1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>
2018-04-26 05:00:00

韓国、「インターネット」世論操作で文政権誕生?「捜査及び腰」

テーマ:ブログ

 

 

文氏側近が事件に関与か

操作で支持率は変化可能

 

 

韓国で最近、インターネットにねつ造の政治記事を書き込んだ事件が、大きな波紋を呼んでいる。与党の「共に民主党」議員が関わっている。そういう疑惑が生まれている。さらに、昨年5月の大統領選挙では、文在寅氏の当選にこのインターネットの世論操作があったのでないかとも言われ始めている。事実、中央選管が検察に捜査を申入れたが不起訴になっていた。近々、再捜査が始まる見込みである。そうなると、文氏の身辺が騒がしくなろう。

 

この大問題に対して、警察の捜査がこれまでスローであり、意図的にサボタージュしているのでないか。そういう疑問が出ている。文政権が、傷を負うのでないかとの「忖度」が働いているようだ。

 

一方、大韓航空専務のチョ・ヒョンミン氏は、会議中に激昂して広告会社の社員に水をかけた疑いで、容疑者として立件された。海外への逃亡を懸念して出国停止まで申請する騒ぎだ。端から見れば、相手の顔に水がかかった程度の話で「微罪」のはず。警察が捜査する事件でない。事の軽重をはき違えた韓国警察に、不審の念を持たざるを得ないのだ。

 

韓国警察のこういうアンバランスな対処方針を見ていると、インターネットの世論操作事件は、大統領府から圧力がかかっているのであろう。韓国警察は、今回も時の権力に滅法弱く、腰抜けの様相を呈していることを示唆している。

 

事件の発端は、韓国与党の「共に民主党」の党員3人が共謀して、与党へのコメントによる世論操作が発覚してから、イモヅル式に一連の世論操作が浮かび上がったもの。事件の経緯は、次の記事が明らかにしている。

 

文氏側近が事件に関与か

『朝鮮日報』(4月19日付)は、「金慶洙議員が世論操作関与の疑いを晴らすには」と題するコラムを掲載した。筆者は、朴国熙(パク・グクヒ)社会部記者である。

 

文在寅大統領の最側近議員が、世論操作事件の主犯とされる人物(K氏)と密接な関係にあることが判明した。これを読めば、文氏側近が世論操作事件を知っていたか。あるいは、共謀したのでないか、ということがピントくるはず。警察ならば、先ずその資金の出所を把握すべきだろう。だが、警察は一向に腰を上げようとしなかった。大韓航空の「水かけ」騒ぎでは早速動き出し、出国禁止令を検討するほどの素早さである。これと対照的に、世論操作事件では鈍い動きだ。この裏に、大統領府が介在しているぐらいのことは見当がつくだろう。

 

(1)「韓国・与党である共に民主党(民主党)の党員によるインターネット上でのコメントによる世論操作事件には、理解に苦しむ点がいくつもある。事件を主導したK氏(ハンドルネーム=ドルイドキング)は2016年11月から3月逮捕される直前まで1年4カ月にわたり、セキュリティー機能が優れたメッセンジャー『テレグラム』を使用し、民主党の金慶洙(キム・ギョンス)国会議員と連絡を取っていた。K氏は世論操作の対象としたインターネット上の記事3000件のURLも金議員に知らせていた。誰が見てもK氏と金議員の関係は疑わしい」

 

事件を主導したK氏は、2016年11月からこの3月に逮捕される直前まで1年4カ月にわたり文氏側近議員の金氏と密接な関係を持っていた。

 

(2)「通常の事件ならば、警察は真っ先に金議員の携帯電話を押収し、通信記録の分析に着手したはずだ。捜査関係者も『これほどの関係があれば、裁判所から捜索令状を取得する上で問題はない』と話す。しかし、警察はそうしなかった。K氏を逮捕後、20日以上がたっても金議員に対する捜査は行っていない。金議員は文在寅大統領の側近だ。警察が政権の顔色をうかがっていると言うほかない。決してそんなことはないと信じるが、K議員はその気になればいくらでも証拠隠滅が可能な状況が続いている」

 

韓国警察は、この事件捜査に気乗りしない様子である。場合によっては、文大統領個人のところまで、捜査が拡大するかも知れないからだ。この6月に、地方選挙が行なわれる。その前に、本格捜査へ入るのを避けているのかも知れない。ともかく、大統領を「忖度」していることは確実である。

 

(3)「金議員は疑惑そのものを否定している。金議員は14日、メディアで関与が報じられて以降、記者会見を開いた。K氏から人事関連の無理な依頼を受け、それを拒否したところ、K氏は反政府的なコメントを発し始めたという。金議員の説明はK氏とは無関係というトーンだった。それでも釈然としない点がある。金議員は2回目の説明で、『大統領選が終わり、(K氏が)在大阪総領事にある人物を推薦し、それを青瓦台に伝えた』と述べた。大統領選前後に国会議員会館を訪ねてきたK氏と数回会っていたことも分かっている。金議員は名実ともに大統領の最側近だ。そんな金議員が誰彼構わず会うはずはない。K氏と特別な関係がなければあり得ないことだ」


首謀者のK氏が、金議員に反旗を翻した理由は、韓国の大阪総領事にK氏の知人を推薦した。それがうまく行かず、気まずい関係になってインターネット上で、政権批判の世論誘導記事を書いたもの。ここで、端なくも暴露されたのは、文政権が論功行賞で人事を行なっていることだ。民間人が、大阪の領事ポストを云々できるはずがない。韓国では、大統領選で勝ち馬に乗れば、望外な「勲章」が手に入るのだろう。こうして取り巻き政治が進むのだろう。

 

疑惑はさらに深まっている。以下は、『朝鮮日報』(4月19日付)「文在寅大統領夫人まで登場した『ドルイドキング』ゲート」の一部である。

 

① 「文在寅大統領の妻である金正淑(キム・ジョンスク)氏が、与党・共に民主党員によるネット書き込み捏造(ねつぞう)事件の主犯とされるK氏(ハンドルネーム:ドルイドキング、主催のグループ名『キョン・イン・ソン(経済も人間が先、の意)』)を訪れ、激励していた事実が新たに明らかになった。ネットに公開された映像によると、大統領夫人は大統領選挙投票日直前の昨年4月、支持者らによる集会に参加した際「K氏のところにも行かなければ」と述べ、実際に会いに行っていた。警護担当とみられる女性が次のスケジュールを伝えたが、夫人は「K氏のところに行く」という趣旨の言葉を5回口にしていた」

 

