前回↓の続き。

『Airdogの話その2 簡素な外装と内部構造で不安になった』前回↓の続き。『Airdogの話その1 X3s発注→到着→不信感。』コロナ禍の前から、ずーーーっと悩んでいた空気清浄機。アメブロを書き始めた理由の1つでもある…リンクameblo.jp

 

 

 

 

■前回のあらすじ

 

我が家に設置したAirdog X3sの内側や外装を調べて、高額商品の割りには安い質感とシンプルな構造だと分かった。

 

これで本当にウィルス除去できるのか心配になっていた。

 

心配するぐらいなら、そもそも何故こんな高額商品を買ってしまったのか?

 

数多くある空気清浄機の中で、どうしてAirdogだったのか?

 

そりゃあ、

 ↑

Airdog清浄能力の宣伝文句に引っ掛かったからです。

 

 

ウィルスをフィルターで浄化する空気清浄機」

って、あまり聞いたことがない。

 

「米国特許」は、さほど興味湧かなかったけど。

 

 

ただ、購入前に、これら宣伝文句が本物か調べていた。

 

 

今回は、Airdogの宣伝文句のうち、

・シリコンバレー発

・米国特許

の事実を極力調べた話。

 

■Airdog日記 全10話(予定)

1. X3s発注→到着の話
2. 外装と内部構造を調べた話
 

3. 製造会社と米国特許を調べた話 ←今回
 

4. 性能試験結果を調べた話
5. TPAフィルターを掃除してみた話
6. 買った理由:部屋換気の限界
7. 買った理由:HEPA式空気清浄機の限界
8. 故障?弱点判明・置き場所変更の話
9. AirdogX3s使用レビューまとめ
10. HEPA式空気清浄機との違い

 

 


 

  Airdogはどこで作っているか

 

日本販売代理店HPのFAQに、それらしい回答が載っている。

 

 

回答の字がちっちゃい・・・

(↑画像はブラウザ表示175%に拡大したもの)

 

 

「シリコンバレーのブランド」・・・

シリコンバレー「にある」某ブランド?

シリコンバレー「と言う」ブランド?

何のことか分からん。

 

 

「中国で製造」って、中国つったって馬鹿でかいぞ。中国のどこだ?まさか昨今問題のチベット自治区じゃないだろな?

 

と、相変わらず疑い深いので、自分で深く調べてみた。

 

 

■正式型式名は「KJ300F」

 

まずはAirdogのマニュアルをググる。

 

すると、このサイトにマニュアルが転がっていた。

※なぜか日本語マニュアルには記載無し

 

 

「KJ300F」

これがAirdogの正式モデル(型式)名。

 

 

■Airdogの設計会社と製造会社

 

この↑マニュアルにはご丁寧に、製造元・設計元まで記載。

 

「Desinged(設計社):Silicon Valley Air Expart」

「Manufactured(製造社):Anhui BeiAng Air Tech Ltd.」

 

 

いわゆる「EMS(Electronics Manufacturing Service)」方式。

製品製造専門の受託企業にて製造。

 

まさかiPhoneの最終組み立てが、アメリカのiPhone工場でやっているって思っている人いないでしょう?

それと同じ。

 

 

■「Silicon Valley Air Expart」とは

 

検索しても「AirdogUSA」のページしか引っ掛からない。

 

 ↑

このページのAbout us やContactメニューをクリックしても、住所が出てこない。

 

 

が、ビジネスSMS「Linkedin」のページで引っ掛かった。

 ↓

 

カリフォルニア州サンノゼか。

 

たしかにシリコンバレーだ。

サンノゼと聞いてピンと来る人はアメリカハイテク事情にお詳しそうですね

 

 

住所を見つけたので早速ググる。

 

 

StreetViewの向きからしてこの建屋で間違いない。

 

この建屋に複数テナントが8つぐらい入っているようなので、こんな建屋じゃ、工場機能は無さそうだ。

 

まぁそれでも、実在する企業ようで一安心。

 

これを調べるまで、「シリコンバレー」はダミーかと本気で思っていた。

 

 

■製造社「Anhui BeiAng Air Tech」とは

 

この会社名はググったらすぐ答えが出た。

Aribabaのページに詳細が載っていた。

 

 

住所はJiangsu・・・

 

蘇州か。

おぉ江蘇省じゃん。

 

