Road to 2027として始まった10年計画のリサイタルもcovid-19による昨年の延期により、2028年までかかる。
今年も緊急事態宣言下の緊迫した情勢の中、何とか開催されることになった。
そんな状況下、今回は演奏前に仲道さんが舞台で昨今の状況下に思う事、今回のプログラムについてお話しいただく。
その後、モーツァルト、シューマン、ベートーヴェン、シューベルトと、「幻想」にまつわる演奏。
この演奏会自体、既に昨今の世間情勢を無視してはあり得ない。
この演奏会の幻想曲、幻想という言葉の意味、そう言った想念とこの情勢の中で生きる生身の演奏家のライブの演奏を切り離して考えることはできない。
そう言ったことを感じざるを得ない演奏。
そうはいっても、単に深刻に重々しいのではなく、どちらかと言えば、ゆったりとある意味淡々としたモーツァルト。
どの曲を聴いていても、この時間がこのまま永続するのではないかと思われるような時間が流れる。しかしそれはあり得ない事で確実に終焉を迎える。
あっという間の2時間だった。
アンコールは、最近発売されたばかりのドビュッシーアルバムにも納められている亜麻色の髪の乙女。ちょっと意外な気もしたが、意外とすっきりとまとまった。
鳴りやまぬ拍手に最後は足早に舞台へ登場される仲道さん。
この重いプログラムを終えた後とは思えないお元気そうな笑顔と体力に感服。
最後は足取りも軽く客席に小さく手を振って舞台袖に。
演奏会が開催された喜びを仲道さんと客席で共有出来たことを痛感する瞬間だった。