② 「韓国大統領府と『共に民主党』はこれまで主犯の男K氏について『自発的な支持者の一人にすぎない』と主張してきたが、事実は前記の映像の方が真実を伝えている。一刻を争い各地を回らねばならない大統領候補夫人が『キョン・イン・ソン』(K氏)という言葉を5回も使い『会いに行かねばならない』と考えていたほど、この主犯の男は重要人物だったのだ」

 

日本では、安部首相と夫人が森友学園問題で騒がれている。そこに、確たる証拠があるわけでない。韓国の場合、映像と発言までが記録されている。こうなると、文大統領夫人はK氏と無関係とはいえなくなる。大統領選挙で世論操作が行なわれたことは否定できなくなってきたのだ。

 

K氏の関連先捜査の結果、次のような事実が浮かび上がった。『朝鮮日報』(4月18日付)社説「ドルイドキングの資金源を2カ月捜査しなかった警察」から引用した。

 

① 「今回犯行に使われた170台のスマートフォンが押収された。最も安い料金で使ったとしても、年間数千万ウォン(数百万円)はかかるし、しかも犯行に使用されたスマートフォンがこれだけでない可能性もあるだろう。また実際の作業にも多くの人員が必要で、その全員が無給のボランティアだったとは到底考えられない。その上事業の拡大や男(K氏)の個人的な用途にも多額の資金が使われたとのニュースも報じられている」

 

K氏のオフィスには170台のスマートフォンが残されていた。これを使った、世論操作に励んでいたのだろう。大掛かりな覆面世論操縦部隊である。

 

② 「警察はここ2カ月間、これらの資金がどこから提供されたか疑問さえ感じていなかった。男はグループを紹介する資料の中でこの11億ウォン(運営資金は年間11億ウォン=約1億1000万円)について、『寄付金や支援金は受け取っておらず、講演料収入などで充当している』と説明していたが、これは到底信じがたい。1年で11億ウォンを集めるには1日300万ウォン(約30万円)以上を稼がねばならず、この男にそんなことができたとは考えられない」

 

K氏のグループは年間1億1000万円の予算で世論操縦をしていたという。この資金は、ほぼ無収入と見られるK氏が捻出できる金額ではない。誰が負担したのか。先に文大統領夫人が、「K氏のところへ挨拶に行かねば」と発言している点から判断すると「共に民主党員」であることは間違いない。その後、資金提供者(石けんメーカー社長)が逮捕された。

 

③ 「結局は外部のどこかから資金を調達したことになるが、警察は2カ月が過ぎた今に至るまでこの資金源に関する問題を放置してきた。検察も同様だ。大統領選挙直前の昨年5月、中央選挙管理委員会は男らによる違法な選挙運動に関する捜査を検察に依頼したが、選挙から半年近く過ぎた11月に検察は不起訴処分として捜査を終了した。検察が告発を受けた直後に資金源を調べたかどうかは分からない」

 

韓国中央選挙管理委員会は、昨年の大統領選挙前に違法な選挙運動に関しK氏の捜査を検察に依頼している。ところが、昨年11月に不起訴処分にした。今回は、K氏のオフィスから大量のスマホが発見されている。検察は、大統領府からの圧力で不問に付したことは明らかだ。私は、韓国司法(裁判所と警察・検察)が、権力(大統領府)に対して極めて弱い立場であることを繰り返し指摘してきた。今回の事件は、それを示す一例であろう。

 

話は変わるが、朴槿惠・前大統領は一審で懲役24年、罰金18億円を科された。朴氏は、自ら控訴せず刑に服するとしたが、検察の控訴で二審が開かれる。朴氏は出廷しないだろう。この裁判が、政治的な報復であると抗議しているからだ。朴氏は、獄舎で生涯を閉じる覚悟と見る。そして、時の権力者の影響に基づく裁判に抗議する姿勢を後世に伝えたい気持ちであろう。

 

私は、朴氏の無実(収賄罪について)を信じている。巨額の賄賂を受け取る動機のない朴氏だ。あえて控訴せずに、この不法な判決を受け入れ刑務所で一生を終わる決意を固めたと思う。収賄するような人間ならば、控訴して刑の軽減を訴えるだろう。朴氏には、そういう邪念がない。殉教者の心境に達している。裁かれるべきは、権力者の文在寅氏そのものであろう。

 

韓国検察は、大統領府の「僕」となっている。今回の世論操作事件でも、最初から捜査する意志がなかったから、不起訴処分にしたに違いない。K氏のオフィスから出てきた大量のスマホを前に、何と弁解するつもりか。文政権が一枚看板にしている「積弊一掃」は、こういう政権べったりの検察が対象になる。政治的な影響力を裁判に与えている文政権も「積弊一掃」の対象に組み込まれるべきだろう。

 

④ 「この事件は大統領選挙期間中におけるネットでの大規模な捏造によって世論を不当に動かし、これを政治的に利用したものだ。だとすれば関係者は当然選挙法違反となる可能性が高い。また容疑者グループが年間11億ウォンも使ってそれを個人的に行ったとは常識的に考えてあり得ない。今後、権力との癒着が解明されれば重大な事件になるだろう。大統領府と与党・共に民主党は『自分たちも被害者』と主張している。大統領選挙期間中にビルの三つのフロアを借り、数百台のスマートフォンを使って当時の文在寅候補を支持する書き込みがネットで行われていたのに、自分たちが被害者とはどういうことか。今後の警察や検察の捜査も国民は最初から信じないだろう。大統領府と与党が本当に被害者であれば、一日も早く特別検事による捜査を受け入れるべきだ」

 

このパラグラフでは、不吉な予告をしている。韓国政治が、本当の意味で「積弊一掃」に着手するべきであるからだ。先の大統領選が、ネットへの大量の書き込みによる世論操作の結果とすれば、この罪は極めて重い。民意を悪用した点では、民主主義を踏みにじる行為である。米国大統領選でトランプ氏が当選した状況を彷彿させる事件だ。韓国検察は、中央選管の訴えにもかかわらずK氏を不起訴にした。どのように責任を取る積もりか。最高責任者は出処進退を明らかにすべきだ。

 

世論操作の手口は、どのようなものなのか。

 

操作で支持率は変化可能

『朝鮮日報』(4月19日付)は、「ドルイドキング、世論操作の泥沼にはまった韓国政治」と題する記事を掲載した。

 

