2016年の日ハムとの日本シリーズ第6戦で負けた後、悔しさのあまりに作成した「幻の第7戦を妄想実況中継する」というブログを再掲致します。明日からのクライマックスファイナル前夜ですし、最近弊ブログをご愛読始めて頂いた方もいらっしゃると思いますので、昔のブログですが、ぜひお楽しみくださいませ(笑)。前編と後編に分かれる超長文ですが、どうぞ!(笑)
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全9回に亘ってアップして参りました、幻の「日本シリーズ第7戦」を実況中継!ですが、完全版として最初っから最後まで一括掲載致します。我ながらようできたストーリじゃと自画自賛して涙しております(笑)。かなりの超長文ですが、お暇な時に是非、一気読みしてくださいませ(笑)。
どこかの出版社の方、版権投権利関係全く不問ですので、これからのカープ特集本出版の折にぜひ無断転用頂けると(笑)、作者冥利につきます(笑)。そして、本ブログを、今回、日本シリーズのズムスタ参戦で大変お世話になりました、小学校の同級生でもある、現広島マツダ会長兼CEOの松田哲也氏に捧げます(笑)。それでは、どうぞ。
【完全版】 幻の「日本シリーズ第7戦」を実況中継する。
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話は、4対4の同点で迎えた日本シリーズ第6戦の8回表に遡る。ジャクソンが簡単にツーアウトを取った後、2死無走者から3連打を食らってしまった。25年ぶりの鯉のセリーグ制覇の立役者の一人であった鯉のストッパーも、これでシリーズ6連投、球速は140キロ半ばまでしか出ていない、明らかに疲労が感じられる投球内容に見える。2死満塁で4番中田翔が打席に入った。そして・・・なんとネクストバッターズサークルでは、ベンチから大谷クンが出てきて素振りを始めたではないか。・・・おいおい聞いてないぞ(笑)。
ジャクソンの初球、2球目が大きく外れて2ボール。ダメじゃこりゃ。ボールが死んどるわ。いや気持ちが死んどる・・・向かっていっとらんで・・・。誰もがそう思った筈だ。3球目も外れて3ボールナッシング・・・。
「審判、投手交代じゃ!」
ベンチから畝が飛び出すのに合わせて、緒方監督が主審のもとに足を進めた。ここでジャクソン交代か・・・。どよめくズムスタ。
「ピッチャー、大瀬良。」
鯉の14番が絶体絶命のピンチにマウンドに登る。2死満塁、ノースリーで中田翔との勝負。大地の顔は強張っていたが、投球練習とともに顔が赤味を帯びてきた。オレが抑えてやるんじゃ。弱気は最大の敵。背中の14番がそう言っている。
中田翔への1球目、一分の狂いなく外角低目へ糸を引くようなストレート、149キロの豪速球が決まる。ストライク!そして2球目。会澤のミットはインハイだ。大地が投げ込むのは更にストレート。中田翔がマンぶり強振の空振り。ズムスタがどっと沸く。これで2死満塁のフルカウント。更にストレート要求の会澤。インハイのストレートを中田がファール。中田も譲らない。そこから3球連続でファールが続く。球速は150、151、152とどんどん上がっていく。負けるな大地!
勝負はフルカウントからの7球目だった。一転、外角のストライクゾーンからボールになるスライダー!中田のバットが止まらない・・・。懸命にハーフスイングで止めようとした中田だったがバットが回ったように見えた。会澤が1塁塁審にスイングをアピール。・・・が、無情にも塁審が両手が横に広がった・・・・。ウソじゃろ・・・振っとろうが!
押し出し。
中田が小さくガッツポーズして一塁へ向かう。4対5。追加点は日ハムに入ってしまった。次打者は投手のバースだったが、栗山監督はネクストにいた大谷をベンチに下げ、そのままバースが打席に。大地が三球三振で片付ける。うつむきながらベンチに戻る大瀬良にズムスタのスタンドからは拍手がかけられた。
8回裏。負けてなるもんか。日ハムはバースが続投。先頭の赤松が2球目を叩きセンター前に低いゴロが抜けた。無死1塁。大きなリードを取る赤松にバースが執拗に牽制をいれる。揺さぶりまくる赤松。誠也に対してストライクが入らないバース、カウントはノースリー、3ボールナッシング。なんと、このカウントで赤松がスタートを切った。バースのボールはカウントを取りに来た甘いストレート。誠也がこれを強振。きた!変則エンドランじゃ!