懐かしい。

パパオ10年前に江蘇省無錫(WuXi)に出張行った経験。

蘇州と無錫は10km(20kmだったか?)離れているが、両方とも工業団地を抱え多くの日本企業とも関連がある。

おっとこの話は別途。

 

 

時を話を戻そう。

 

 

登録商標には「Airdog」の表記。

ページのMain Products(主な製造品)メニューには、「Airdog」製品を始め、Purifier(清浄機)が並ぶ。

 

 

さらにAribabaサイトには、ご丁寧に工場の画像↓も掲載。

アピールの必死さが伝わる。

それほど中国で売れているってことすかね。

 

 

 

 

確かにこの中国蘇州の会社がAirdogの製造元のようだ。

 

■ここまで整理

 

Aordogの正式型式名KJ300Fは、

米サンノゼで設計、

中国蘇州で製造。

 

両社とも実在していた。

 

 

なお、Airdogの日本での販売代理店が

「トゥーコネクト社」

 

トゥー~社は別にAirdog専業というわけでもなく他の家電も扱う。

 

 

  「米国特許」とは

 

アメリカ特許番号:

「US9868123B2」

「US9735568B2」

 

よっしゃ。

これも調べちゃおうじゃないの。

 

 

■今回使った海外特許リサーチサービス

 

米国特許を調べるサービスはいくつかあるが、

個人的に使えると思ったのは以下2サイト。

 

 

1. Google Patents

 

名称からして説明不要。

Google社提供の全文検索サービス。

 

 ↑

全部が1ページに収まっているので見やすい。

 

 

2. Espacenet

 

ヨーロッパ特許庁(EPO)+ヨーロッパ特許条約加盟国特許庁提供の、無料検索ページ。

収録される国数は100らしいがアメリカも当然含む。

 

 ↑

章項目(Descrpition:明細 や、Drawing:図面など)ごとにタブ分けされているので見たい章項目をすぐに選べる。

 

 

■Airdogの特許番号を検索した結果

 

2件とも該当アリ。

2018年、Beiang Technology社(さっきの製造元)からの申請。

 

 

全文をここで書いてもしょうがないので、

下↓にすごーく超ざっくり要約を書いた。

※いつものパパオの適当拙訳です

 

 

■特許番号「US9868123B2」

 

・長時間一定して高電圧を放出する機構

・電圧監視と機器保護機構

 

 

■特許番号「US9735568B2」

 

・効率よく汚染物質を吸着させる金属プレートの形

 

 

両特許とも、説明として

「その目的は、発生させた電極が強い吸着能力を持ち、空気の浄化効率を向上させる」

と付いている。

 

 

なるへそ。

 

2つの特許の全体像を超適当に整理すると、

高い集塵能力を持つフィルターの特許てことだと理解した。

 

 

■補足

 

電界金属でホコリやウィルスを吸着させる清浄機は、工場用ですでにあります。

 

例)

 

 

だが、おそらく「家電=家庭用」として、工場用以上に低い電圧、低オゾン化、そして突発の高電圧発生によるサージングやコンセントへの逆流を防ぐため、より緻密・安定的に電圧を制御しなければならない。
この電圧発生・制御機能を家庭用で実現した点も特許申請事由だと思われる。

 

すでに工場用にあるのに、なぜ日本メーカは家庭用に応用できなかった?

 

 

  確かにウソではなかったが

 

「シリコンバレー発」という宣伝について:

 

設計会社の所在地がシリコンバレーだから、間違ったことは言っていない。

「発」ってのも、まぁサプライチェーン全体からしたら、そりゃそうだなと。

 

ただ、パッと見ただけでは、シリコンバレーで製造されたかのように見えるのでそこは違和感。

 

 

「米国特許」という宣伝について:

 

説明が足りない。

「米国」と一言だけ謳われましても。

「で、何?」って。

 

 

確かにウソは言っていないが。

なんて言うかな。

いろいろ、勿体ない。

 

このご時勢、日本人はおろか世界中で空気清浄機の必要性が高まっているんだから、もちょっと丁寧に説明してもいいのでは?

 

余談ですが書いとく。

 

パパオも最近ビジネス上で、外国製最新システムを扱う日本代理店と商談している。

まぁその代理店の説明の仕方が下手。

まさにAirdog日本代理店と同じ感じ。

 

どこが同じかって、製品アピアランスの本質を見逃している点。


やきもきしちゃう。

 

 


 
今回はここまで。
 
次は、まだあるAirdogの宣伝文句
「ウィルスを除去」
を調べた話。
 
 
マル