エアグルーヴのマーメイドS | カッツミーの競馬道

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 今週は牝馬限定重賞のマーメイドSが京都競馬場で行われる。

 

 1996年に牝馬重賞の充実をとG1秋華賞が創設され、同年にマーメイドSも6月に新設された。

 

 そして翌年、1997年の第2回マーメイドSにエアグルーヴが出走してきた。

 

 エアグルーヴは父に1994年のリーディングサイヤーのトニービン、母に1983年のオークス馬ダイナカールを持つ良血馬で、前年のオークスでは母に続く2代でのオークス制覇を成し遂げていた。

 続く第1回秋華賞では入れ込みが激しく10着に大敗し、さらにレース後に右前脚の骨折が判明し戦線離脱となり、復帰戦がマーメイドSとなった。

 

 第2回マーメイドSは稍重の阪神競馬場で行われ、8か月ぶりの出走になるエアグルーヴはそれでも単勝1.9倍の1番人気に支持された。

 エアグルーヴは好位から直線抜け出して2着シングライトトークに3/4馬身を付けて、見事復帰戦を勝利で飾った。

 

 その後エアグルーヴは札幌記念を勝ち、続く天皇賞(秋)では前年の覇者バブルガムフェローに競り勝ち、牝馬17年ぶり、天皇賞(秋)が2000m戦になってから初めて天皇賞(秋)を制した。

 天皇賞後もジャパンCでピルサドスキーの2着、有馬記念ではシルクジャスティスの3着と好走し、この年の年度代表馬に選ばれている。

 

 エアグルーヴは引退後もエリザベス女王杯連覇のアドマイヤグルーヴや現在種牡馬で活躍しているルーラーシップを生み、さらにアドマイヤグルーヴは2冠馬ドゥラメンテを生むなど、その子孫は現在の競馬シーンを彩っている。

 

 第2回マーメイドSは、エアグルーヴにとって単なる骨折明けの復帰戦ではなくて、その後の自身の快進撃のスタートとなったレースといえるだろう。ちなみに同レースは2004年に娘のアドマイヤグルーヴが、2012年にグルヴェイグが勝ち2度の母仔制覇も成し遂げている。

 

 最近のマーメイドSはどちらかというと小粒なメンバーが揃うようになっていて今年もそんな感じだが、かつてのエアグルーヴのようにこのレースをステップにスターダムを駆け上がる牝馬の誕生を期待したいものである。