思いっきり引っ張った誠也の打球は強烈なゴロで3塁線を襲う。サードのレアードが横っ跳びダイブを試みるもそのグラブの先を抜ける。ボールはレフト線を転々・・・。スタートを切っていた赤松が2塁から3塁へ、そして、河田コーチが腕を回す、ホーム突入じゃ!レフトから中継のボールがホームへ、ボールが3塁ベンチ側へ逸れる、回り込む赤松がスピードを落とさずにそのまま神スライディング、左手でホームベースにタッチ、おっしゃ!同点じゃ!ワシもネット裏2列目でしかと見届けたぞ、ナイスランじゃ赤松よ!そして誠也も送球の間に3塁へ。なおも無死3塁。
真っ赤に染まるボルテージマックスのズムスタ。宮島さんの大合唱。万歳・万歳が繰り返される中でバースが朦朧と投じた初球が内角高めに甘く入った。それを逃す筈がない。フルスイングした小窪の打球がレフトスタンド上空に美しい弾道を描いた・・・。
選手会長の値千金、特大2ラン!
狂喜乱舞・お祭り騒ぎのズムスタ。ボボは2塁ベースを回ったところで、立ち止り、膝をついて天空に拳を突き上げる。あぁ新井さんポーズじゃ!あの西武秋山のバック転に負けとらんで(笑)。8回裏に一気に逆転した鯉、スコアは7対5。
9回表は守護神中崎がマウンドへ。レアードをセンターフライ、田中賢介を空振り三振で2アウト。ここで代打に陽が送られる。陽の打球はショート深い位置へのゴロ。逆シングルでコースケが捕球し一塁へ遠投するも、陽がヘッスラでセーフ!ガッツポーズを魅せる陽。ここで栗山監督は予定になかった禁じ手、代打大谷を告げる。
1ボールからの中崎の投球はインローのストレート。大谷が腕をたたんだままのフルスイング。弾丸ライナーの凄い打球がライト線上へ。そのままグングン伸びてライナーでライトフェンスに直撃。場面は一気に2死2・3塁へ転換。次打者の西川が四球を選んで2死満塁。7対5の2点リード、9回表2死満塁。どこまでハラハラさせるんじゃ(笑)。
打者はイヤらしい中島。またファールで粘られるのか・・・。その初球、中島クンの打球は大きく跳ね上がった投前のゴロ。鬼の形相でマウンドを駆け降りて捕球体勢に入る中崎。あかん、跳ねすぎじゃ・・・中島の足ならセーフになる。ボールを掴んだ中崎が振りむきざま一塁へ豪速球、思い切り腕を振る・・・だめじゃ、投げたらダメじゃ、間に合わんよ、暴投になるで・・・
え?ボールが消えた。
・・・中崎クン、思い切り腕を振るもボールを放さず、一塁へ送球せず。そのままくるっと1回転して3塁ベースに向き直る。
偽投じゃ!
そこには2塁走者の大谷クンが3塁を回って大きくオーバーランしとるわ。急ブレーキで慌てて3塁へ戻る大谷クン。3塁ベースへダイブして手を伸ばすも、中崎の3塁送球の方が早い。
タッチアウト!ゲームセットじゃ!なんちゅう幕切れじゃ。勝ったぞ!
一斉に総立ちになるズムスタ。大谷クンは3塁ベースのところで倒れこんだまま動けない。中崎が吠える。ベンチから鯉ナインが一斉に飛び出してマウンドへ。歓喜の輪ができる。日本シリーズ6戦は7対6で鯉の勝利。3勝3敗のタイに持ち込んだ。
・・・そして、7戦目の予告先発を聞いて、また衝撃が走る。
広島カープ:黒田
日本ハム:メンドーサ
え?なんだと?先発が大谷じゃない!