この記事では、インターネットでの世論操作がどのように行なわれたか。その手口が明らかにされている。驚くべきは、インターネット上での投稿に対して、賛成の意味を表す「いいね」の数が、世論を動かしていることだ。これほど簡単に、民意が動かされるのか。韓国社会は、「烏合の衆」というイメージさえ与えかねないのだ。「いいね」の数に左右されるのでなく、自分自身の考えを持たない社会が、「大衆迎合政治」(ポピュリズム)の温床になっていることを立証している。「反日意識」も、こうした風のような韓国世論が巻き起こしている「つむじ風」に見える。

 

ポピュリズムの特色は、自己の道徳性の高さを強調して、相手を非道徳として決めつける政治手法である。大衆は、この偽善主義者に騙されて誘導される。現在、韓国で政治問題になっている、与党「共に民主党」は、自らを道徳的ものとして位置づけ、保守派は非道徳として排撃した。大衆も、自らを道徳的立場に身を置き、これに賛成してきた。このカラクリが、この記事の中に現れている。

 

(4)「韓国大統領府(青瓦台)関係者は17日、共に民主党の党員によるインターネット上での世論操作事件に関連し、1月中旬に事件を主導したドルイドキング(ハンドルネーム)による世論操作行為の直後、文在寅大統領の支持率が50%台に落ち込んだと指摘した。世論操作のせいで支持率が10ポイント近く低下したとの主張だ。インターネットとソーシャルメディアでの世論操作を使えば、支持率を上げることも下げることも自由自在ということになる。専門家はネイバーなど主なポータルサイトで大衆による共感のバロメーターとされる記事閲覧回数やコメントに対する『いいね!』の回数などを通じ、世論を特定方向に誘導できるとし、『政治が世論操作の泥沼にはまった格好だ』と指摘した」

 

与党党員が、なぜ文大統領支持率を下げる世論操作をしたのか。これは、この党員が推薦する人物を大阪の韓国総領事に就任させる「猟官運動」を目的としていたからだ。下がった文氏の支持率を回復させてやるから、人事の要求をのめという取引を持ちかけた。結果は、この「猟官運動」が失敗した。

 

問題は、インターネットとソーシャルメディアで世論操作を使えば、支持率を上げることも下げることも自由自在ということだ。これは、IT社会の落し穴である。韓国の中央選挙管理委員会は、選挙運動目的でメンバーを募集して、組織的に活動する「オンラインサークル」を規制する案を検討するという。今回のように、世論操作を目的とする活動の禁止である。

 

(5)「昨年末まで70%を超えていた文大統領の支持率は、今年1月第4週に初めて50%台まで低下した。世論調査会社リアルメーターによると、文大統領の支持率は1月第1週の71.6%から第3週に66%、第4週に59.8%にまで低下した。韓国ギャラップの調査でも同じ期間に支持率が8ポイント低下した。わずか3週間で支持率が10ポイント近くも変動したことになる。当時、世論調査専門家は文大統領の支持率低下について、南北統一チーム結成など北朝鮮の平昌五輪参加を巡る論争と仮想通貨問題、最低賃金問題など政策の混乱による影響だと分析した。しかし、この時期にドルイドキングがネイバーに掲載された南北合同チーム関連の記事に対する政府批判の書き込みで『いいね!』の数を水増ししたことが支持率に影響を与えた可能性が指摘されている」

 

このパラグラフで指摘しているように、平昌五輪の開催直前、文大統領の支持率は下がっている。私もこのブログで南北統一チーム結成が、若者の反感を買った結果であろうと書いている。その裏で、「猟官運動」を目的とした大掛かりな世論操作が行なわれていたとは夢にも思わなかった。こうなると、世論調査結果など信じられないことになる。大統領選挙のように、国民生活に直結する大型選挙では、世論操作を防がなければならない。同時に、国民一人一人が確固たる政治的信念を持つこと。これが世論操作を防ぐ道であろう。

 

(6)「コメントを操作し、支持率を落とすことができるということは、逆に支持率を人為的に引き上げることができることも意味する。ドルイドキングは大統領選の選挙戦期間である昨年4月24日、『2回のテレビ討論で文在寅候補が2位との差を大きく広げたが、その討論を巡る世論は我々が形成したものだ』と主張した。大統領選後は自分たちがオンライン世論を圧倒的に占有し、大統領支持率を引き上げているとも語った。このため、野党からは『文大統領の高支持率も極端な支持層のコメント操作によるものではないか』と疑っている」

 

世論操作を仕掛けた組織の「ドルイドキング」は、大統領選挙での文在寅候補支持率を引上げ、2位候補との差を広げる上で大きな働きをしたと認めている。これは、重大な問題である。有権者は、候補者のテレビ討論での支持率に影響を受けやすい。この支持率上昇が、インターネットとソーシャルメディアの「ミックス・メディア」で相乗効果を上げた偽りの結果である。改めて、韓国世論の移ろいやすさに驚くのだ。

 

(2018年4月26日)

韓国破産  こうして反日国は、政治も経済も壊滅する 韓国破産 こうして反日国は、政治も経済も壊滅する

 

Amazon

 


勝又ブログをより深くご理解いただくため、近著一覧を紹介

させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

勝又壽良の著書一覧

2018-04-25 05:00:00

中国、「米の逆襲」IT2社が米市場から排除「スパイ容疑も」

テーマ:ブログ

 

 

ZTEは米から排除で倒産危機

ファーウェイの背後に中国政府

 

 

米国は、次々と中国企業を狙い撃ちしている。米国の法律違反が理由だ。米国市場から閉め出されるのは、中国のIT巨人企業の中興通訊(ZTE)と、華為(ファーウェイ)の2社である。世界的な通信機メーカーだ。

 

米商務省は4月16日、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)がイランや北朝鮮に対し通信機器を違法に輸出していたとして、米企業によるZTEへの製品販売を7年間禁止すると発表した。これにより、米企業はチップセットなどの対象製品をZTEに直接輸出することも、第三国を通じて輸出することも、直ちにできなくなる。 ZTEは、自社製品で使用される米企業製品の割合は全体の25~30%と大きく、今回の措置は同社に深刻な打撃を与えるとみられる。3ヶ月以内に倒産するとの懸念が出ているほどだ。

 

米連邦通信委員会(FCC)は4月17日、米国通信会社よる中国製品の調達を事実上禁じる方針を決めた。理由は、スパイ活動の禁止である。 華為(ファーウェイ)は、通信機製品を販売しているが、製品には「バックドア」が密かに仕組まれており、情報が中国へ筒抜けになっていると疑われてきた結果である。

 

実は、米国において古くから中国通信機メーカーへの疑惑が出されてきた、スパイ容疑である。

 

