共生を目指す姿勢が影響しているかは分かりませんが、世界で数少ない常備軍を持たない国でもあります。

浦島太郎が訪れた蓬莱国(竜宮城)は共生とスローライフを満喫できるコスタリカのような国だったのでしょうか。

ちなみに作中では泳ぐ亀に乗っているナマケモノですが、泳ぎは比較的得意で、地上の3倍の速度で泳げるとのことです。