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昨夜の日本シリーズ第6戦の熱闘から一夜明け、広島は朝から突き抜けるような青空が広がった。戦前は日ハム有利が伝えられた戦いであったが、鯉が地元で連勝スタート。しかしながら敵地札幌で悪夢の3連敗を食らい、このまま日ハムの勢いに飲みこまれてしまいそうな流れ。瀕死の鯉。これを見事に断ち切った昨夜の死闘、興奮冷めやらぬままシリーズは最終第7戦を迎えることとなった。
第7戦は今季限りで引退する広島の黒田と、今後のプロ野球を背負って立つ二刀流、日ハム大谷のマッチアップが予想され、新旧スーパースターの魂の交歓に全国のプロ野球ファンの注目が集まっていた。が、意外にも栗山監督が第7戦の先発に立てたのは大谷ではなくメンドーサ。第5戦の中継ぎで好投、鯉打線を完全に封じ込み、日ハムに大きく流れを引き寄せた右腕がズムスタのマウンドに登る。メンドーサで行ける所までいき、試合後半を大谷に託すプランか・・・。
試合前のズムスタは多くの報道陣でごった返す。当たり前だが、日本中で試合が行われるプロ野球はここしかない。勝っても負けても今日で今シーズンは終わる。そして、鯉の15番が上る最後のマウンド。黒田の最後の雄姿を目に焼き付けようとズムスタに押し寄せた鯉ファンの熱気で異様な興奮に包まれるスタジアム。テレビの前で、全国津々浦々の鯉ファンが固唾をのんで「その時」を待った。
ちなみに始球式は奥田民生。いてもたってもいられなくなった「皆実の鯉ファン」は、「ワシに投げさせぇや」とマツダオーナーに直訴したようだ(笑)。緑の天然芝がナイター光線に美しく映えるボールパークのマウンドに颯爽と登場した民生。大きく振りかぶった美しいフォーム、ど真ん中ストレート、110キロを豪快に投げ込んで場内は大喝采。さぁ試合が始まる。
【スタメン】
(日ハム)
1.西川(左)
2.中島(遊)
3.大谷(右)
4.中田(一)
5.レアード(三)
6.岡(中)
7.田中(二)
8.大野(捕)
9.メンドーサ(投)
(広島)
1.田中(遊)
2.菊池(二)
3.丸(中)
4.松山(左)
5.鈴木(右)
6.エルドレッド(一)
7.小窪(三)
8.石原(捕)
9.黒田(投)
【1回表】
黒田の初球カットボールが高目に。第5戦のグランドスラム以降絶好調の西川がその初球を振り抜く。打球はキレイなラインドライブを描いて右中間へ・・・また三塁打かよ(泣)。いや、誠也が懸命に背走、大きな体を投げ出し、ダイビングで宙を飛びながらそのグラブを伸ばす!
取った!
