鳥山明先生と私 | katoo the world

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「ドラゴンボール」、「Dr.スランプ」などで知られる漫画界のレジェンド鳥山明さんが、急性硬膜下血腫で死去したことが分かった。68歳。週刊少年ジャンプの公式サイトで発表された。
鳥山氏は3月4日、読切作品「SAND LAND」プロジェクト発表会を開いたばかり。また今年秋には完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA(ダイマ)」が公開されると発表されていた。

訃報の発表を受け、「SAND LAND」の公式サイトも「鳥山明先生のご逝去の報に接し 謹んでお悔やみ申し上げます。『SAND LAND』ではさまざまなお力添えをいただいておりました。生前のご功績を偲び 心からご冥福をお祈りいたします」と追悼した。

鳥山さんは1955年4月5日生まれ、愛知出身。1978年に集英社「週刊少年ジャンプ」52号で読み切り作品「ワンダーアイランド」でデビュー。その後「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」と大ヒット作を生み出し、いずれもテレビアニメ化、映画化され、国内のみならず世界的に愛された。漫画のみならず、「ドラゴンクエストシリーズ」などのゲームのキャラクターデザインなど幅広く活躍した。

鳥山明先生が亡くなった。

現代を生きる地球人同様に、幼少期より毎日の様に先生のコミックやアニメを観て、ドラゴンクエストをプレイして、ドラゴンボールの新作映画を観ていたら、何時の間にか人生の半ばを過ぎ、そんな我々をみて「君たちはもう大人だ。後は好きに生きたらいい」などと言いたげに、フッとこの世から先生は消えてしまった。

突然の知らせに哀しみは有るが、然程驚きはしなかった。

ソレは世界中に余りに多過ぎる夢と興奮と感動を与えてくれた先生に対する、感謝と言うか、慰労と言うか、もう後はゆっくりお休みくださいと言う気持ちが、驚きよりも強い。

1984年11月から1995年6月迄週刊少年ジャンプにて掲載された漫画「ドラゴンボール」。
単行本の発行部数は完全版(2000万部)を含み国内で1億6000万部以上、全世界累計で2億6000万部を記録し、今尚売れ続けている。

私自身、連載当時のコミックス版に併せて、完全版も所持しており、天下一武道会編に於いては旅行先で買ったタイ版迄所有している。

偶然ではあるが、今年になり実家の古びた本棚からドラゴンボールの単行本をサルベージした。
連載当時は魔人ブウ編前後で購入を止めてしまったのだが、ごく最近全巻揃える事に成功した。

ウーロンが神龍よりギャルのパンティーを貰ったあたりまでを再読したのだが、今読んでもその画力に脱帽である。
一コマ一コマがキラキラと輝き、実に愛おしい限りだ。

大きなストーリーとしては…

・摩訶不思議アドベンチャー編
・天下一武道会編(vsジャッキー・チュン)
・レッドリボン軍編
・天下一武道会編(vs天津飯)
・ピッコロ大魔王編
・天下一武道会(vsマジュニア)
・サイヤ人襲来編
・ナメック星編
・人造人間~セル編
・魔人ブウ編

…だと認識しているのだが、Dr.スランプアラレちゃんの以前から鳥山明のファンであった私にとって、初期の愛おしさは格別である。

味方も敵も一癖二癖あるキャラクターばかりで、特にクリリンが好きだ。
敵役としては桃白白の恐ろしさに当時半ズボン少年だった私も震えた。

ピッコロ大魔王~マジュニア辺りから、バトル漫画としての様相が増えて来たが、ピッコロ大魔王は恐ろしいだけで無く、お茶目な一面も多々有り、実に魅力的である、と書いてから思ったのだが、コレは神様の方だったかも知れない。

天下一武道会に於けるマジュニアとの闘いに勝利し、幼馴染であるチチと結婚する伏線回収もニヤついてしまう。
あんな田舎の娘っ子が美しい女性に成長していたなんて、全ジャンプ少年がクリリンと共にスネたモノだ。

鳥山明本人は後に、ドラゴンボールは此処で完結する予定だったと語っている。
テレビアニメでは此処までがドラゴンボールであり、その後はドラゴンボールZと名称変更される。

作品全体の完成度を考えると、私とて此処で終わるのが良かったとも思うが、「サイヤ人?何じゃらホイ?」と取り残された私ではあったが、此処からの超決戦バトル漫画としてのドラゴンボールも大好きだ。

悟空とピッコロの共闘に興奮し、御飯とピッコロの師弟修行に初期の亀仙流を思い出し、ベジータ&ナッパの圧倒的な力に恐怖し、御飯を護り死んだピッコロに涙し、怒りの余りに御飯の放った渾身の技が魔族の技“魔閃光”であった事に、また泣いた。

私の人生の中で知り得る限り、私が最も泣けるシーンだ。
何なら、思い出して今泣いている。

そして、クリリンと共に「悟空~っ!早く来てくれ~!」と、絶望の中叫んだのだった。

ベジータ撃退の後、そして遂に我々の前に姿を現したのが、フリーザ様である。
私がドラゴンボールで1番好きなキャラクターであり、今や実際に私の事をフリーザ様と言う者まで現れる始末。

ホッホッホ…、 おー、よしよし。
今のは痛かった…痛かったぞーーー!!!

