2021年3月5日金 紀尾井ホール
14時開演 平日の昼間の演奏会。
チケット購入時は平日の昼間であることを認識していたが、2週間ほど前に会場を再確認した時にはすっかり忘れていた。
慌ててスケジュールを確認し、予定が入っていないことに一安心して休暇申請、危なかった。
ショパンの儚くも美しい人生を辿って、と題されたオールショパンプログラム。
曲目をすべて書くのも、とも思ったが、全曲のプログラムは事前には公表されていなかったと思うので、念のために。
前半が
幻想即興曲/ポロネーズ11番/ピアノ協奏曲1番2楽章(ピアノのみ)/12のエチュード第12番「革命」/12のエチュード第3番「別れの曲」/ノクターン20番遺作/バラード第1番
後半が
スケルツォ第2番/雨だれ/ノクターン第2番/ワルツ「子犬」/ワルツ第7番/ポロネーズ第6番「英雄」
アンコールに別れのワルツ。
幻想即興曲から、CFXの太い音を堪能。
事前のチラシなどに演奏曲目が全ては記載されておらず、
「まあ大抵知っているだろう」
と思っていたのだが、見事に1本取られた気がするのがポロネーズ11番。
ショパンが8歳くらいの時に書いた曲だそうだが、お初でした。
ピアノ協奏曲は、今日の演奏会タイトルにピッタリかもしれない。
美しさと、儚さというのか、望郷というかそんな物悲しさを感じる。
オケなしではあるが、下手なオケに邪魔されるくらいならこっちの方が、なんて思えるくらいに曲として成り立っている。
面白かったのはエチュード二曲。この二曲を殆んど間を置かず、あたかもアタッカのごとく、ほぼ連続的に演奏された。全く違う曲でありながら、ショパンのこれらの曲に対する「思い」の共通性に重きを置いて演奏された、ということのよう。
一寸脱線するが、今年になってショパンを聴く機会が、増えてきた、と言ってもCDでの話。
よく聴いているのが、ケンプやバックハウスのショパン。
これがなかなか、良いのである。
美しく聴き映えのするショパン、というよりジンワリと来る。
リパッティやカペルも、もちろんいい。でもこのドイツ音楽の巨塔ともいうべき二人のショパン。
滑らかで華麗でっていうより、ごつごつ、訥々としたところがあるが実に実に素晴らしい。
閑話休題、演奏会に戻る。
もう何度も聴いているノクターンだが、やっぱりいい。CFXにも合っている気がする。そして前半最後のバラード。スケールの大きい素晴らしい演奏。雄大なクライマックス。
前半を聴いていると、CFXってショパンでもスケールの大きな曲にあっているような感じがした。
後半最初のスケルツォ。
ものすごく懐かしい気がした。最近聞いた記憶がなく、本当に懐かしく聴かせて貰った。
そして雨だれ、抒情的な曲ともいえるが、もっと深い哀しみのような背景。
私自身この曲は昔から葬送ソナタと似た感じをずっと持っている。あまり的を射ていないかもしれないが。単調なリズムの繰り返しで緊張感を高め、最後にふっと明るいやわらぎを垣間見る、そんな世界感。
後半になって何故か、CFXの音がより自然に聴こえてくる。耳が慣れたせいなのだろうか。
ノクターン、ワルツと続き、あっという間に、最後の英雄ポロネーズ。で終演を迎える。
しっかりと二時間の演奏会が本当に短く感じた。