1904年生まれ。生誕場所はポーランドとロシアの境界部分で、ユダヤ系のようだ。
10歳ころパリに移っているのでフランス系のピアニストと言っていいかもしれない。
ある意味ショパンの境遇と重なりそうだが、かなり状況は異なるかもしれない。
彼は3歳で左目の視力を失っており、かなり苦労したように感じる。
ピアニストとしては20歳そこそこで、コルトーやラヴェルという大巨人に直接師事したというのは、恵まれていたというべきなのだろうか。
最初に購入したのは少し古い録音で1950年代のもの、10枚組。
ラヴェル作品とモーツァルトのソナタ全曲が中心だが、ショパンやシューマンなども含まれる。
ラヴェルの作品が何といっても凄い。
古い録音であり、音の美しさは窺えるものの美音を楽しむというレベルではない。
しかし、ものすごく魅力的な「音楽」。
音だけではなく、その音楽そのものが、派手な技巧や美しさを誇るのではなく、ゆったり朴訥に、時にはゴツゴツと、「音楽」が紡がれていく。
こういう風に表現すると指揮者のミュンシュも共通項があるように思う。
決して流麗・綺麗ということだけではない音楽。
ショパンもいい。舟歌なども最高。
それにモーツァルトやシューマンも。
「亡き王女のためのパヴァーヌ」、この曲をこんなにいいと思ったのは初めて。
次に入手したのは次のCD。
1973年録音のラヴェル。
1972年のイイノホールでのラヴェル、ドビュッシー、フォーレ。
新しい録音だけに、どれもその美音も十分に堪能できる。
美しいといってもただそれだけではない奥深さ。
単にきれいというだけならラヴェルをもっときれいに表現するピアニストはいるだろう。
モーツァルトを流麗に、劇的に弾く人もいる。
それだけじゃないペルルミュテールの世界。