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とある投資家の備忘録(ブログ)

宇宙とか、株式投資とか、本とか、犬猫とか

最近、ブログへの書き込みが滞りがちなのですが、ブログを書いていると、その時自分がどのような状況にあって、どのように考えていたのかを振り返ることができるというメリットがあります。

決算期末・・・昨年の丁度この時期に書いたブログを読み返してみると、わずか一年のうちに、自分の株式投資をとりまく状況が、まさに180度変化していることを実感して、軽い驚きさえ感じています。

日経平均株価は、一年前の8月2日が8,653.18円で、昨日が14,466.18円なので、1.67倍に上昇しています。自分自身のポートフォリオも、この一年の上昇率で日経平均を大きくアウトパフォームできているので、その意味では昨年のブログに書いた「オーバーホール」が、うまく機能したと言っていいでしょう。

ただオーバーホールといっても、バフェット派の長期投資家である以上は、わずか一年でポートフォリオが大幅に入れ替わることはまずありません。確認してみるとポートフォリオから除外したのが2銘柄(うち1銘柄はMBOによる上場廃止)、新しく加えたのが2銘柄で、あとは保有銘柄の中で数量のリバランスを行ったことと、キャッシュの比率が少し増えたことが一年前との違いでした。

と、ここまで書いてちょっとした疑問が湧いてきました。仮に一年前のポートフォリオを全く変更していなかったとしたらどうだったのか、もしかすると何も手を加えなかった方が成果が出たのではないか、という疑問です。

そこで早速その場合の試算を行ってみましたが、結果はとりあえず一安心です。ポートフォリオに手を加えなかった場合の方が、現在の状態より2.8%ほど資産額が少なくなっていたという試算結果が出ました。

まあ、そのためにこの一年間に行ったことの労力や時間を、この2.8%という数字と比べた場合、それに見合ったものかどうかということは更に検証すべき余地はあるにしても、何もしなかった方が良かった、という残念な結果にならなかっただけでも良しとすべきところでしょう。

自分自身で銘柄選択を行うアクティブな個人投資家である以上、定期的にこういった客観的な評価を行うことで、投資家としての能力をチェックすることの必要性は忘れないようにしたいと思います。
今日は暦の上では平日ですが、GWということで休みをとったので、自宅でゆっくりとネットサーフィンをしながら、株式市場の動きをぼんやりと眺めたりしています。
日経平均は小動きですが、新興系の指数は相変わらずの上昇基調にあるようです。

いわゆる「アベノミクス」相場が始まってから、もうすぐ半年が経とうとしていますが、この間に日経平均はすでに50%以上の上昇を見せており、株式市場、わけても株価の先行きに対する見方はこの半年でまさに180°変わったといっても過言ではないでしょう。

私は自分自身を、個別企業の中長期のファンダメンタルズを基にした価値と価格の差に着目して投資を行う、「バフェットタイプ」の投資家であると認識していますが、その私から見ると、ここ最近の株価に対する見方の変化と、それに伴い市場に漂うバブル的なウキウキ感は、自分が投資している市場とは何か別の世界のようにさえ感じられます。

もちろん私自身も、この間の株価上昇による恩恵を大きく享受している訳で、純資産ベースでの上昇率は半年で100%を超えているほどですが、この結果はあくまでも先に挙げた指針に基づいた「投資」の結果得られたものであり、株価の先行きを予想して売り買いをする「トレード」とは全くことなるものです(少なくとも私自身はそう理解しています)。

どちらの場合も結局は株を買ったり売ったりする訳ですから、投資経験のない人(ここにはトレードしかやったことのない人も含まれますが)から見れば、投資家もトレーダーもやっていることに大きな違いはないように見えるかも知れませんが、私にとっては天文学者と占星術師ほどの隔たりがあると感じています。

実際のところ株式市場から成果を得るために、株価の先行きを予想する必要はありませんし、そもそも株価の先行きを言い当てることは、コインを投げて裏か表かを言い当てることと同じ程度の確率でしかあり得ない、というのが我々のような投資家が株価予想に対して抱いている認識に他なりません。

こういった感覚を投資家でない一般の人やトレーダーが理解することは難しいのでしょうが、逆に言えばそれだからこそ(多くの一般人やトレーダーとは異なる投資行動をとる)我々のような投資家が、株式市場から中長期的な成果を得られることになるのでしょう。

占星術師がどれほどその技術と経験を深めたとしても、結果として天文学者や宇宙物理学者になることはないのです。

2011年の震災から2年が経過しました。震災から1年間毎月10日の株価を「定点観測」として記録していましたが、今日は1か月後、半年後、1年後、2年後の記録を残しておきます。まずは日経平均、日経JASDAQ平均の震災前日との比較です。

                          1ヵ月後  半年後  1年後     2年後
       3/10(木) 4/8(金)  9/9(金)  3/9(金)   3/8(金)
日経平均 10,434.38 9,768.08  8,737.66  9,929.74 12,283.62
(変化率)     0%  -6.4%    -16.3%    -4.8%      17.7%
JASDAQ  1,322.38 1,213.64  1,209.72  1,330.53  1,713.38
(変化率)     0%  -8.2%     -8.5%     0.6%      29.6%

