都民芸術フェスティバル オーケストラシリーズ No.52。
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第五番。
ピアノは仲道郁代さん。
オーケストラはコントラバス6人のフルオーケストラ。
それにかなり広い東京芸術劇場。
ピアノはYAMAHAのCFX。
今日の席は一階、と言っても右側に張り出したような高さのあるRB席。
舞台にもそこそこ近くて少し高さもある、かなり好きなタイプの席。
こういう広い会場でフルオーケストラ相手にするとCFXの良さが最大限に発揮されるのかもしれない。
無理なくオケに負けない強い音。
単なる大きな音というのではなく、音の「強さ」を感じる。
ソロパートでも、非常に粒立ちよく煌めきのある音色。
ベートーヴェン、良いです、好きです。
皇帝というと、名曲コンサート的に陳腐な気がしてしまうが、何度聴いても、やはり素晴らしい。
祈りを感じる第二楽章、その終りから第三楽章に移る前のソロパート。
この曲の華麗な一面もいいが、その対極にあるところ、痺れました。
随分以前に、今は亡き落語家の桂枝雀が言っていたことが印象深く残っている。
「笑いは緊張とその緩和で生まれる」といった趣旨だったと記憶している。
クラシックも同じようものを、ずっと感じている。
張り詰めた緊張感の持続や高まり、それがあるときふっと和らぐ弛緩の瞬間。
これが、色々なパターンで起こってくる。
ピアニッシモで緊張しフォルテで開放する、
逆にフォルテで緊張しピアノで和らぐ。
この柔らかな時間の中に存在するある種の緊張感や痺れ。
落語の笑いと一緒にしてはいけないかもしれないが、所詮、どちらも人間の感情に訴えかけるものであり、根っこは共通かもしれない。