お笑いタレントの厚切りジェイソン(37)がABCテレビ「これ余談なんですけど…」(水曜 後11・17)に出演し、テレビ朝日系のクイズ番組「Qさま!!」について疑問を呈した。
ジェイソンは「Qさまは結局、ものごとを暗記できてるかどうかのチェックみたいなもんでしょ。論理的思考とか何も問われていないんですよね。どのくらい丸ごと暗記できたのかというだけでしたら、それは高学歴と言うんですか」と語ったもの。
それを聞いたお笑いタレントのこがけんは「多くの高学歴芸人と呼ばれている人は、いい大学を出ているんですけど、一度も働いたことがない人なんですよ。だからいい大学を出て、いい学士とか持っているのに、それを活用しようとしない。何で取ったんですか?人に見せるために取ったんですか?」とさらに疑問を投げかけた。
松本人志騒動に揺れるお笑い業界だが、ダウンタウンの齎した笑いの革命の数々には、かつてコントチームを結成し、お笑い芸人を目指していたこの私かとぅとて、騒動の真偽は別として、未だ畏怖の念に堪えない。
ダウンタウンの齎した笑いの革命の一つに、「お笑い芸人は最も格好良い職業」と社会に認知させた事が有る。
チンピラの様な勢いで捲し立て、シュールかつ切れ味鋭いボケとツッコミで、ずば抜けたインテリジェンスとトンデモ無くスタイリッシュなお笑いを生み出す。
多くのお笑いファン同様に、子供時代に「夢で逢えたら」で観たダウンタウンの衝撃を未だ忘れる事が出来ない。
当時とんねるずが全盛ではあったが、お笑いの完成度はさて置き、格好良さという意味ではダウンタウンの圧勝であった。
「笑われる」から「笑わせる」への、明確なパラダイムシフトが其処にはあった。
時は流れ、お笑い芸人の仕事の幅はトンデモ無い領域にまで広がっている。
CM、ドラマ、映画監督、司会、モデル、コメンテーター、声優、グラビア、スポーツ、通販番組、作家、料理家、画家…と、お笑い芸人が絡まない分野を探す方が難しい。
特に帯番組の司会をホンジャマカの恵俊彰や、極楽とんぼの加藤浩次が担当する様になり、「まー、時代は此処迄来たか!」と感嘆した次第だ。
特に2019年、吉本闇営業問題当時の極楽加藤の「大﨑会長が辞めないなら俺は吉本を辞める」との涙の訴えは、実に心に響くモノとなったし、加藤の発言で吉本も随分救われたのでは無かろうか?
騒動後は専属エージェント契約という形でタレント活動を続けた加藤だが、2021年3月末に吉本とも契約解除。
2006年4月から17年に渡り、加藤がMCを務めたスッキリも、2023年3月に惜しまれつつ打ち切りとなった。
そんなお笑い芸人の台頭について、今回お笑いタレントの厚切りジェイソンがクイズ番組「Qさま!!」や高学歴芸人に疑問を呈したと言う。
「Qさま!!」に於いては、京都大学卒のロザン宇治原と同志社大学卒のカズレーザーとの苛烈なる頭脳戦が著名だが、高学歴芸人はそれ以外にも多数存在している。
広島大学卒の田中卓志、千葉大学卒の大久保佳代子、東京外国語大学卒の光浦靖子、早稲田大学卒の上田晋也、慶應義塾大学卒の中田敦彦、明治大学卒の藤森慎吾、慶應義塾大学卒のふかわりょう辺りが著名だが、早稲田大学卒のひょっこりはん、大分大学卒のサンシャイン池崎、関西学院大学卒の笑い飯・哲夫、慶應義塾大学大学院卒のお嬢様芸人たかまつななあたりも、特筆に値する高学歴芸人である。
個人的には上智大学卒のお笑いコンビ・ラランドが神懸った笑いであり、活躍の多彩さも含めて孤高のカリスマ性まで纏っているのが凄い。
今回、問題提議した厚切りジェイソン自身も17歳でミシガン州立大学に飛び級で入学し、卒業後イリノイ大学大学院を卒業している超高学歴芸人である。
ITベンチャー企業の役員として働きながら、タレント業も精力的に行っており、近々では投資に関する著書も複数発表。
お笑い芸人の枠に留まらない活躍をみせる。
そんな彼だから、日本の高学歴芸人に疑問を抱くのも無理は無い。
お笑いタレントおいでやすこがのこがけんも「多くの高学歴芸人と呼ばれている人は、いい大学を出ているんですけど、一度も働いたことがない人なんですよ」と言っている通り、その学歴を不意にしている芸人も実に多い。
