パラアーチェリー選手の小野寺朝子さん（48）がブログへの投稿で中傷されたとして、同競技のパリ・パラリンピック日本代表の女性選手（41）に169万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は6日、投稿により精神的苦痛を受けたと認め、約124万円の支払いを命じた。女性選手側は控訴する意向を示した。
判決によると、女性選手は東京大会の代表選考が行われていた2021年1月、同じく代表を目指していた小野寺さんのブログのコメント欄に「悪あがきもほどほどにした方がいいですよ」、「ルール違反していない？してるから言ってるんですけど」などと匿名で書き込んだ。
大久保紘季裁判官は判決理由で、投稿内容は「全くの虚偽」と指摘し、小野寺さんの成績に対して嘲笑的に言及するなど悪質性が高いと判断。「身に覚えのない投稿を立て続けにされた上、投稿者が自身のライバルであると知った精神的苦痛は相当だ」と述べた。
2ちゃんねるを中心とした誹謗中傷投稿は、ある意味一つのネット文化として定着している。
ネット上の誹謗中傷は今に始まった事では無いし、ソレを苦に自ら命を絶ったり、仕事に支障が出ると言う問題は枚挙に暇が無い。
2020年には恋愛リアリティー番組「テラスハウス」の出演者で、死去した女子プロレスラーの木村花（きむら・はな）さん（享年22）の都内自宅マンションから、遺書とみられるメモが見つかっていたことが分かった。
ペ・ヨンジュンのモノマネで一世を風靡したスマイリーキクチは謂れの無い誹謗中傷により、芸人活動に支障を来し、その後「ネットの誹謗中傷の書き込みをされて傷ついている人に「たかがその程度で」と考える人もいます。程度のレベルを決めるのは、やった側ではなく、やられた側が決めます。いたずらとか死ぬとは思わなかったでは済まされない。書き込んだ者は言葉の凶器で命を奪った指殺人の犯人です。もうやめてください」と発言している。
木村花の死去を皮切りに、多くの芸能人、著名人がネットイジメ撲滅に向けてコメントを発表している。
その多くが「芸能人、著名人だって人間。誹謗中傷には誰だって傷付く。何を言っても良いと言う風潮が怖い」と言う事であり、その想いが切実に伝わってくる訳で、彼等も少なからぬバッシングを受けているのだろう。
木村花死去 vs ネットイジメ撲滅のかとぅ
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12599560013.html
木村花、最期の気遣い vs ネットイジメはかとぅまで
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12600268515.html
さて今回、ブログへの投稿で中傷されたパラアーチェリー選手が169万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は同競技のパリ・パラリンピック日本代表の女性選手（41）に対して約124万円の支払いを命じた。
女性選手は東京大会の代表選考が行われていた2021年1月、同じく代表を目指していた小野寺さんのブログのコメント欄に「悪あがきもほどほどにした方がいいですよ」、「ルール違反していない？してるから言ってるんですけど」などと匿名で書き込んだと言う。
被告はパリパラリンピック2024に於ける日本代表選手であるし、開幕を前にしての判決かつ、判決を不服として控訴する意向を示していると言う訳で、もー、何だか具合が悪い。
開示請求を行ってみたら、誹謗中傷を書き込んんだのは、実は身近のライバル選手であったとは、原告女性のショックたるや如何にである。
「変な家」でブレイクしたミステリー作家、雨穴の「告発者」では、ネット上で過去の誹謗中傷を受ける主人公。
「弟の事を見て見ぬ振りをして、殺してしまった兄」として、主人公を追い詰める告発者の正体が実の父親であったのは衝撃的だったが、スポーツマンシップの欠片も無い女性選手の卑劣な犯行をを前にも、同様に言葉が出ない。
パリ五輪に於いては、体操女子のエース宮田笙子選手の飲酒と喫煙による代表辞退。
ブラジル代表女子選手が、同じく代表の恋人とともに許可なくエッフェル塔を訪れ、五輪から即時追放。
未成年レイプで10年前に服役したビーチバレー男子選手は、試合中にも関わらず観客からブーイングの声が上がった。
やはり、国家の代表として闘うオリンピアンには、競技成績だけでは無い人間性も求められるモノである。
またパリ五輪では、SNS上で選手や審判への誹謗中傷が相次いでおり、IOCも言及せざるを得ない大きな問題となっている。
その意味では今回SNS上で誹謗中傷行為を行った女性選手は、何の弁解も出来ないし、このまま日本代表として出場してしまうと、更なるバッシングに晒される事になるだろう。
要するに非常にリスクが高い状況にある訳で、残念ではあるが、即刻その様な場から離れるべきである。
かつて勝ち残る為、また代表の座を得る為に、ライバル同士が足の引っ張り合いをするスポ根マンガは有ったが、現代に於けるライバルはお互いを高め合う存在である。
足を引っ張り合う事も許されないし、増して匿名で誹謗中傷する事など、スポーツマンの風上にも置けない卑怯者である。
だから少なくとも、控訴は辞めておきたまえ。
これ以上、五輪代表選手が名を落とすのを見るのは、中々辛すぎる。
かとぅ