「米共和党のトム・コットン上院議員とマルコ・ルビオ上院議員は2月7日、中国の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の通信機器について、米政府の購入やリースを禁じる法案を提出した。米当局者へのスパイ行為に対する懸念を理由とした。コットン議員は『ファーウェイは事実上、中国政府の傘下部門だ』とし、『機器のハッキングにより米当局者の情報を盗むことが十二分に可能だ』と述べた。『われわれの技術的なニーズに対応できる企業は他にも数多くあり、また中国によるスパイ行為を容易にすべきではない』と語った。両社は2012年、機器を通じたスパイ行為の可能性などを巡り米当局の調査の対象となっていた」(『ロイター』2月7日付)

 

中国企業は、米国で嫌疑を受けてきただけに、今回の米国政府の決定は「やっぱり」というのが正直な感想である。ファーウェイは、かつてインド政府からも同様の疑惑を持たれ、インド国内でインド政府監視下において通信機器の組み立てを行なわされる屈辱を味わされてきた。中国政府の「代理人」と見られているのだ。中国のスパイ網は凄まじく、技術窃取に大きな役割を果たしていると見られている。

 

ZTEは米からの排除で倒産危機

『ロイター』(4月16日付)は、「米商務省、中国ZTE向け製品販売を7年間禁止、違法輸出で」と題する記事を掲載した。

 

この事件は、ZTEが米国政府との約束を守らなかったことへの制裁である。すなわち、イランや北朝鮮に通信機を違法に輸出していたことで罰金を科せられた。ZTEは、その制裁金を払ったものの、米国からは主犯格従業員への賞与支払いを禁じられていた。だが、これに従わず支払ったことが発覚。今回の厳罰処置になった。

 

ZTEは、米企業製品を購入して組み立てており、米企業からの製品購入が7年間でなくても、3ヶ月間の禁止で手持ち在庫が払底するので、倒産の危機が懸念されている。この倒産問題は、後で、取り上げる。ここまで、問題が広がると米中貿易摩擦は深刻な局面を迎える。ZTEは1985年に創業され、現在は香港および深圳の証券取引所に上場している、中国最大の上場通信メーカーだ。世界に6万人以上の社員を擁する企業である。このZTEが万一、倒産となれば、大きな影響を与える。

 

(1)「米商務省は16日、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)がイランや北朝鮮に対し通信機器を違法に輸出していたとして、米企業によるZTEへの製品販売を7年間禁止すると発表した。これにより、米企業はチップセットなどの対象製品をZTEに直接輸出することも、第三国を通じて輸出することも、直ちにできなくなる」

 

問題の発端は、ZTEの法律違反にある。米国の法律に違反したのだが、制裁条件の一部に対して、さらに違反するという「ダブル違反」である。米国の遵法精神から言えば、絶対に見逃せない事件であろう。非はZTEにあるから、中国政府も反発のしようがない。

 

(2)「ZTEは米国でAT&TやTモバイルUSA、スプリントなど携帯電話大手にスマートフォンを供給する一方、クアルコムやマイクロソフト、インテルなど米企業の製品を採用している。ZTEの製品で使用される米企業の製品の割合は全体の25~30%と大きく、今回の措置は同社に深刻な打撃を与えるとみられる。深圳に拠点を置くZTEは昨年、米国による対イラン制裁措置などに違反し、米国製品や技術をイランに輸出していたことで有罪を認め、8億9000万ドルの罰金支払いや、さらなる違反があった場合に3億ドルの追徴金を支払うことで合意していた」 

 

ITのハードもソフトも、先進国は米国である。ZTEは当然、米国企業からソフトや部品の提供を受けて製品化してきた。その米国から「三行半」である。ZTEが、逆立ちをしても乗り切れない事態が発生した。中国は、スパイ作戦では世界最先端を行く。それ故、今回の事態を招いたことは、あり得ない話ではなかろう。問題は、クアルコムやマイクロソフト、インテルなど世界一流の米国IT企業の製品を購入できない事態を迎えることだ。代替品が見つからなければ、生産が続けられず最悪事態を迎える。

 

(3)「ロス商務長官は声明で、ZTEが同問題を巡り、米政府に繰り返し虚偽の報告を行っていたことを指摘した。米政府としてこの問題に深く関与していたハーシュホーン元商務次官は、『ZTEが問題を解決できない場合、廃業に追い込まれる可能性が高い。米国外の銀行や企業でさえ、多くがZTEとの取引を望まない』と指摘した。商務省高官がロイターに語ったところでは、ZTEは昨年の合意で、幹部社員4人を解雇し、他の社員35人については賞与減額か懲戒処分とすることを約束していた。しかし、同社は今年3月、幹部4人を解雇したものの、他の35人については賞与減額も懲戒も行っていなかったことを認めた」 

 

ZTEの製品が仮に生産継続となっても、ユーザーが敬遠するだろうと指摘している。米国では、犯罪企業の製品は購買しないという習慣がある。企業イメージの悪化が原因だが、株主から「不道徳企業製品を買うな」という圧力がかかるのだろう。米国は、キリスト教信者が全体の8割だが、清廉潔白感の強いプロテスタントは同6割を占めるという。非道徳企業は逆選別されて淘汰される運命である。「無信仰」の中国社会が陥り安い企業リスクであろう。

 

『大紀元』(4月18日付)は、「中国通信大手ZTEへの製品輸出を禁止、3カ月内倒産の推測も」と題する記事を掲載した。

 

この記事では、ZTEが部品在庫を2ヶ月分しかないことと、製品納入が遅延すると賠償金を払うケースが多いので、3ヶ月以内の倒産もあり得るとしている。世界中に6万人の従業員を抱える企業が倒産となれば、大きな影響が出てくる。改めて、中国企業の「モラル・ハザード」が浮かび上がるであろう。

 

(4)「米政府は16日、中国国有通信機器大手の中興通訊(ZTE)がイランに対して通信関連設備を違法に輸出しているとして、米企業に対して中興通信との取引を7年間禁止すると指令した。これにより、米企業が、スマートフォンなどの通信機器に必要な半導体部品をZTEに直接輸出することも、第3国を通じて輸出することも完全に禁じられた。同日、英国政府も国内の企業に対して、ZTE製の通信設備とサービスを使用しないよう求めた。この影響で17日同社が上場する中国株式市場と香港株式市場での株式取引が中止となった。同社が公表した通知によると、『影響を調査している』という」

 

米国政府の対ZTE制裁に、英国政府も同調することになった。制裁の輪が広がっているが、ZTEにとっては切り抜ける妙案もあるまい。モラル・ハザードが原因であり、企業の信頼を根本からひっくり返す事件であるから、中国企業の産業スパイ事件との連想も絡んで、厳しい立場に追い込まれた。

