VINTAGE GJのこと
振り返りを書こうかどうか迷いました。
前回みたいにサラッと終わるのもありだなって思いましたが、
やっぱり一つの区切りなので書きます(笑)
まずはチームのこと。
今回出演させていただくにあたって
Aチームはもちろん、Bチームのメンバーも誰が出るのか事前にはほぼ知りませんでした。
というのも
誰が出るから出るとか出ない
というのが自分にとっての判断基準ではないので
単純に企画の内容と自分がその場に必要なのかというのを自分なりに見極めて決めたので、
キャストが発表されて
おお、なるほどね〜って思いましたし
何ならAチームのメンバーは本当にお金払って1人のお客としてみたいって思ったので
千秋楽を自分で予約しようかと本気で悩んだぐらいです(笑)
でも、それをやってしまったら本当に待ち焦がれて楽しみにしていたお客様の1席を奪ってしまいかねないなって考えたら、それはダメだよねって諦めました(笑)
そんな想いはあったんですが、
現場に入ってからは自分のチームのことを考えるのに精一杯で、
Aチームのことは不思議なほど気にならなかったというより心を砕く隙間もなかったです。
Bチームのメンバーは
特徴を知っているメンバーがほとんどでしたが、初めましてのメンバーもいたので、
個々のメンバーの魅力は、
知っているメンバーは
共演当時の感覚+現在加わったものは何なのかを自分なり分析しつつ
初めましてのメンバーも
どんな魅力が隠されているのか稽古をやりながら楽しみに探していました。
ただ、Bチームとして。
ってなった時に、
特色は何なのか?
というか明確にこれだって思えるものは実感としてなかったので、どう出そうかというのを常に模索してました。
僕らの仕事は幸か不幸か常に比較されるお仕事なので、
変な対抗心としてではなくて、相乗効果としても
チームの特色は出さないとなって考えてましたし、
結果として特色が出た
ってなるんじゃなくて、
意図的に自分達で特色を出した
っ所まで行きたいなって思ってました。
稽古を進める中で朧げながら出てきたキーワードが
ドラマ性
で、
大きなきっかけは須田さんが芝居稽古初日にその事を言っていたからなんです
が、
元々ドラマ性のある台本なので、灯台下暗しというかスポットがそこに当たらなかったんですが、
Aチームのゲネプロ公演を見て
そのキーワードがパッと浮かんできて、、
というのも
Aチームはコメディ性、華やかさに富んでいて
エンターテインメント性が際立った素敵なステージだったので、
僕らはそこじゃなくて、ドラマ性を突き詰めて行けばチームとしての特色も出るし
須田さんラストプロデュースの座組全体としてのコントラストとしても明確になるんじゃないかなって思って、
一緒に見たチームのメンバーとも終わった後
感じたことを話し合ったり、家に帰ってもう一度脚本を読み直して、自分のチームの稽古動画を見直して
どうすればドラマ性、、、
具体的に言えばクライマックスの告白シーンが最高潮に達するよう
ストーリーの凹凸、感情の凹凸、空気の凹凸、テンポの凹凸まで
こだわって洗い直しました。
自分の芝居のアプローチの仕方も、変えないと
その凹凸がスムーズに、意図的にならないよなって反省して見直しましたし、
自分の気持ちの持った行き方、動き、コメディ要素も含めて、
削るものは削って、足りないものは関係性のバックボーンをもう一度掘り起こしてっていうことをやりつつ、
自分だけ変わっても影響は少ないので、
思ったことを、したいことを、メンバーと共有して、もちろん各々のメンバーが感じたことも共有して不安な所は劇場で返したりっていうことを
Aチームのゲネプロが終わってから翌日の自分達のゲネプロの直前まで行ってました。
個人的なターニングポイントはこの1日だったんですけど、もちろん、それまでの積み重ねがないと1日じゃ変えられないんですけどね。
それでゲネプロの直前に須田さんに
こういう意図で最終稽古と変わる部分があるので
問題があったら言って下さいってお伝えしてお客様だけでなく、須田さんにも見ていただきました。
日々の日記にも綴りましたが、
ゲネプロで完成ではなく、
もっともっと明確に、
楽しんでいただけるように、
っていうのを千秋楽まで微調整しながらやっていました。
変わる前と変わった後を純粋に見比べることはできないので、どこまで意図的に凹凸を作れたかはわからないんですが、
ステージ上で演じていての感覚としてはより明確になった、というよりやるべきことがハッキリしたので、よりしっくりとはしました。
振り返れば、
須田さんがプロデュースするようになって、
演出も担当するようになって、
とにかく言っていたのが
ドラマ性
だったな〜って思い出して(笑)
最後の最後で
須田さんから課された
卒業試験みたいだなって
今になってそう思います。
以上が
僕の視点からみたBチームとしての歩み
です。
Bチームのメンバーがこの人達じゃなきゃ出来なかったなって本心からそう思えるし、
Aチームの存在がなかったら腹を括れなかったし、
須田さんがプロデュース当初からドラマ性って言ってなかったら気付けなかったし
僕にとってはラストだからこそできたことだなって感じています。
ただ、
正解はご覧になった1人1人のお客様の心の中にあるので、
もっと笑いたかったって人もいらっしゃるかもしれませんし、
ドラマ性なんて全く感じなかったよって思った方もいらっしゃったかもしれません。
そういう方がいらっしゃったら素直に自分達の力不足を詫びなければいけないのですが、
少なくとも自分達はこういう想いで、方向性で、お客様をお迎えしようと胸を張って言えるものをやったので、
だからこそ、素直に謝れるなって思ってます。
続く。