恋愛リアリティショー『テラスハウス』最新シーズン「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」に出演中だったプロレスラー・木村花さん(享年22)が、亡くなったことがわかった。
ネット上で木村さんへ心ないコメントを寄せていた人たちが次々とアカウントを削除している。
同日のInstagramのストーリーズで木村さんは「さようなら。」という言葉を投稿。
ネット上には心配する声が多数書き込まれていた。
木村さんは「テラスハウス」にて、自身のプロレスの衣装を誤って洗濯されてしまったことでメンバーと衝突。
この“コスチューム事件”をきっかけに批判の声が増加し、SNSなどでは誹謗中傷に苦しむ胸の内を発信していた。
木村さんの死去後、こうした“アンチ”アカウントは次々と削除されている。
コロナ禍もある程度の落ち着きを取り戻し、人々が街を出歩いている。
行政は感染第二波を警戒し、警戒は続ける様求めているが、5月も末に差し掛かり、長かった自粛も終わりに差し掛かっているのを実感する。
世界から非難される「自粛せよ。マスク2枚は出すが、金は出さない」と言う実に馬鹿げた日本型コロナ対策に、多くの事業者はよくもまあ耐えてくれたモノだ。
コレで新型コロナ問題が収束するなら、私は心から日本国民を誇りに思おう。
…とは言え、自分自身は何処かに行くと言う事も無く、車で近場の買出しである。
道も混んではいるが、市民による経済活動再開は喜ばしい事として受け止めている。
三蜜排除の上、安全第一にお過ごし頂きたい。
…などと、のほほんと思っていた時に、入って来た速報メールに驚く。
「木村花さん死去」
あー、元宝塚娘役として人気を博した木村花さん(86)ね。
一時代を創った往年のスターが亡くなるのは寂しいが、その大往生に敬意を払い、さあ買出し買出し…、と愛車「ブガッティ・ラ ヴォワチュール ノワール」のエンジンを吹かしたが、いや何だ?この胸騒ぎは…?
そう、私は彼女を良く知っている。
女子プロレスラーの新星としての戦績は然程存じ上げないし、増してやテラスハウスなど一度も拝見してはいないが、アイドルレスラーとして類稀なる美貌と、その人柄に魅かれ、私は木村花の情報はチェックしていたのだ。
アイドルと言えば、生駒ちゃんか元KARAの知英(ジヨン)程度しか知らんが、間違い無く木村花はアイドルとして好きだった。
そう思ったのが2017年10月、木村花デビュー後、20歳当時の「プロレスTODAY」インタビュー記事を拝見してである。
もう、彼女の人となりが存分に出ており、完全にノックアウトされてしまった。
その幾つか紹介させて頂きたい。
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インタビュアー:花さん。本名ですよね。素敵な名前です。
木村:9月3日生まれなのですが、予定日は8月でした。「ひまわり」と名前も決めてあったそうですが、9月生まれで「ひまわり」はどうかな? となって「花」になったんです。
インタビュアー:お母さま(木村響子選手)とは、どんな関係ですか?
木村:周りからは「お友達みたいだね」と言われるんですが、ずっと一緒にいるとケンカになってしまうんです。昔は、モノは投げるは、つかみ合う激しいケンカもありました。今はそこまで激しいケンカはしないですけど、何事でも「お母さんに負けたくない」と思ってしまうんです。
インタビュアー:Pro-Wrestling ACE-Vol.7-」~プロレス総合学院4期生卒業試合~では、志田光選手との一騎打ちです。
木村:初めての志田選手とのシングルマッチ、すごく楽しみです。ミサイルキックで吹っ飛ばします!
※プロレスTODAYより引用
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2年以上も前の記事にはなるが、もう木村選手の瑞々しさというか、気持ちの良さ、相手を思いやる心が、この短い文章からも窺い知れるでは無いか!