 

(5)「米当局の調査では、ZTEがイランへの違法輸出に関わった社員への解雇・減俸処分にも合意したものの実行することなく、逆にそれらの社員を奨励したと確認された。米のロス商務長官は16日の声明で、ZTEが虚偽報告を繰り返していると非難した。米政府の取引禁止措置で、ZTEが急速に経営破綻する可能性が高まった。米国製通信部品への依存度が高く、チップ在庫の不足が最大な要因だとみられる」

 

ZTEが、世界的に業績を伸してきた背景には、高品質の米国部品の支えがあったという事実が浮かび上っている。多分、日本製の電子部品も重要な役割を果たしているに違いない。こう見ると、中国通信機は、米国や日本の部品がなければ経営が成り立たないという事情を図らずも立証したことになる。中国が、先進国へ弓を引くような振る舞いがあると、そのブーメランで中国企業自身が存在できないという現実を認識させたはずだ。

 

道徳意識が薄弱な中国企業にとっては、今回の米国政府は厳しい対応が想像を超えたものであったに違いない。「たかが、違法を犯した従業員へ禁じられたボーナスを払っただけ」という程度の認識に過ぎないだろう。技術窃取もこういう認識の延長であろう。

 

(6)「中国工業及び信息化部傘下シンクタンク、賽迪智庫が16年に発表した『米によるZTEへの制裁に関する影響とその対策』との調査では、『ZTEのチップ在庫が2カ月しかない』と示された。『通信産業では、納品が遅れる場合巨額な違約金を支払うとの慣例もあるため、ZTEが3カ月以内に米政府から制裁解除を受けられない場合、倒産に直面する』との懸念を示した」

 

(7)「中国国内メディアは、ZTEが米側に虚偽報告を行ったことに『理解できない』と批判した。『米企業のチップ、ソフトウェアなどの製品に高い需要のあるZTEにとって、今後部品・技術支援を完全に得られなくなった。死刑判決を受けたに等しい』とした。スマートフォンに搭載れる基本ソフト(OS)において、ZTEが米グーグルからアンドロイドのライセンスを獲得できなければ、同社が生産するスマートフォンは米国市場だけではなく、他の国の市場での販売もできなくなるとみられる」

 

孫悟空は、お釈迦様の掌の上で踊っていたとされる。これと同じで、ZTEも米国企業の提供する技術の中で飛び回っていたにすぎないことになろう。独創技術を持たない中国企業の限界を表している。スマホに搭載されるアンドロイドも米グーグルの製品である。この購入が禁じられれば、スマホが動かないのだ。借り物技術でその日暮らしを続けてきた中国企業にとって、米国が突き付けた「正義の刃」は大きな傷跡を残しそうである。

 

ファーウェイの背後に中国政府

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(4月18日付)は、「ファーウェイ、米国市場から距離、貿易戦争の巻き添えに」と題する記事を掲載した。

 

ファーウェイ製品は、昔から「スパイ容疑」が掛けられてきた。米国内でのスマホ販売では、米国政府から警戒信号が発せられている。これは濡れ衣でなく、専門家からの指摘でもある。身から出たサビでもあろう。

 

(8)「米政府は、基地局やルーターなど通信機器の世界的なプロバイダーであるファーウェイが次世代5G技術で圧倒的な地位を築く可能性がある点などを警戒し、同社を国家安全保障上の脅威と位置づけている。米国は3月にも、国家安保を理由に当時シンガポールを本拠としていた半導体大手ブロードコムによる米同業クアルコムの買収を阻止した。ファーウェイは自社製品が安保上の脅威をもたらすとの主張をたびたび否定してきた。世界3位のスマートフォンメーカーでもあるファーウェイは、同社製スマホを米通信大手に取り扱ってもらう契約も結べずにいる」

 

ファーウェイが、次世代5G技術で圧倒的な地位を持っていることは周知のことだ。主要特許の1割を保有しているとも言われるほどである。ただ、米国政府が警戒しているのは、ファーウェイの背後に中国政府が控えているという懸念である。ファーウェイの得た情報が中国政府に筒抜けになっていると警戒している。過去に疑われるような行為があっただけに、こういう懸念の払拭は容易ではない。

 

この点が、中国企業にまつわる最大の弱点であろう。大企業には共産党委員会がつくられている。ここが、全てのカギを握っていることは疑いない。政治と経済が一体化した中国は、米国覇権に対抗するのが最大目的である。とすれば、米国政府がファーウェイを閉め出すのは、安全保障政策の観点から致し方ないであろう。

 

(9)「中国外務省の報道官は、米国側の販売禁止措置が『単独主義と経済的覇権主義の典型』だと指摘。米中は利害を依存し合っているとし、『米国がそれに反する動きを継続するなら、われわれには対策を講じる用意がある』と話した。関係者によると、ファーウェイは先週、ワシントンの広報責任者を務めたウィリアム・プラマー氏ら5人の米国従業員を解雇した。プラマー氏は先頭に立ってファーウェイを擁護し、同国による処遇に積極的に抗議してきた人物で、米市場への期待を後退させている兆しと言える」

 

中国の台詞で、「米中は利害を依存し合っている」と良く言っているが本当だろうか。これは、中国が背伸びしており「米国と対等」というポーズに過ぎない。経済的な基礎能力では月とスッポンの違いがある。中国は、こういう現実を認めようとせずに「対等論」を打ち出すから冷笑されるのだ。

 

最近、EUがことのほか中国に対して冷たくなっている。知らない間に技術窃取されたことに慄然としているのだ。EUが騙されたので、米国もその二の舞には陥らないと警戒しているのだ。日本は最初に、新幹線技術で騙されている。その後は、尖閣諸島問題もあって日中関係が冷え切ったので、日本の代役をドイツに求めた。これが、日本に幸いして技術窃取の被害を受けていない。だが、米欧が中国との溝を深めているので、中国は再び日本へ舞い戻ってきた。厳重な警戒が必要だ。

 

(2018年4月25日)

韓国破産  こうして反日国は、政治も経済も壊滅する 韓国破産 こうして反日国は、政治も経済も壊滅する

 

Amazon

 


勝又ブログをより深くご理解いただくため、近著一覧を紹介

させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

勝又壽良の著書一覧

2018-04-24 05:00:00

中国、「ニーハオ」日本急接近の狙い「一帯一路」など経済問題

テーマ:ブログ

 

 

日本べったりの姿勢へ変化

「朝貢国」スタイルを要求

 

 