でた!いきなり出た誠也の超美技!地面に打ちつけられながら(笑)、誠也がグラブを高々と掲げて笑顔を見せる。そうそう抜かれてたまるかよ・・・ワシは鯉の51番やで。割れんばかりの大歓声に包まれるズムスタ。いやぁ第7戦は凄い場面からスタートでっせ(笑)。
余韻冷めぬ中で、2番中島がこれまた黒田の初球、高目に抜けたボールを軽打、打球はサードの頭を超えてレフト線上へのツーベース。う~ん、黒田の球が高いなぁ・・・。1死2塁で迎えるのは大谷。1球目は外側へ抜けたボール、2球目は外スラを見逃し、3球目は内角低目のスライダーをファールで1ボール2ストライク。そして・・・それは・・・4球目だった。
石原がインハイにグラブを構える。黒田が投げ込んだ150キロのストレートが、大谷の顔面近く、ヘルメット付近を掠めた。体を反らし紙一重でこれを避けた大谷、もんどりうって後ろ向きに地面に倒れ込む。すぐさま起きあがって、鋭い目で黒田を睨みつける大谷。ベンチから怒号が飛ぶ。黒田が打席の大谷に向かって何か叫びながら歩を進める。
「うるせぇんじゃ、このボケがぁ!」
両軍ベンチから選手が飛び出してきてひと騒動。初回からバチバチですわ(笑)。いやぁ日本シリーズはこうでなくっちゃね(笑)。
気を取り直しての2-2から外へツーシーム。大谷がリーチを生かしてこれを上手く捉える。大谷怒りの「ピッチャー返し」じゃ!強い打球がワンバウンドして黒田の頭上を・・・抜けない。
黒田が右手を出した。
打球は黒田の右手にあたり、方向が変わってショート田中の前に。これを素早く捕球したコースケが飛び出した2塁走者の中島を3塁でタッチアウト!黒田渾身の「右手出し」。やっちまったか・・まぁええよ。もう投手コーチに怒られることもないし、好きにせぇ(笑)。幸いにも怪我はなく、一度ベンチに戻って治療を受けて、再びマウンドへ。2死1塁で4番中田を3球で料理。ドン詰まりの2塁ゴロに打ち取りスリーアウト。黒田が、ベンチに戻る1塁ランナーの大谷に向かって「●●●●!」とまたなんか叫んどるぞ・・・気合が入りまくりの黒田、怖すぎる(笑)。
【1回裏】
1番田中は、メンドーサのツーシームに空振り三振。2番菊池が揺さぶりにかかる。初球を強めのプッシュバント。打球はメンドーサの出したグラブの横を抜け、セカンドの前にコロコロ。田中賢介がダッシュしてくるも間に合わない。菊池は一塁へヘッスラ&ガッツポーズ。こちらも1回から凄いぞ(笑)。更にはまた初球、丸が思い切り引っ張ると打球はライト前に、菊池が2塁を蹴って1死1・3塁の出来上がり。おっしゃ菊丸連動じゃ!
4番松山はライトへ大ファールを打った後(笑)、4球目の高めストレートを強振。バットの上っ面にあたって打球は真上に(笑)。高く上がったキャッチャーフライが一塁ベンチ付近に。捕手の大野が追いかけてこれをキャッチした瞬間、球場が沸いた。
菊池がホームに突っ込んできた。
ファールフライのタッチアップ。懸命にホームのカバーに走るメンドーサ。大野が一塁ベンチ前からホームへ素早く送球する。菊池がヘッスラじゃ!メンドーサもボールを捕球しながらホームへダイビング!アウトか、セーフか・・・。
アウト!
うぅ・・・惜しい。惜しすぎる。地面に倒れ込んだままの菊池にメンドーサが手を差し伸べて起こしてやる。拍手喝采のズムスタ。しっかし、1回からこんな試合やって、最後までもつんかいの。
【2回表】
5番レアード。初球はストレートでストライクの後、2球目は同じところからのカットボールでひっかけさせてサードゴロ。小窪が軽快に捌いて1アウト。6番岡は初球打ち上げライトフライ。7番田中は3球目のツーシームをこれもひっかけてセカンドゴロ。黒田、この回僅か6球で簡単にチェンジ、ベンチに颯爽と引き上げる。
【2回裏】
