”懸賞金、家族聴取で自首促す香港警察亡命民主派は屈せず” | ウインのワクワク「LIFE」

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懸賞金、家族聴取で自首促す 香港警察
亡命民主派、あぶり出し屈せず
支援者逮捕でさらに摘発鮮明

 

香港当局は海外に逃れた亡命民主活動家8人の摘発、あぶり出しに各1800万円の懸賞金をかけ、海外の反対勢力を威嚇しながら自首に追い込む反体制派根絶を目指している。

 

「外国勢力と共謀している」とする香港国家安全維持法(国安法)違反で指名手配する当局に対して亡命民主派は「共謀」の根拠を明示しないのは法概念の乱用だと屈せず、米英豪各国は反中勢力の萎縮を狙う中国の強硬策を厳しく非難している。

 

▲香港当局が指名手配した郭栄鏗氏、許智峯氏、羅冠聡氏、任建峰氏、袁弓夷氏、劉祖廸氏、郭鳳儀氏、蒙兆達氏。懸賞金は各100万香港ドル(約1800万円)がかけられている

 

香港警察は7月3日、逮捕につながる情報提供者に容疑者1人当たり最大100万香港ドル(約1800万円)を出すと発表。国安法を香港、中国本土以外にも「域外適用」し、海外での活動も犯罪行為と判断して懸賞金付きの国際指名手配となった。

 

7月4日には香港トップの李家超行政長官が記者会見で指名手配した8人を「地の果てまで逃亡しても必ず逮捕する」と宣言。「逃亡人生に終止符を打つ方法は自首以外にない」「親族や知人、友人でも懸賞金は受け取れる」と糸目をつけず、情報提供を求める姿勢だ。

 

 

羅冠聡(ネイザン・ロー)氏

 

8人のうち、当局が最も摘発に力を入れているのが英国亡命中の活動家、羅冠聡(ネイサン・ロー)氏。
 

7月5、6日には羅氏を資金面で支援した容疑で民主派団体「香港衆志(デモシスト)」の元主席だった林朗彦氏ら団体関係者5人を相次ぎ逮捕。香港在住の両親や兄も警察に呼び出されて聴取を受け、間接的にじわじわと本人に出頭、自首を迫り、「域外適用」で海外の批判勢力を威嚇している。

▲2018年ごろの羅冠聡氏(右)と母親

 

羅氏は2016年に香港衆志の初代主席として立法会選挙で最年少当選。就任宣誓無効と判断され、17年に議員剥奪。国安法施行前に英国入りして亡命し、英国議会や欧州議会に訪問して香港の人権状況を発表したことで「外国勢力と結託した」と見なされている側面もある。

▲訪米時、ポンペオ米国務長官と会談した羅冠聡氏

 

羅氏はSNSで「自首、出頭などまったく考えていない。反体制派の声を抑圧し、このままでは香港市民の本当の声を上げられない」と反論した上で「私が外国勢力と結託し、外国から資金援助してもらっているとすれば明確な証拠を出すべきであり、明示できないようなら国家安全の概念を乱用している悪法」と指摘している。

 

▲香港では海外への移民がかなり関心を高めている

 

英国やカナダ、オーストラリアは国安法施行への対抗措置として、香港からの移民の受け入れを開始。英政府によると、特別ビザの発給が始まった21年からの2年間で、香港から14万4500人以上が移住した。 

 

8人が亡命する英米豪各国だけでなく、日本、台湾、カナダなど各地に在留しており、国安法の「域外適応」への恐怖心が海外で反中批判する動きをどれくらい抑圧、萎縮させられるか、洞察・分析し、次の厳しい一手を練り上げようとしている段階だ。