とある投資家の備忘録(ブログ) -4ページ目

とある投資家の備忘録(ブログ)

宇宙とか、株式投資とか、本とか、犬猫とか

2011年の震災から1年間、毎月10日の株価を「定点観測」として記録していました。
最後にこのブログに記載してから10か月ほどが経ち、また今日は10日ではありませんが、2012年の終わりに区切りとして記載しておきます。
まずは日経平均、日経JASDAQ平均の震災前日との比較です。

       3/10(木) 4/8(金) 5/10(火) 6/10(金) 7/8(金) 8/10(水) 9/9(金)
日経平均 10,434.38 9,768.08 9,818.76 9,514.44 10,137.73 9,038.74 8,737.66
(変化率)     0%  -6.4%   -5.9%   -8.8%   -2.8%  -13.4%  -16.3%
JASDAQ  1,322.38 1,213.64 1,265.26 1,228.88 1,279.39 1,207.95 1,209.72
(変化率)     0%  -8.2%   -4.3%   -7.1%   -3.3%   -8.7%   -8.5%
       10/7(金) 11/10(木) 12/9(金) 1/10(火) 2/10(金) 3/9(金) 12/28(金)
日経平均  8,605.62  8,500.80 8,536.46 8,422.26 8,947.17 9,929.74 10,395.18
(変化率)   -17.5%   -18.5%  -18.2%  -19.3%  -14.3%   -4.8%   -0.4%
JASDAQ   1,159.9  1,146.89 1,163.45 1,187.93 1,254.43 1,330.53  1,413.34
(変化率)   -12.3%   -13.3%  -12.0%  -10.2%   -5.1%    0.6%    6.9%

次に私のポートフォリオの全銘柄の単純平均と純資産ベースの変化率です。

       3/10(木) 4/8(金) 5/10(火) 6/10(金) 7/8(金) 8/10(水) 9/9(金)
単純平均     0%  -11.6%   -8.6%   -8.3%  -5.2%  -13.6%  -8.7%
純資産      0%   -5.8%   1.8%    7.4%   9.7%    9.3%  24.8%
       10/7(金) 11/10(木) 12/9(金) 1/10(火) 2/10(金) 3/9(金) 12/28(金)
単純平均  -17.1%   -12.0%  -16.4%  -19.3%  -14.6%  -12.5%   -12.4%
純資産     6.0%    14.3%    3.1%   -4.7%    6.6%   4.2%    9.1%

日経平均はほぼ震災前を回復し、さらにJASDAQ平均はすでに震災前を6.9%も上回っています。私自身は現時点の持ち株の単純平均では相変わらず大きくマイナスではあるももの、純資産でのプラスはキープできています。

今年は春先に日経平均が1万円を超えた頃をピークに株式市場は低迷を続けていましたが、総選挙での自民党の勝利観測とそれに伴うデフレ脱却期待により、年末にかけて株価は急激に上昇、年末に最高値をつけるという展開になりました。

株式市場ではいわゆる「アベノミクス」について、かなり好意的に期待をもってとらえられているようですが、日銀に対する実質的な介入や、従来型のバラマキの印象を拭えない公共投資など、今のところはデフレに対する抜本的な対策が講じられるとは考えにくい状況です。

とはいえ株式市場や一部の国民の間にこれまでにないような期待値が醸成されていることも事実なので、ここはひとつ小泉・竹中改革時に見られたようなインパクトのある政策(特に投資家としては企業や投資家が積極的にリスクテイクできるような税制の整備)を実施して、経済や市場を活性化する大きなチャンスとしてほしいところです。

くれぐれも「バブルの夢よもう一度」というような妄想だけは抱かないように。

最近、3Dプリンタについての話題を良く目にするようになりました。私は読んでいませんが、「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる/NHK出版」では、3Dプリンタがモノづくり革命の一翼を担う、という趣旨のことが書いてあるようです。

投資家目線で見るとこの先、3Dプリンタ関連のプチバブルが発生しそうな気もしますが、非常に将来性のある技術分野ではあるものの、人々の生活に大きなインパクトを与えるようになるには、まだまだ時間がかかる技術ではないかと思います。

ところで3Dプリンタで思い出すのはスタートレックの世界で、この中には3Dプリンタ技術の延長線にあると思える技術が3つ登場します。1つは食事などを一瞬で作り出す「レプリケーター」、もう1つは人間を別の場所に瞬時に移動する「転送」、そしてモノや人などを本物と区別がつかないように再現する「ホロデッキ」です。