先頭は5番誠也。メンドーサのツーシームを見極める。フルカウントから四球で出塁。メンドーサも前回登板とは別人のように制球がまとまらない。無死1塁で6番エルドレッド。追い込まれた後に真ん中高めのストレートを空振り三振。う~ん、当たらない。ヘルメットを叩きつけるブラッド(泣)。7番小窪。第6戦では8回に特大弾。2球目のストレートをきっちり右打ち。ボールがライト前に落ちて1死1・2塁。8番石原。今シリーズはブレーキになった石原。意地を見せれるか・・・ショートゴロ。6-4-3と渡り、絵に描いた様な併殺打。合掌。ま、形式美といえば形式美(泣)。
【3回表】
8番大野は空振り三振。初球外角ストレート・2球目内角ツーシームに空振り、3球目外のスライダーを見送るも、4球目の高めカットボールに空振り三振。黒田の貫録、大野に全く打撃をさせない。9番メンドーサも三振で2死。1番西川には甘いストレートを捉えられるもセンターへのライナー、丸の正面、拝み取りでスリーアウト。黒田のテンポが出てきた。
【3回裏】
先頭はその黒田から。あっさり2ストライク。ここから例のごとく黒田が粘る。外角の変化球に食らいついてファールファールでカウントは2-2の平行カウント。痺れを切らした捕手の大野が内側に構えた。メンドーサのストレートが黒田の胸元に。のけぞる黒田が尻もちをつく。ヤバい、キレるな黒田。腰を浮かす両ベンチのナイン。が、黒田は何事もなかったかのように涼しい顔で立ち上がってユニフォームの汚れを手で払う。10球目。外側のストレートを強振、ライト前にキレイなライナーでヒットを放つ。一塁ベース上でドヤ顔の黒田、かっこエエぞ。
1番田中は強攻するもショートゴロ、黒田と入れ替わって1死1塁。菊池の2球目に盗塁をしかけるがスタートが悪い。あちゃぁと思いきやハムの大野が2塁へ低投、これを2塁ベースに入った中島が大きくファンブル、ボールは転々と右中間へ。田中はスライディングから立ち上がり一気に3塁へ。いや、3塁を蹴るのか?河田コーチが大きく手を広げてストップ。ボールがライト大谷からノーバウンドでホームへレーザービーム。アブねぇ・・突っ込んだらアウトだった。
1死3塁で菊池。絶好の先制機にポップ野郎炸裂(泣)。セカンドへの内野フライで2死。なんで転がさんのじゃ菊池よ・・・。3番丸が3球目を捉えた打球が左中間へ飛ぶもセンター岡がランニングキャッチでチェンジ。う~ん、もったいない。
【4回表】
2番中島が、例のごとくファール打ちでネバネバ。客席から「前へ打て~」のヤジが飛びかう中次が11球目。フルカウントから黒田が根負けして四球。無死1塁、嫌なランナーを出して大谷を迎える。1打席目のこともあって火花バチバチじゃ。
1球目、内側のカットボール。思わず足を引く大谷。1ボール。2球目、インハイぎりぎりのストレートにバットがピクリともせず、147キロ、ストライク。3球目真ん中から落とすフォークで空振り、追い込んだ。4球目は外スラ、バックドアだ。大谷反応できす、決まった!かと思いきや主審の手が上がらない(泣)。1塁ランナーの中島がスタートを切ってる。石原が送球するもタッチの差でセーフ。無死2塁。暴走・好走紙一重の栗山マジック。
2-2からの5球目。外へのツーシーム。大谷が辛うじてバットに当ててファール。6球目。大谷の意識の中には内側の球があったか・・・。5球目を同じツーシーム。大谷腰砕けの空振り三振!グラブを叩き吠える黒田。あんた、大谷とだけ戦っとるんじゃないでっせ(笑)。1死2塁で中田。お手玉状態。外スラを2球ファール、内側に速い変化球で一度えぐられて、最後は更に内角ストレート149キロズドン。身動きできず。2死2塁でレアード。初球が高目に抜けたカットボール、レアードが強振した打球がレフトへ高く上がる、やばい・・・行ったか。
松山がフェンスぎりぎりでキャッチ。
少しバットの先だったかね・・・。いやぁアブねぇ。黒田がゆっくりマウンドを降りてくる。石原が歩み寄り何やら話しとるで。・・・大谷対戦でのぼせちゃいけませんよ・・・とでも言っとるんかの(笑)。