ちなみにライブ会場に於ける私へのヤジランキングは下記。

あばれる君:96%
フリーザ様:2%
デーモン閣下:1%
RIP SLYMEのSU:0%

賢明なる読者諸氏には、今後RIP SLYMEのSUにも着目頂きたく思う。

さて、人造人間~セル編冒頭に、一命を取り留めサイボーグ化したフリーザ様とその父親コルド大王が復讐を果たしに地球に襲来するのだが、未来からやって来たと言う謎の青年トランクスにより瞬殺される。

この時点で、き…切れた。ぼくの体の中で何かが切れた…決定的な何かが…。

なので、それ以降のドラゴンボールは読んではいるが、語れる程の事では無い。

オリジナルシナリオアニメ「ドラゴンボールGT」は拝見しなかったが、デジタルリマスター版アニメ「ドラゴンボール改」は迫力の増した映像に痺れた。

しかし特筆すべきは劇場版『神と神』、劇場版『復活の「F」』を挟んだ、2015年発表の完全新作「ドラゴンボール超」である。

原作・原案は鳥山明が担当するが、漫画版の作画は”とよたろう”なる人物が手掛ける。

全地球人が「とよたろう?だれだろう?」となったが、実はこのとよたろう、鳥山明の大ファンで何でもドラゴンボールの非公式二次創作、所謂”同人誌”を書いていたと言うのだから驚きだ。

いやはや、結成40周年を迎えたアメリカを代表するロックバンド、ジャーニーが、ジャーニーの大ファンであるフィリピン人ボーカリスト、アーネル・ピネダを正式メンバーとして加入させた様なモノか!?

「ドラゴンボール超」は鳥山明のプロットを基に、とよたろうがネームを上げ、最終的に鳥山明により手直しされていると言う事なので、実に”リアル・バクマン”と言うに相応しい絶妙の師弟関係である。

そして、この”とよたろう”による鳥山明とは一風異なる、「そ、そこまでやるか…」と言うギャグセンスが凄い。

ドラゴンボール超の主人公は、間違い無くベジータだ。

理不尽に、幾重にも降り注ぐ困難を前に、八面六臂の獅子奮迅。
生涯働かない悟空に対して、王子であるベジータは民草の為に、心を燃やしその責務を全うする。

丸でディズニーミュージカルの様にベジータが歌って踊る「楽しいビンゴ」。

「タコタコタコタコタコタコタコタコタコタコタコタコタコォーッ!」と、北斗神拳を超える連打でたこ焼きを焼き、「たこ焼き、ピラミッド盛りです」(シュタッ)とビルスに供するベジータ。

「この戦い、最後まで必ず見届ける」と腕を組み、厳しい表情のベジータは何故かおしゃぶりをくわえている。

最早、ベジータで遊び過ぎ。
みんな大好きベジータ様。

ソレもコレも、共に宇宙一の強さを求めるカカロットに常に今一歩及ばず、それでも純粋に、ひたむきに努力を続けるベジータに、多くの共感が集まるからである。

時に「ビンゴ!ビンゴ!ビンゴ!楽しいビンゴ !(ハッ!)地球は楽しい~と・こ・ろだ よ~!ごーはーんもーおーいしーい!楽しいビンゴ !楽しいビンゴ !(エイッ!)」と歌い、「今すぐ!カリッカリ!ふわっふわ!をお持ちしますからねえぇー!!」とたこ焼きを焼き、ドン引きする息子トランクスの前でも躊躇無くおしゃぶりをくわえる。

しかも、嫌々やるのでは無く、腹を括って、全力でやるベジータが実に格好良いのだ。

「がんばれカカロット...おまえがナンバー1だ!!」

八重洲地下街のジャンプショップで拝見した、ベジータの大判ポップに驚く。

「何だよ、このポップ!ベジータ台詞に変な事書いてるんじゃ無いよ!」と、単なるイタズラだと思っていた。

しかし、何かが引っ掛かり、ネットで調べてみた所、魔人ブウ編のラストで、ベジータが本当に言ったセリフなのであった。
その瞬間、私は電車内であったにも関わらず、涙が溢れて仕方が無かった。

実に潔い。
男とは、こう在りたいモノだと、熱く思ったのだ。

ドラゴンボールと私
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12412902568.html

さて、鳥山明先生が逝去た今想うのは、「先生自身が自らの死を全く予想していなかったのではないか?」と言う想いだ。

訃報を聞き、私自身は「突然の知らせに哀しみは有るが、然程驚きはしなかった」と先述したが、先生自身は「エ?アレ?ココ、ドコ?…エ?閻魔様ァ!?蛇の道ィ!?」と誰よりも驚いている事だろう。

天界でのその御姿はトレードマークであったガスマスクロボか、地球の神が第23回天下一武道会に正体を隠して出場した時の仮の姿であるシェンで、脳内再生が容易である。

2023年の新作映画「SAND LANDディレクターズカット版」の発売を控え、2024年秋には鳥山明が原案を手掛ける新作アニメ「ドラゴンボールDAIMA」の公開が始まる。

今では自ら漫画を描く事は無くなったが、未だ未だ溢れんばかりのアイデアをクリエイティブし、世界を熱狂させ続けたかった筈だ。

しかし、鳥山先生の事。

天界に於いても蛇の道を渡り、ナメック星に辿り着いて、「そ、そうだったのか…道理で他のみんなとちょっと違うなー…と…」などと、神様よろしくトボけた事を言っているのだろう。

世界中のファン同様、「Dr.スランプ」、「ドラゴンボール」、「ドラゴンクエストシリーズ」と、私の人生は鳥山先生に導かれ、何とか此処まで来る事が出来た。

そして今後も貴方の背中を追った後進が、更に素晴らしい感動を生み出してくれる事だろう。
先生の生涯に誠心誠意の気持ちを以て感謝差し上げたい次第だ。

鳥山先生、ありがとうございます!
そして安らかに!

鳥山明先生のご冥福を、心よりお祈りいたします。

かとぅ