太陽とビスコムーン | 久保克夫の『妄想プロデュース』

久保克夫の『妄想プロデュース』

元・劇団K-Showの劇団員、久保克夫です。
どうぞよろしくお願いします。

私が妄想でK-Showと古巣・劇団21世紀FOXの劇団員をキャスティングしていくといった内容です。
あくまでお遊びです。

脳みそをゆる~くしてお楽しみ下さい。

ファンタスティック デリバーのノベルのべる、続いて二本目は、

「ドッグシェア」
原作 瀬尾まいこ
(集英社文庫刊『おしまいのデート』所収 )


バツイチの女性と若い男子学生が、捨て犬を介して交流するお話。

演出は朝川流夢。

こちらも久保が演じたキャラをずらっと。

⑥仲人、通称・タキシード仮面

結婚式のシーンで、新郎役の首から下に、紙に張り付けたタキシードをぶら下げる男。

⑦黄色いイケメン

ごめんなさい、そういう演出なんです。

⑧蝉

3匹の蝉のうち、唯一木から落ち、死んだかと思ったら急に飛び立つ、いわゆるセミファイナル。

本当に死んでいる蝉は6本の足が閉じていて、生きているのは開いているんですよ、豆知識。

⑨遠吠えする犬

袖中で吠えるので、久保だと気付いた方は勝手に久保ファン認定。

⑩ビスコマン

おそらく長い演劇の歴史の中で、ビスコを演じた役者は私だけでしょう。

⑪月マン



久保のムーンウォークがいい具合に微妙な出来だったため、そこを買われて私の役に決まりました。

だから、いいんです、微妙で!

そういう仕様なんです!

そして、そのラストシーン、満月のためだけに照明を吊っていただきました。

贅沢!

その明かりが当たる場所に、ムーンウォークもどきをしながらピンポイントで月を掲げる。

袖中で演出・朝川が睨んでいる中、何とか外すことなく終えることができました。

⑫アルティメットフォーム

ビスコマンと月マンが融合したフォームです。


↑月マンの月と、ビスコマンのビスコマンポシェット

最初にビスコマンが登場したとき、胸に大きなMの文字。

疑問に思われた方もいらっしゃったようで。

ある日黒田くんが稽古場に着てきたセーターです。

ムーンのM!黄色いし!

とその場で衣装が決まりました。


それにしても、お芝居で月の役って、学芸会のド脇役のイメージしかありませんよね。

それがこの作品では思いの外重要な役になっていました。

ましてやいい雰囲気のラストシーンにまでムーンウォークもどきで登場し、あまつさえナレーター二人と一緒に礼をすることになるとは。

お客様の皆さんはどう思われたんでしょうか。

という訳で、全12キャラ、そりゃ忙しいはずですな。


久保がやった役以外にも、餃子マン、エビチリマン、胡麻団子マン、貼り紙マン、コーラマン、摩天楼マン…よその劇団ではなかなか観られない役の数々。

過去のノベルのべるでもそうでしたが、朝川演出は常に常識の枠をはみ出してきます。

敢えて言いましょう。

朝川流夢はいい意味で頭がおかしい。

誉め言葉です、くれぐれも誤解のなきよう。


ファンタスティックデリバーは10周年。

そのうち5回の客演で、様々な作品、様々な役、様々な人々と出会いました。

その中で紡がれた思い出のすべてが私の宝物です。

いずれまた、素敵なメンバーと素敵な舞台を作り上げていければいいなあ。



さて、息つく暇もなく、次のプロジェクトが間もなく始動します。

これが役者の幸せというものか!