【4回裏】
先頭は松山から。メンドーサのストレートを綺麗にセンター前ヒットで出塁。無死1塁。5番誠也。ツーシームをひっかけてサードゴロ。誠也懸命に走ってゲッツーは逃れる1死1塁。6番ブラッド。空振り三振。7番小窪の2球目に誠也が盗塁。大野からストライク送球で憤死。う~ん点が入らぬ膠着状態。
【5回表】
先頭岡はショートゴロ。7番田中が四球を選ぶも、8番大野が空振り三振、9番メンドーサが投ゴロであっさりチェンジ。
【5回裏】
小窪がセカンドゴロ、石原がファーストゴロ、黒田は三球三振。こちらもあっさりチェンジ。
第7戦は5回を終了して両軍無得点の0対0。6回は双方が1番から始まる打順。ここで試合を動かさないといけまぁ・・・。ズムスタではCCダンスが始まった。さてトイレにでもいってこよう。寒空にビールはトイレが近うなっていけんわ(笑)。
そして試合は動き始めた。
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【6回表】
この回日ハムは1番打者からの好打順。1番西川が1・2塁間を破るライト前ヒットで出塁する。執拗にバッテリーを揺さぶる1塁ランナー西川。2番中島はバントの構えをするも、黒田はランナーに気をとられボール先行で2ボールナッシング。3球目西川がスタートを切り、中島がバスターをしかける。叩きつけて思い切り引っ張った打球が大きくワンバウンド、前進してきた1塁エルドレッドの頭の超えてライト前に転がった。無死1・3塁。迎えるのは3番大谷。
ベンチから畝がマウンドに歩み寄る。まぁどうせ大したことは話してないだろうが(笑)、ええタイミングじゃ。集まったコースケと菊池も黒田に声をかけて守備位置に戻った。守備隊形は中間守備より少し後ろ気味か。1点はしょうがないという守り。
1球目、2球目と外にボールが外れ、3球目の緩いカーブを見のがして2ボール1ストライク。4球目、内角へ食い込むカットボールを大谷が強振した。ぐしゃっという音がして打球はセンター方向へ高々と打ち上がる。バットの根元付近、完全に詰まらせた打球だ。センターの丸が少し後ろに下がりながら捕球態勢を取ろうとしている。滞空時間の長い長い打球じゃ。犠牲フライか・・・まぁしょうがない。いや・・・
丸がまだ下がってるぞ。
え、え、え・・・ウソじゃろ。センターバックスクリーンの横のフェンスに丸の背中があたる。もうこれ以上は下がれん。思い切り差しだした丸のグラブの上を白球が通過していく。着弾。
大谷の3ラン。
静まり返るズムスタ。ゆっくりとダイヤモンドを周る大谷が、3塁ベースのところでベンチに向かって拳を突き上げた。湧きあがる日ハムベンチ。3塁内野席上の日ハム応援団の歓声だけが響くスタジアム。
あの打球が入るかね・・・。黒田はマウンドで腰に手を当てて打球の方向をぼんやりと見つめた。渾身のカットボール、完全に打ちとった打球だった。「もうヤツの時代じゃの・・・」。そんなことを思いながら、自ら1塁ベンチの方に歩きだした。
「投手交代じゃ!」
緒方がベンチから出て球審に告げた。
「ピッチャー、黒田に代わり、ジョンソン!」
・・・まだ、負ける訳にはいかない。
***
大谷に3ランを食らった黒田に代わり、中2日でマウンドにジョンソンが上がった。負けてなるもんか。静まり返っていたズムスタにジョンソンコールが巻き起こる。そうだ、ワシらは今シーズン、こんな逆境を野球マンガのようにひっくり返す鯉の戦いを見てきた目撃者じゃないか。ワシらがシュンとなってどうするんじゃ。ズムスタの温度がまた少し上がる。
4番中田翔。ジョンソンは簡単に2ストライクに追い込む。球速は149キロ。流石じゃジョンソン、中2日でもエエ感じじゃ。3球目、大きな緩いカーブが真ん中からインコース低目にキュッと曲がってくる。中田のマンぶり、見事に空振り三振、よろけて尻もちをつく中田翔。おっしゃジョンソン!ナイスピッチ!中田よ、オヌシがジョンソン打つには10年早いわ。