8年ぶりと言われる第4回日中ハイレベル経済対話が、16日に日本で開催された。この日中経済対話は、日本政府の意向では5月開催を予定していた。それが、4月へ繰り上がった裏には、中国からの強烈なアプローチがあった結果だ。安部首相の訪米前に「日中経済対話」を設定して、日米間にくさびを打ち込みたいという思惑が指摘されている。

 

いかにも中国らしいやり方だ。米中関係が悪化しているので、日中関係を復活させて日本へ「保険」を掛けたもの。このように、掌を変えるような日本接近には驚くほかない。中国共産党機関誌『人民日報』の電子版『人民網』は、つい最近まで「日本批判」記事を掲載していた。「日本経済衰退」、「日本財政泥沼」といった調子であった。それが、突然の方向転換だ。「中日は引っ越すことのできない隣国」とか、「中国商務部長の鐘山部長が訪日、中日貿易・投資を深化させるための提案6点」といった記事を掲載して、日中友好を煽っている。

 

中国が孤立感を深めている背景には、次の事情が指摘できる。

 

第一は、米中貿易摩擦の深刻化である。関税を引上げるという単純な問題でなく、知財権侵害に対する米国の強い怒りがあるからだ。この大きな壁の出現で、日本へ接近せざるを得なくなった。日本の技術を狙っている。

 

米国は、ハイテク技術の中国への漏出を断固、防止する姿勢を取っている。中国企業の通信関連製品の米国内での販売停止を決めたのだ。中国2大IT企業である華為(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)に向けられた制裁である。ファーウェイ製品には極秘裏に情報が中国に流れる仕掛けがついていると疑われている。ZTEは、米国の禁輸措置違反を犯した理由である。今後7年間、米国のIT製品輸入の禁止処分を受けた。これでは、ZTEの業務が不可能になると言われ、「倒産」の懸念まで話題に上がっている。

 

第二は、ドイツが中国を警戒し始めたことである。過去10年間、中独は蜜月関係にあり、中国が外国企業に対して徐々に門戸を開く中で、ドイツ製の自動車や機械を驚くべきペースで買い上げて接近した。ドイツの自動車メーカーは昨年だけで、米国販売の3倍以上に相当する500万台近くを中国で売り上げたほど。しかし、中国市場に対する見方には、劇的な変化が生じつつある。習近平政権の下で、中国の開放政策が逆回転を始めているだけでなく、中国企業も、ドイツ側の予想を大きく上回るスピードでバリューチェーンの上流へ移動してしまったのだ。つまり、ドイツは気が付いたら自らの牙城が蚕食され始めているのだ。この危機感から、中国との関係見直しに入っている。中独蜜月も冷め始めており、中国を

慌てさせている。

 

第三は、中国にとって「一帯一路」が、大変な「金食い虫」であることが分ってきた。香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』によると、中国輸出入銀行の前代表取締役・李若谷氏は4月12日に広州で開かれた経済フォーラムで、「一帯一路」に関わるほとんどの国は貧困の途上国で、プロジェクトの費用を捻出できないと発言したほど。中国政府系シンクタンクの国務院開発研究センター副局長・王一鳴氏は、前記の経済フォーラムでの講演で、「一帯一路」は、毎年5000億米ドル(約53兆円)の資金不足が発生していると述べたほどである。

 

私は、一貫して「一帯一路」という巨大プロジェクトが、中国の財力を超えた規模であることを指摘してきた。最初から、実現不可能なプロジェクトであり、中国は今さらメンツの上からも中止するわけにいかないのであろう。そこで、日本にすがりついてきた。日本が資金的な面倒を見てくれ、と暗黙裏に依頼している。習氏は、この「一帯一路」が不首尾に終われば、中国内外で権威失墜は免れない。この危機を日本に救って欲しいというのだ。

 

以上のように、中国はこれまでの「大言壮語」とは逆に追い詰められている。米独が、距離を置いてきたので、ハイテク技術の窃取は不可能である。日本は、新幹線技術ですでに大きな被害を被っている。中国からの依頼には「生返事」となろう。米独が被害を受けている以上、日本は無防備に中国の話に乗れないはずだ。

 

日本は、「一帯一路」で中国への全面協力が不可能である。返済が確実なプロジェクトしか

引き受けられまい。中国は、日本に逃げられまいと必死である。これまで10年間、棚ざらしにしてきた有事の際の日中緊急連絡網に前向きになってきた。また、東シナ海での日中共同石油資源開発にも真面目な対応を取り始めたという。中国という国は、このように窮地に立たない限り、物事を真摯に考えない悪弊がある。今、それを世界の前で見せているようだ。中国は得意の絶頂期に、周辺国を侮辱して顧みないDNAを持っている。その鼻先が折れてきたのだ。

 

日本べったりの姿勢へ変化

『人民網』(4月16日付)は、「中国商務部長の鐘山部長が訪日、中日貿易・投資を深化させるための提案6点」と題する記事を掲載した。

 

中国側は、具体的に日本へ6点の協力依頼をしてきた。この中のいの一番は、「一帯一路」である。中国の王毅外相は自民党二階幹事長と会談の際も、「一帯一路」問題を持出してきた。これを見ても分るように、中国にとって最大の難関は、不動産バブル処理とこの「一帯一路」であることがわかる。習氏が調子に乗って始めた事業だが、「一帯一路」周辺国の経済状況が悪すぎるのだ。事前調査をしないで思いつきのアドバルーンを上げてしまい、今やどうにもならなくなっている。中国社会の悪弊である。

 

中国からヨーロッパへの直通貨物列車は、行きの便は貨物満載でも、帰りの便はゼロという。中国政府の補助金で運行しているが、この「見栄」もいつまで続けられるか。沿線の経済開発が進まない限り、帰りの便に積み込む貨物はあるまい。このように、合理的な経済計算は一切しなかった咎めが噴出している。笑うに笑えない話だ。日本が、こんな泥沼に足を踏み入れたら、大変な事態に巻き込まれる。「一帯一路」参加論が、日本のメディアにも登場したが、ムードで話を進める危険性がここに見られる。

 

(1)「中国商務部(省)鐘山部長が15日、東京の経済産業省庁舎で、世耕弘成経済産業大臣と会談した。鐘山部長が商務部部長に就任以降日本を訪問したのは今回が初めて。人民網が報じた。鐘山部長は冒頭に、『中国は長期にわたって、日本との両国関係の発展を非常に重視しており、中国と日本の経済貿易における実務的な協力の発展は両国関係の基盤であると考えている。健全で安定した中日関係は両国の利益にマッチしており、地域の繁栄や安定、発展にもつながる』と強調した」

 

