燃えよ剣、土方歳三。その生き様に感動。
- 司馬遼太郎といえば、「竜馬がゆく」が最高です。しかし、私の司馬作品との最初の出会いは、学生時代にふと立ち寄った本屋でみつけた「燃えよ剣」でした。ちょうどその頃、深夜のテレビで再放送中でもあり、栗塚旭演じる土方歳三は、強烈な印象があったのを覚えています。その一書を手に取って、「これが原作か」と、まるで宝物を見つけたような思い出があります。そして、読んでみて、もう大感動をしました。
- 己の決めた道を、例え、時代が変わりゆこうと、その信念を貫く。剣を持って、生きるからには、剣で完結すると言わんばかりの、その凄まじい生き方に読了後に、もう終わってしまったかと非常に残念な気持ちになりました。その後、さまざまな土方像を描いた作品を買い求めましたが、「燃えよ剣」以上のものは、無かったように思われます。本が、大好きになった一書です。
その後、「竜馬がゆく」を読んで、司馬作品の虜になりました。土方歳三、坂本龍馬。 彼らに共通するその時代の舞台 京都へは、ふたりを偲びつつ訪れたのがなつかしい想い出 です。
一生会社勤め?武蔵 男の生き方
- 吉川 英治
- 宮本武蔵(全4巻)
この先、ますます、定年まで無事に勤める事が難しい世の中になってきました。
仮に、定年まで、無事に勤めても、その後、年金もあまり期待できず、退職金もあてにならない。これからは、定年までに、自分をしっかり確立して、老後の生活も、きちんと自己責任で築いていく必要があります。
ずっと昔の、今とは、全く違った時代を生き抜いた宮本武蔵の生き方に、感銘を受けるのは私だけでしょうか?
最初は、その時代の名門であった柳生一族に立ち向かい将軍家への宮仕えも試みはしますが、結局それも断念し、己の道を生き抜いていく。
どこかで仕えていないと不安で一杯の現代人に、生き行くための大きなヒントを与えてくれるように思いました。
一押しの大沢作品
- 大沢 在昌
- 毒猿―新宿鮫〈2〉
そんな私が、大沢作品にはまったのは、以前新宿に遊びに行った時。駅で待ちあわせた同級生の大学の教授の一言でした。その彼が、「新宿。新宿鮫が面白いよね。」と言った一言でした。ゲーテ研究家である彼の口から、そんな言葉が出て来るとは夢にも思いませんでした。しばらく前に、この新宿歌舞伎町で、中国人が青龍刀を振り回した事件があったのと前後して、ひとつ読んでみるかと思い立ちました。
まずは、新宿鮫の一巻を読んで、その面白さに引き込まれ、二巻の「毒猿」を読んでからというもの、完全に大沢作品にはまってしまいました。
悲しきヒットマンの毒猿、病をかかえながらも、死を賭して標的を追う姿に感動しました。
最後に「誰も、毒猿を殺せない。毒猿を殺すのは病。」と言って死んで行くそのシーンは、映画になれば、是非、今は亡き松田優作がやってくれたらなと、思います。