次に私のポートフォリオの全銘柄の単純平均と純資産ベースの変化率です。

                          1ヵ月後  半年後  1年後     2年後
       3/10(木) 4/8(金)  9/9(金)  3/9(金)   3/8(金)
単純平均     0%  -11.6%  -8.7%    -12.5%       5.3%
純資産      0%   -5.8%  24.8%       4.2%     40.8%

年初に震災前の水準を回復した日経平均はその後も順調に推移し、また既に一年前に震災前水準を回復していた日経JASDAQ平均も更なる大幅な伸びを示しています。
私自身のポートフォリオは純資産ベースでは日経平均、日経JASDAQ平均を共に上回って推移していましたが、長い間マイナスで推移していた単純平均がここにきてようやく震災前を回復しています。

それにしてもここ最近の株価の堅調さには目を見張るものがあります。アベノミクスへの期待と円安効果により、昨年秋以降すっかり様変わりした日本株はもちろん、先日ダウ平均が5年5ヶ月ぶりに最高値を更新した米国株に加えて、イギリスやドイツなども含め世界中で株高が進行しているようです。

個別銘柄であれ市場全体であれ、株価は波のように常に浮き沈みを伴うものですが、私が株式投資を始めた2000年以降で見ると、2000年と2006~2007年に大きな山があり、2003年と2008~2009年の大きな谷が見られます。

私は元々株式投資に際しては、バフェットの教えに従いマクロ経済や金融政策の動向などは一切気にせず、投資対象企業や業界の状況のみを注視するように心掛けていますが、結果的に株式投資の成果は、ベンチマークとしての平均株価の動向を含め、市場全体の大きな流れに左右されることも事実です。

前回2006年頃の大きな山の時期では、ライブドアや村上ファンドに対しての捜査・逮捕という後味の悪い出来事が、小泉・竹中改革により醸成されつつあった起業や投資への意欲を萎えさせたことが、その後の低迷につながり、リーマンショックがとどめを刺した形になりましたが、今回の動きが大きな山となるかどうかは、現在は期待先行といえるアベノミクスが、実態を伴った成果を上げるかどうかだけでなく、少し景気が良くなるとまたぞろ顔を出す、既得権者という亡霊をどこまで断ち切れるかにかかっていると言えるでしょう。

このブログに書評を書いた「ザ・マネーゲーム」から脱出する法の続編、ビジネスゲームから自由になる法/ヴォイスを読みました。前作を読んでからまだ1年もたっていないことが信じられないほど、このロバート・シャンフェルドさんの考え方は、私にとっても常日頃の考え方のベースとして着実に根付きつつあります。

とは言っても、彼が提唱する4つの道具のうち、自分が使用するのは主に「プロセス」だけであり、それも使用頻度がだんだんと減る傾向にあったところに、今回の続編を読んで、改めて彼の考え方に納得するとともに、自分ももう少し(しかし彼が言うように無理のない範囲で)4つの道具を日常的に使うようにしてみたいと思いました。

今回の本の内容自体は正直なところ、続編というよりリニューアルという感じで(例えば猿の惑星と続・猿の惑星の関係ではなく、猿の惑星とPLANET OF THE APESの関係といったところでしょうか)、前作より目新しい何かを期待して読むと、期待外れということになるかも知れません。

それでも自分にとっては、考え方をもう一度整理する意味で、この本を読むことはよいオーバーホールになりました。自分がいま、第2段階に対してどの位置にいるのか、まだはっきりと認識できている訳ではありませんが、少なくともこの1年余りの間に、以前いた場所とは別の場所に、自分がいるステージが変わっていることは実感できます。

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人は生きていく中でその時々に夢や憧れ、目標を抱きますが、それらがすべて次々とかなうということはまずないでしょう。
そういった夢の中でも、人生のある段階(主に年齢)で諦めざるを得ない期限付きの夢と、生きている限り追い続けることができる無期限の夢の2種類があると思います。

例えば私の場合、小さい頃にはブルース・リーに憧れ、その後はゲイリー・ムーアのようなギターヒーローにも憧れました。しかし実際に私が少しでもその夢に向かって行動を始めたのは、どちらも高校になって空手とバンドを始めた時からでした。
そして始めてしばらくした時には既に、この分野で一流のプロになるには始めるのが遅すぎたということを強く感じました。

もちろん仮に小学生のころから始めていたとしても、一流のプロになれる保証はなく、逆に多少始めるのが遅かったとしても、それを補う努力・才能・運等があれば、夢をかなえることも不可能ではなかったかも知れません。

いずれにしても私には、華麗な技を見せる立ち技格闘家になることも、ギターキッズが憧れるようなギタリストになることもかなわなかった訳ですが、これらは私にとってやはり期限付きの夢だったことになります。

一方で私には、子供のころカール・セーガン博士のTV番組「コスモス」でアインシュタインの相対性理論を知って以来の、宇宙とは何か・何故存在するのかを理解する夢や、30歳を過ぎてから始めた株式投資におけるバフェットやフィッシャーのような長期投資での成功の夢など、恐らく死ぬまで追い続けるであろう夢もあります。

ポイント・オブ・ノーリターン・・・航空機等でもはや出発点に戻る燃料がなくなる地点<帰還不能限界点>のことをこう呼びます。
ポイント・オブ・ノーリターンを過ぎて、もう戻ることができなくなった夢たちに時々は思いをはせながらも、今も追い続けることができる無期限の夢があることを幸せに思います。