中国が、日本との関係を長期にわたって重視しているにしては、日本の対中感情を逆なでする事態が続出している。尖閣諸島周辺に常時、中国艦船が現れて領海を侵犯しているのだ。領土問題は、国際的に最も敏感な問題である。中国が、尖閣を狙っているのは軍事的な目的である。ここを占領すれば、太平洋へ直接出られる。それは、米国への軍事覇権に挑戦する足場を得られるからである。

 

中国がもし、心から尖閣を中国領と見るならば、国際機関へ提訴することだ。提訴しても勝てない見通しだから、力尽くでも奪取しようと横車を押している。日本から見た中国は、「法律破り」の最低な国家というイメージである。こういう暗いイメージの中国へ、日本が経済協力できる範囲はごくごく限られたものになろう。先ず、自らの行動を糺すことである。それが、日本国民に受け入れられる前提条件である。

 

(2)「鐘山部長は会談で、『昨年11月、両国の首脳が中日関係を改善し発展させる面で共通の認識に達し、中日の経済貿易協力は改善に転じた。17年、両国間の貿易は3000億ドル(約32兆円)規模に回復し、日本の対中投資も急速に回復している。中国は越境EC、モバイル決済、シェアリングエコノミーなど、新しい経済スタイルの分野の対日投資が増え、訪日中国人観光客は前年比15%増の延べ730万人を超えた。今年は中国改革開放40周年で、中日平和友好条約締結40周年でもある。双方が両国首脳の共通の認識を着実に実行し、重点分野の実務的協力を強化し、両国間の経済貿易関係のクオリティ、効率向上、高度化を牽引しなければならない』と指摘した」

 

日中友好の実を上げるには、中国側の努力が求められる。未だに行なっている「反日教育」は、日本に対してこれ以上ない裏切り行為である。日本で、「反中教育」を始めたら中国は大変な騒ぎを起こすだろう。こういう身勝手なことを先ず慎むことである。日中平和友好条約締結40周年といっても、ここ20年は日本が中国から罵倒され続けてきた日時である。現在、中国の国際的な立場が不利になって突然、「ニーハオ」と言われても戸惑うばかりだ。こういう中国の「自国本位」の振る舞いが、日本人には拒否反応となるのだ。普段の言動が、最も大切であろう。

 

(3)「中日貿易投資の協力を深化させるために以下の6点を提案した。

①両国の首脳は、中日が「一帯一路」の枠組内でサードパーティーマーケットにおいて協力を展開するという重要な共通の認識を積極的に実行する。

②共に実際の行動で多国間貿易体制を支持し、保護貿易主義に断固として反対する。

③双方はハイエンド製造やイノベーションなどの分野での協力を強化する。

④第一回中国国際輸入博覧会に日本を招待する。

⑤双方はサービス貿易の分野での協力を強化する。

⑥中日韓自由貿易協定(FTA)の交渉を加速させ、現代的で網羅的、ハイクオリティ、ウィンウィンの東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を一日も早く実現できるよう取り組む」

 

以下に、主な項目について、コメントを付したい。

 

① 「一帯一路」について、日本の協力分野は三つに限定している。

1.省エネ・環境分野

2.工業団地や電力基盤などの産業高度化

3.アジア・欧州の物流

これらの分野はコンパクトなものである。中国得意のインフラ投資は、多額の資金を必要として効果が出るまでに時間がかかる。この点で日本は、合理的経済計算をしている。中国は、インフラ投資まで日本の資金で行なわせようと企んでいるに違いない。日本式のきめ細かいプロジェクトであれば、中国も成功したであろう。だが、闇雲な高速鉄道と高速道路という分野に特化し過ぎて足を掬われている。考えてみれば、前記3分野は、中国自体が不足している投資分野である。できるはずもないのだろう。

 

② 多国間貿易支持は当然のことだ。中国は、口では「自由貿易」を唱えても、国内は紛れもない「保護主義」である。自国企業を優先している事実を隠して、多国間貿易を言い出すのは欺瞞である。要するに、中国が自由貿易を守れと言うのは、「おこがましい」の一語である。

 

③ 日中双方が、ハイエンド製造やイノベーションなどの分野での協力をするとしている。ここが落し穴である。日本が、中国からハイエンド製品の技術を学ぶ分野があるだろうか。基礎技術研究の遅れている中国が、日本に何を教えるのか。西側諸国は、こういう台詞で接近した中国が、「技術窃取」を目的としていたことに気づかされたのだ。日本は、新幹線技術で被害を被っている。この手痛い教訓を忘れない日本へ、再び同じ手を使って接近してきた。日本を簡単に籠絡できると甘く見ているに違いない。二度は騙されないのだ。

 

⑥ 日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉を加速させたいという。TPP(環太平洋経済連携協定)で米国を除く「TPP11」が、来年にも発効する段階へこぎ着けたので、中国は慌てているのであろう。中国が、TPP並みの高度の自由化(関税率引き下げ)を実現できるとは思えない。このレベルまで自由化したならば、中国は失業者激増で社会不安を引き起こす。鉄鋼や石炭の過剰生産能力の縮減すら、満足に行なわれないのが実情である。設備廃棄の一方で、増設するという「まやかし」を堂々と行なっている。言っていることと実際の行動とは、全くかけ離れている国なのだ。

 

「朝貢国」スタイルを要求

中国は、「一帯一路」などの経済問題で日本へ頼み事をしているにも関わらず、「朝貢国」スタイルを求めるという頭の高さを見せている。極めて不愉快な態度である。ここまでくると、中国は「病気」と言わざるを得まい。

 

『人民網』(4月18日付)は、「中日は引っ越すことのできない隣国」と題する記事を掲載した。筆者は、賈秀東・中国国際問題研究院特別招聘研究員である。

 

この記事は、傲慢そのものである。中国の抱える深刻な問題点を気づかれぬように、あえて空威張りしている姿が見え見えである。中国国内向けの記事であろうが、読む側の日本は中国の「大言壮語」に気づいて苦笑を禁じ得ないのだ。この調子で、他国に対してもやっているのだろう。にわか成金が苦境に直面している。その狼狽ぶりが滲み出ているのだ。これが、中国の偽らざる姿である。

 

(7)「王毅国務委員兼外交部長(外相)が、4月15日から17日にかけて招待を受けて日本を公式訪問し、河野太郎外相と共に第4回中日ハイレベル経済対話を開いた。王氏と会談した際の安倍首相の発言を見ると、日本政府は両国関係の改善を強く望んでいる。過去数年間の低迷と比べ、確かに現在の中日関係は前向きな改善の動きを見せ、各レベルの対話が次第に行われており、双方は両国関係の一層の改善について共通認識にいたっている。だが両国関係改善の鍵は、日本側が中国側と同じ方向に向かい、「初心を忘れず、基礎を固め、歴史を鑑とし、未来を共に築き」、両国関係の正しい方向に沿った長期安定的発展を推し進めることができるか否かにある。日本側が次の4つの問題を正しくしっかりと処理することが極めて重要だ」