これらのうちレプリケーターは、3Dプリンターの未来の姿に一番近いものだと思います。現在の工業製品は、最終製品に必要・最適な各種原材料を予め用意して組み立て加工している訳ですが、レプリケーターの原理は分子を材料に元の製品の複製を作成する、という考え方のようで、これであれば基本的な元素を用意しておけば、ほとんどの物質を構成できます。

紙などの2Dの世界では、スキャナとプリンタ(あるいは液晶などのフラットディスプレイ)の組み合わせにより、既にこのレプリケーターに近い世界が実現されている訳ですが、これから何十年か先、食べ物や工業製品などの3Dの世界でも、誰もが簡単にコピーを作れる時代来ているのかも知れません。

このような世界をイメージするのは一見突拍子もないようにも思えますが、一部の物理学者によれば、我々が三次元だと認識しているこの宇宙は、二次元の情報(データ)を投影されたホログラフィーのようなものだということです。それであればホログラフィーである我々が、別のホログラフィーをデータから作り出したとしても、特に驚くべきことではないということでしょうか。


MAKERS―21世紀の産業革命が始まる/NHK出版
¥1,995
Amazon.co.jp
昨日今日とiPad miniをはじめとするアップルの新製品、アマゾンKindleの日本での発売があり、更には間もなくWindows8も発売されることもあり、この秋は主力IT製品群の発売ラッシュです。

そんな中、私はつい先日迷った末に自宅ノートPCの後継機として、Windows7のVAIOを注文しました。MacBookやWindows8も選択肢にはあったのですが、Windows8は実機も触ってみた感じで全くピンと来ず、MacBookに関してはRetinaディスプレイは魅力的なものの、自宅デスクトップVAIOとの連携もあり、今回の選択となりました。

ところで地デジ化移行を挟んだこの2年足らずの間で、我が家のIT・AV機器(TV3台・PC2台)をすべて買い換えたことになるのですが、これら5台(プラス先日購入したiPhone5も含めると6台)の機器で1つ共通点があります。

それはすべてのディスプレイが16:9の画面比率になっていることです(iPhone5は9:16といった方が正しいのでしょうか)。

実際のところ自分が主に使用するノートPCに関しては、現在使用している16:10の画面比率が一番適していると考えていますし、MacBookに関してはこの比率のディスプレイを採用しているものの、残念ながらWindowsノートPCに関しては、ほぼすべてが16:9の画面比率になっています。

もちろんこの比率であれば、ほとんどのTVや映画等の映像を上下に余白を作らずに表示できるメリットがある訳ですが、ブラウザーや表計算等で使用するには少々横に間延びした感は否めません。

まあアップルのように1社で莫大な数をはけるのでもなければ、TVの液晶パネルとサイズを共有化することによるコストダウン効果を優先するのはやむを得ないのでしょうが、VAIOを3代に渡って使用してきたユーザーとしては、ソニーには多少割高でもいいからそういう選択肢を用意して欲しかったです。

ところで「2001年宇宙の旅」に出てくる謎の物体「モノリス」は、各辺の比率が1:4:9なのですが、ウィキペディアによるとこれは最初の3つの整数の二乗になっていて、これは人工物であることを視覚的に意識させるためであり、またこの数列は最初の3次元で終わってはいないとのことです。

そうなると次は当然4の二乗の「16」となる訳ですが、そう考えると自分の周りの全てのディスプレイが16:9だというのも、なんだかモノリスに囲まれているようで、未来的な神秘的な感じがしなくもないので、16:10のRetinaディスプレイを選ばなくて良かった、と無理やり自分を納得させています。
一時期に比べれば「クラウド」という言葉を目にする頻度は減っているように思いますが、クラウドコンピューティングは確実に世の中に広まっており、今後もこの流れが拡大していくことはほぼ間違いないでしょう。

ネットワーク・コンピューティングの主流となる形態の変遷をみると、ホスト・ダム端末~クライアント・サーバ~インターネット・Webを経て、クラウドへと移り変わってきています。ただ例えばCDがレコードを完全に置き換えてしまったように、新世代が旧世代を完全に置き換えてきた訳ではなく、今後も旧世代がある程度の割合で残り続けることでしょう。

ところでこの変化は、雇用形態における終身雇用~正社員での転職~正社員から非正規雇用を経て、最近話題のノマドへの移り変わりにも似ているように思います。

つまりホスト時代には、企業はそのホストコンピュータを何十年も使い続ける想定で導入していたのに対して、クラサバでのサーバは5~10年程度で置き換えることが前提に、またWebではもっと柔軟にサーバを増減できるようになりました。