5番レアード。初戦で一発食らったレアードに対し、石原はインサイド要求。ストレート、カットボール、ストレート。レアードの打球は全て1塁内野席へのファール。全部遅れてる。最後は外へ抜いたチェンジアップ、弱い打球がセカンドゴロに。菊池が捌いて2アウト。
6番岡。内角に沈むカットボールになんとか合わせるもサードゴロ、真正面。小窪が一塁へ送球してスリーアウトチェンジ。ジョンソンの侍スピリット、鯉を広島を愛する気持ちがカープを蘇らせるのか・・・。
【6回裏】
鯉も1番田中からの好打順。だが3点ビハインドじゃ。マウンドにはまだメンドーサが居座る。が、6イニング目じゃ。球数も嵩んできた。ここで掴まえろ。
田中が粘る。2ストライクからボールを2つ見極め、そこからはファールの連打。鋭い打球のファールがバックネット裏に突き刺さる。フルカウントまで粘り9球目。メンドーサのツーシームが少し浮いたところを上から叩く。矢のような打球がセンター前に抜けて行く、よしコースケが出たぞ。
2番菊池。2球目を捉えた打球、右中間への強烈なライナーだ。おっしゃ抜けた・・・と思いきや、大きなストライドでライト大谷がランニングキャッチ。慌ててコースケが一塁へ戻る。う~ん、あれが抜けないか・・・アンラッキーじゃ。大谷がええとこ守っとったわ・・・。
3番丸、いきなりスリーボール。メンドーサもそろそろ握力がなくなってきたか。ファールを挟んで、丸さん安定のお散歩、四球を選び1死1・2塁。ここで迎えるのは4番松山。頼むぜアンパンマン。一発出れば同点じゃ。
「投手交代、ピッチャー宮西。」
栗山監督が球審に告げる。ここで宮西投入か・・・。ワンポイントでもええということか。後ろに大谷もいるし早めのサウスポー投入かい・・。松山は左も打てるんじゃ!最近は・・・(小声)。
鯉のベンチも動いた。
「代打・新井!」
きたか・・・25番。シーズン100打点をあげ、間違いなく鯉の優勝の立役者、小生的には「年間MVPじゃろ」の新井さん、ここで真打ち登場じゃ(ちょっと早いが、栗山も仕掛けてくるからの)。一気にボルテージが上がるズムスタ。真っ赤に燃えあがるスタジアム。さぁ勝負じゃ!
初球だった。
宮西のスライダーが甘く、思いっきり甘く外から真ん中へ入ってくる。きた!新井がスイングを始動、ズムスタ超満員の夢をのせ、新井がマンぶりじゃ!
当たり損ねのショートゴロ(泣)。
うわぁああ・・。ツライさんの形式美が炸裂!併殺コースへまっしぐら。ズムスタ超満員の皆が目を瞑った瞬間だった。
ショート中島がトンネル。
きたぁあ!
白球が中島のグラブの下を抜けて左中間へ転々・・・。2塁ランナー田中は3塁を蹴ってホームイン。1塁ランナー丸も2塁を蹴って3塁へ。そして・・・レフトの西川がこの打球を捕球する際に少しお手玉したのをサードコーチの河田が見逃す訳がなかった。河田は腕を全開に回しながら叫ぶ「丸、行け!GOじゃ!GOじゃ!」。丸が3塁ベースも蹴っちまった・・・。
タイミングはアウトだった。ギャンブルですよ、ギャンブル。試合後に河田はこう語っていた。レフト西川の懸命の送球はワンバウンドして1塁側に逸れた。丸が滑り込んで立ち上がり拳を思いっきり宙に叩きつける。セーフ!ついでに2塁ベースに到達した新井が両手を天に突き上げる。おっしゃぁぁ!って、新井さん、ゲッツーでチェンジのとこでしたが(笑)。
2対3、1点差に追い上げて、更に1死2塁。打者は本家神ってる男、鈴木誠也。ここで栗山監督が動く。
「ピッチャー、大谷。」
ズムスタがまた静まり返る。不思議な静寂の中で、大谷がライトの守備位置からマウンドへ向かって走り出した。
(後編へ続く)
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