 

王毅氏の訪日は、日本政府の招待ではない。中国側からの要請で、こういう形になったものだ。これだけ見栄を張る中国の底の浅さを暴露している。「王氏と会談した際の安倍首相の発言を見ると、日本政府は両国関係の改善を強く望んでいる」は、誇張した表現であろう。この時期に中国側が訪日したのは、日米首脳会談直前の機会を狙った強引な開催要請であった。外交辞令では、誰でも安部首相発言のように、相手を尊敬する言葉を使うのが慣例なのだ。

 

日中関係改善の前提として、中国は「属国」に要求するような物言いである。「両国関係改善の鍵は、日本側が中国側と同じ方向に向かえ」と要求している。これほど不遜な言葉があろうか。主権国家の日本に対して、外交姿勢で中国サイドに立てという要求は飲める話ではない。同じ価値観がなければ、日米関係のような信頼関係は築けないのだ。中国と日本の価値観は、水と油である。世界覇権を狙う中国に同調できるはずがない。

 

①「政治面で信用を重んじ、規則を守る。つまり中日共同声明など中日間の4つの基本文書の定めた重要な原則を順守し、両国関係の政治的基礎に関わる敏感な問題を適切に処理する」

 

中国は、鄧小平時代の謙虚さを持った時代へ戻るべきである。「中華の復興」という時代錯誤の国家目標を掲げている現在、日本のみならず世界が警戒しているのは当然である。GDPの規模が大きくなったからと言って、「尊大」さを見せつけられても拒絶するほかない。

 

中国にとっては、国際ルールを遵守することが大前提である。尖閣諸島を中国領と言い出したり、南シナ海の90%は中国領海などというでっち上げをしてはならない。この件については、常設仲裁裁判所で完膚なきまでに否定され、敗訴した事実を重く受け止めなければならない。違法な「占領状態」を続けることは、中国の国際的な立場を悪化させるだけだ。

 

②「中国の発展を客観的、理性的に受け止め、『互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない』という中日間のコンセンサスを具体的行動に反映させる必要がある。日本側は対中認識を正し、中国『封じ込め』の対立心理を捨てて、様々な『中国脅威論』をまき散らしたり、これに同調することを止めるべきだ」

 

中国の経済発展は、外国技術の窃取と保護貿易の「賜物」である。日本の新幹線技術を中国特許として申請するなど、知財権の侵害を憚ることなく行なっている。こういう状態を、「客観的、理性的に受け止めろ」と言っても無理である。日本の中国に対する軽蔑の念が深まるばかりである。日本人が中国を尊敬できない原因は、全て中国がつくっていることを忘れた議論である。

 

国際ルールに従わず世界覇権を目指す中国は、世界の脅威になっている。かつての中国が農業国家として世界の首位にあったとしても、それが現代でいかほどの意味を持つのか。古代エジプトが、現代に蘇って「俺たちは世界一になるべき運命である」と言っても誰が取り合うだろうか。「中華民族再興の夢」は、この類いの話であるのだ。もっと、頭を冷やして、歴史の歯車がどちらに向かっているのか見極めるべきである。専制時代への復帰か。人権重視の民主主政治か。こういう愚問を取り上げざるを得ないほど、中国の振る舞いは顰蹙(ひんしゅく)の的である。

 

③ 「経済・貿易面で『ゼロサム』ゲームを止める。つまり、互恵・ウィンウィン、共同発展を堅持し、中国側と共に経済・貿易協力の新たな原動力を掘り起こし、両国経済協力の質的向上と高度化の実現に尽力する必要がある。『一帯一路』に対する姿勢の前向きな転換を積極的な実際の行動に変え、中国側と共に『一帯一路』協力が成果を挙げる後押しをし、これを両国協力の新たな目玉とする」

 

このパラグラフで、中国の狙いが明白になっている。日本が「一帯一路」に協力せよ、と高飛車に迫っている。「一帯一路」は、中国が自らの覇権づくりの一環として始めた事業である。今後、毎年5000億ドルの巨費が必要と分って尻込みし始めているのだ。この尻ぬぐいを日本にさせよう。こういう悪巧みは、明々白々である。

 

昨年の5月、北京で「一帯一路」フォーラムを盛大に行なった。EUからも多数の国が参加したが、中国の強硬姿勢が災いして、「喧嘩別れ」に終わったという経緯がある。もはや、EUには頭を下げられない。そこで、日本を取り込もうと急接近しているもの。しかも、中国が威張り散らして日本に命じるような姿勢は受け入れられるはずがない。物事を依頼するには、それなりにへりくだった態度が必要なのだ。

 

④ 「多国間の面で中国側と共に引き続き東アジア経済統合プロセスを後押しし、中日韓自由貿易協定と域内包括的経済連携(RCEP)の交渉を加速し、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の早期構築という目標に向けて邁進し続ける必要がある。双方は共同で保護貿易主義に反対し、多角的貿易体制を維持し、開かれた世界経済の構築を後押しするべきだ。

 

日本には、TPP(環太平洋経済連携協定)が最大の経済メリットのある多国間貿易協定である。RCEPやFTAAPは、TPPに準じた高度の自由化を実現できなければ意味はないのだ。中国が、そこまで高度の内容を目指す自信はあるだろうか。中韓FTAでも、低レベルの自由化率である。中国自らが、産業構造の高度化を自国開発の技術で行える自信がなければ、安易に人気取り目的で発言すべきでなかろう。生産性の低い中国が、中核となる多国間貿易協定は低い自由化率で効果を上げられまい。問題は、中国にある。

 

(2018年4月24日)

韓国破産  こうして反日国は、政治も経済も壊滅する 韓国破産 こうして反日国は、政治も経済も壊滅する

 

Amazon

 


勝又ブログをより深くご理解いただくため、近著一覧を紹介

させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

勝又壽良の著書一覧

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

    ブログをはじめる

    たくさんの芸能人・有名人が
    書いているAmebaブログを
    無料で簡単にはじめることができます。

    公式トップブロガーへ応募

    多くの方にご紹介したいブログを
    執筆する方を「公式トップブロガー」
    として認定しております。

    芸能人・有名人ブログを開設

    Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
    ご希望される著名人の方/事務所様を
    随時募集しております。