しかもWebの世界ではサーバを自社所有(オンプレミス)する必要もなくなり、コンピューティングパワーだけを調達できれば良いということから、クラウドの仕組みが広まり、OSの仮想化技術の進展とあいまって、今やクラサバでもクラウド化が珍しくなくなっています。

ホストや終身雇用の時代においては、企業はサーバや正社員を長期に固定(資産化)し、同じ資産を長く使うことで見かけ上のコストを抑えて収益を得ていた訳ですが、バブル崩壊以降、事業環境の変化への対応や資産効率ということが強く意識されるようになると、経営者は、変化に対して柔軟に対応でき、資産計上の必要もないクラウドや非正規雇用を出来るだけ活用したいという方向にシフトしてきています。

つまりビジネスにおいて差別化要素(コアコンピタンス)となる部分だけを正社員がおさえておいて、それ以外は全て非正規雇用やアウトソーシングを活用する方法論と、コンピューティングにおいてコアコンピタンスとなるソフトだけを開発・所有し、それ以外のハードやOS・ミドルウェアはすべてクラウドでまかなうという方法論が、(偶然かあるいは必然か)この時代において主流になろうとしています。

個人的には必ずしもこの流れが好ましいとは思っていないですが、その理由はまた改めて。
日本ではいったいどれくらいの人が株式投資を行っているのでしょうか?

東証発表の平成23年度株式分布状況調査の調査結果について <要約版>では個人株主数(延べ人数)は4,591万人とありますが、これは延べ人数なので相当の人が重複してカウントされています。ググってみても正確なところは解りませんでしたが、恐らく100万~200万人程度というところが妥当な線でしょう。

日本の成人人口はおおよそ1億人程度ですから、これはそのうちの1~2%程度にあたります。また日本の労働者人口は6千万人強といわれており、これに対しては2~3%程度ということになります。実際に自分の周りで株式投資を行っている人の割合を考えれば、この数字はある程度妥当な値だと考えられます。

日本の個人金融資産に占める株式の割合は6%程度、投資信託を含めると10%程度という日銀発表の調査結果からすると、もう少し株式投資家の人数が多くても良さそうですが、金融資産に余裕がある人は株式投資へ回す比率が高く、そうでない人はそもそも株式を保有しない、という傾向を示すものでしょう。

それでは「何故ほとんどの人は株を買わないのか」という疑問が生じてくる訳ですが、その株を買わない人の多くが、金融資産やそれに準じるものとして、預貯金や生命保険、不動産、年金などには資金を投じている訳で、これらと株との違いを考えることがこの疑問に対する答えにつがなるかも知れません。

まず不動産を除く、預貯金や生命保険、年金などは、投じた金額に対して戻ってくる金額が概ね確定している(と認識されている)ことが挙げられます。また不動産については、自分が買ったものを実物として所有・確認できるという面があります。それに対して株には、確定したリターンも実物として所有できるものもありません。

つまり株とその他の金融資産の大きな違いは「約束されたものがあるかないか」という点にあると言えます。もちろん他にも様々な違いはありますが、私自身この違いが非常に大きいと感じています。そしてこの違いは「リスク」というものに対して、ほとんどの人が持つ感覚が強く影響していると考えています。

即ちほとんどの人が持つリスクの感覚とは「持っているものを失うかもしれない」ことと「形のないものを信用する」ことに対する拒絶反応や恐怖心である、ということができます。そしてまさに株式投資を行うには、株価の下落により投資資金を失うかもしれないことと、株式という形のないものを信用することの2つ受入れることが、ほとんどの人にとって大きなハードルとして存在しているのでしょう。

確かに私自身も、株式投資が万人向けの投資方法だとは思いませんし、預貯金と同じレベルで受入れられるべきだとも思いいません。ただ一方でかつて自分がそうであったように、株式投資を実践することで、そうでない状態に比べて、少なくともお金の面では少なからぬ恩恵にあずかれる人も、一定の割合で存在するはずです。

それがどの程度の割合なのかは解りませんが、ほとんどの人が株を買っていないという状況から、ある程度の人は株を買っているといえる程度までにはなって欲しいと思いますし、株式投資家の一人としてそのために何かひとつでも貢献できないか、そんなことを考えながらこのブログを書いたりしています。