「マージナル珈琲」誕生 | B&Fab「本」と「ものづくり」と「珈琲」

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本(Book)とモノづくり(Fabrication)を中心に、人が集まり会話が生まれる憩いの場、そんな場所を作りたく、ただいま奮闘中!(または迷走中)

「虹の都 光の港 キネマの天地♫」


東京23区の最南端に位置する大田区の蒲田、ここはかつて映画の街であった。日本映画を代表する映画会社松竹の撮影所があったのだ。大正から昭和の戦前、日本映画の黎明期にその中心的存在であった撮影所だ。

冒頭の歌詞は「蒲田行進曲」という楽曲の出だしフレーズで、これは松竹蒲田撮影所の所歌として採用された。1982年(昭和57年)に上映された深作欣二監督作品「蒲田行進曲」の主題歌にもなった。いまはJR京浜東北線蒲田駅の発車ベルに使用されている。

そして松竹蒲田撮影所があった場所(現在は大田区民ホール)からほど近い街(現在の東蒲田)には、映画館や商店街が軒を連ね、映画関係者やその家族の生活拠点として大いに盛えた。


というのが、昔むかしのお話だ。
いまの蒲田には、その当時の面影はまったくない。しいて言えば『キネマ通り』という名前の抜け道が、東蒲田の一角に存在している。
いまでも商店街であるこの通りは、JR蒲田駅からは遠く人の流れも少ない。加えて近年は、商店主の高齢化と後継者不足で、シャッターを下ろしたままの店も多い、いわゆるシャッター通りだ。


いまから約3年前に、キネマ通り商店街の空き家のひとつが、リノベーションされた。そしてそこは、未来を創造するための人々が集う空間となった。
『キネマフューチャーセンター』その空間は、そう名付けられた。



『キネマフューチャーセンター』では、映画上映、フューチャーセッションと呼ばれる未来志向型会議、未来志向ベンチャーたちのためのワーキングスペース、町の人たちが集うコミュニティカフェとして利用されている。


もともとこの場所を運営しているNPO法人ワップフィルムは、映画製作を行なっており、フューチャーセッションにより生み出された映画『未来シャッター』は、これまでには存在し得なかった新たな課題解決型映画として、各地での社会変革のキッカケとして活用され、大きな反響を得ていた。

毎月2回の上映会には、評判を聞いて一度観たいと思った人や、映画に影響を受けて何度も通っている人たちで賑わっている。上映後に行なう簡易版フューチャーセッションが好評で、自分でも予想外な本音を話してしまう人も多いようだ。



マージナル珈琲は、未来創造拠点『キネマフューチャーセンター』に誕生した不思議なコーヒーショップです。マージナルとは、映画『未来シャッター』のキーワードにもなっているのですが、「限界である状態」とか「境界にいるさま」とかそんなことを意味します。

まもなくプレオープン期間を終え、正式オープンします。


マージナル珈琲は、いろんな面で限界に挑戦します。他の店ではまねできないような究極のサービスを提供します。


例えば、普段は寡黙な店主が、あなただけのためにたっぷりと時間をとってお話をします。その内容は、「悩み相談」「愚痴」「退屈しのぎ」「未来の夢」なんでも構いません。マージナル珈琲は、そのときあなただけの安らぎの里になります。


例えば、コーヒーを一緒につくります。豆選びから焙煎、そして自分で抽出して、味だけではなくコーヒーの楽しさを体感していただきます。自分だけの美味しさ、自分だけのブレンドを作りましょう。マージナル珈琲は、そのときあなただけの珈琲工房になります。


例えば、あなたの体調が優れないとき、元気を取り戻すコーヒーと食事を提供します。添加物や化合物を含まない自然を生かした食べ物は、身体も心も元気にします。マージナル珈琲は、そのときあなただけの薬膳レストランになります。


マージナル珈琲は、日常の生活にちょっと疲れてしまった人が、いつでも気軽に帰ってこれる場所になり、いつでもあなたの帰りを待っています。マージナル珈琲は、そのときあなただけの忠犬ハチ公になります。


もし、あなたが何かに迷ったり、立ち止まったりすることがあったなら、一度この未来創造拠点『キネマフューチャーセンター』で、マージナル珈琲を味わいながら楽しく会話をしてみませんか?

何か踏み出すきっかけをつかめるかもしれません。


(了)