アイドルが何かはよく分からんが、木村花こそがアイドルだ。
そうでなければ連ドラのヒロインである。
恐らくご両親の教育や支えを受けて、真っ直ぐに成長されたのであろう。
訃報を受けた今、改めてインタビュー記事を拝見したのだが、コレからスターダムにのし上がる輝きに満ちた彼女の姿が、逆に永遠にソレを失ってしまった現実に打ちのめされる次第である。
私が木村花をアイドルとして好きになった理由も明確である。
「将来実現させたいと思っている事柄」が明確であり、その為の努力を絶やさず、夢の実現に向かい着実に歩んでいたのだ。
木村花の夢は先のインタビューにも書かれている。
木村:「プロレス界」と「プロレス以外の世界」をつなげる選手になれたら、と考えています。今、パンクラスのラウンドガールをやらせてもらったり、少しだけグラビアをやりました。将来は「格闘界」「芸能界」など色んな、ありとあらゆる世界と「プロレス界」の架け橋になれたら嬉しいです。
その夢に向かい、彼女は本業であるプロレス以外の芸能活動にも積極的に取り組み、グラビアや恋愛リアリティショー『テラスハウス』にも出演したのだろう。
”恋愛リアリティショー”が果たして何を指すのかは分からないが、彼女が誹謗中傷を受けるきっかけとなった「コスチューム事件」も、番組内の演出があった訳で、彼女本来の姿では無い。
”恋愛リアリティショー”なのだ。
そして、演出されたショーをエンターテインメント化する為には、事件を起こさなければならない。
彼女自身に怒る演出が有ったか、もしくはコスチュームを洗ってしまった男性出演者に演出が有ったか、何れにせよ、波風を立ててドラマに仕立てたのだ。
番組は一切拝見していないが、事件当時にニュースサイトを拝見して「木村花、嫌われ役を買って出るなんて、本当に良い子なんだなぁ」と思った次第である。
かつての輝きを取り戻さんとする「プロレス界」に於ける超新星として、木村花はありとあらゆる世界との架け橋となる筈であった。
プロレス界のみならず、今尚新型コロナの影響により、夢や先行きを見出せない多くのアスリートの代弁者として、断絶せざるを得なかった繋がりを修復する役割も持てた筈である。
そのきっかけの一つとして彼女や所属事務所は、恋愛リアリティショーである『テラスハウス』を活動の場として選択したのだ。
恋愛は多くの人々に当てはまる普遍的な感情であり、人間としての素晴らしい価値である。
多くの若者の共感を集めるであろう恋愛リアリティショーを通して、彼女の活躍の場は更に広がる筈であった。
”女子プロレスラー”として出演する事で、若い世代がプロレスに興味を持ってくれるかも知れない。
プロレスラーだって恋もするし、みんなと変わらない事を知ってもらいたい。
そんな彼女の気持ちが伝わってくる。
しかし現実には、恋愛ショーに於ける演者としての演技を「コスチューム事件?許せん!」として、「死ね、気持ち悪い、消えろ」などと、毎日100件近くの誹謗中傷を書き込まれる。
”恋愛リアリティショー”として番組のクオリティが上がる程、実在する出演者への好感も反感も大きくなる訳で、『テラスハウス』の演出は、未来ある女性の人生を失わせる程にハイクオリティだったのだろう。
木村花を死に追いやった犯人は、SNS等で直接的に誹謗中傷を書き込んだ大馬鹿者共である。
木村花の死を無駄にしない為にも、世界の大統領として徹底的な捜査の実施を約束しよう。
しかし、その犯行の背景には、視聴者を誹謗中傷に狂わせる迄の、余りにクオリティの高い”恋愛リアリティショー”を演出した『テラスハウス』の存在があり、彼等の誹謗中傷から彼女を守れなかった事務所関係者にも責任は有る。
そして何より、ネットイジメに対する適切な対策を打って来なかった我々にも、少なからぬ責任は有る。
我々は今こそ、ネットイジメに対して、毅然と立ち向かわなければならないのだ。
今は遺された飼い猫に対して、彼女が最期に祈った「愛してる、楽しく長生きしてね。ごめんね」との書き込みが現実となる事を、ただただ祈ろう。
木村花さん、安らかに。
かとぅ