軽~いコメディタッチのサスペンスものは、あまり重い内容の本に手が伸びない時のボクの強い見方です。何気ない気持ちで読んでいるつもりでも、このパーネル・ホールさんの本はついつい引き込まれていきます。「探偵になりたい」から始まった、スタンリー・ヘイスティングスを主人公とする探偵モノはすでにシリーズ化されていますが、今回紹介する作品が初代のモノです。全シリーズ通して、さえない探偵のヘイスティングスがイヤイヤながら事件に巻き込まれていく展開は、当たり前のようで、面白い。ボク等と同じ一般人目線で犯人を探すヘイスティングスに感情移入するのは簡単です。
●探偵になりたい●
探偵とはいえ、雇われの事故調査員という身分のヘイスティングスが、最初はイヤイヤながら、後に少し楽しみながら事件の真相を追っていく。ドジなところや変に依怙地なところまで、謎解きよりは人間観察を楽しみたくなるような内容。でも、プロットはかなりしっかりしているので、グングン引きこまれます。読後もスッキリ気持ちよしですよ。
書評:活字中毒者
- パーネル ホール, Parnell Hall, 田村 義進
- 探偵になりたい