幼少期から天才と称され、名門私学幼稚園に入学しながらも、エスカレーター式で入れる筈の高校に不合格となり、その後20年に渡り地下芸人として地の底に潜り続けた孤高のピン芸人永野や、青山学院大学を卒業しながらも就職に失敗して、3年間ニートとなった「春とヒコーキ」の土岡哲朗の独白を聴くに、高学歴だからこその拗らせと言うのも、間違い無く存在する。
ただ、私が思うのが、「高学歴者がお笑い芸人をやっている」のでは無く、「お笑い芸人だから高学歴者」と言う事だ。
学歴など無くとも天才肌の芸人もいるが、少なくとも学業すら修められない者に、お笑い芸人と言う超上級職が務まる筈も無かろう。
ソレは最早「ゲイだから美容師」から、「美容師だからゲイ」と、認識のパラダイムシフトが起きた事に等しい。
お笑い芸人もその芸風こそ多岐に渡るが、如何なる状況に於いても呼ばれた時間に行き、理不尽な依頼であっても笑いと言う責務を果たし、金が入らなくてもその道を信じて芸人を続ける。
規律に則り結果を出さなければならない職務を前に、「楽したい」などと言う生半可な覚悟では務まらず、熾烈な受験競争に勝ち抜く程の高学歴者でしか成し得ないお笑い芸人である。
ソレは実に「知識・技能」、「思考力・判断力・ 表現力」、「主体的に学習に取り組む 態度」と言う、日本式学校教育の賜物である。
近々ではごみ清掃員を兼務するマシンガンズ滝沢や、税理士を兼務するGパンパンダ星野、シロノクリニック恵比寿院にて医師を兼務するしゅんしゅんクリニックPと言った、異色の芸人もいるが、その逆に”お笑い芸人”に拘る芸人が殆どだろう。
ソレはそうだ。
「お笑い芸人は最も格好良い職業」なのだ。
だから、此れだけ苛烈な仕事であれ、売れる可能性など万に一つも無くとも、お笑い芸人を目指す者が後を絶たないのだ。
厚切りジェイソンが「高学歴を投げ打って迄、芸人やらなくて良いでしょ?」と言っているかは存じ上げないし、ITベンチャー企業の役員として働きながらマルチタスクに活躍しているのは、本当に凄い事だと思う。
だが私は、厚切りジェイソンのネタ「WHY JAPANESE PEOPLE!?」が好きだ。
爽やかに現れた外国人が、何故だか日本の文化に精通しており、日本人の性質にいきなりキレる。
この完成した芸を、もっと頻繁に見たい。
ITベンチャー企業の役員や投資コンサルタントなど、「WHY JAPANESE PEOPLE!?」前にしたら時間が勿体無いとすら感じてしまう。
今一度、お笑いタレント厚切りジェイソンとしての活躍を期待したい。
後、気掛かりなのが超新塾アイクぬわらだ。
ワシントン州の私立工科大学入学。2年飛び級し、20歳で卒業。
その後、来日してからは外国資本外資大手証券会社ゴールドマン・サックスでデータセンターエンジニアとして勤務した異才。
超新塾、ぬわらし、ピン活動と芸人としての幅を広げながらも、あと一歩及んでいない現状に他人事ながらヤキモキが止まらぬこの私かとぅ。
私にアイクぬわらを売れる力が有ったなら…。
是程迄に己の非力を呪った事は無いッ!
「TVチャンピオン極」にて、黒人戦国武将と言う謎のMCを務めるお笑い芸人「超新塾」のアイク・ぬわらによる「カッコいい日本語の言い方」は、オーソドックスなフォーマットに則りながら、その良い声と絶妙なる間を取り入れたお笑い技術により、芸術と言える笑いの粋を垣間見た想いだ。
「吾輩は」を「ヨガファイアー」と、アノ声で言ってくれるアイク・ぬわらをズッと観ていられる。
先述の「TVチャンピオン極」では、唐突に良い声で「NICE!」、「CRAZY!」などと切り込んでくるのが堪らないが、残念ながらそのポテンシャルを十分に活かし切れていないアイク・ぬわら。
厚切りジェイソンとはまた一つ切れ味の違う、外人お笑い芸人アイク・ぬわらの動向から目が離せないが、もうそろそろブレイクして頂きたい次第だ。
2018ユーキャン新語・流行語大賞 vs アイク・ぬわらブレイク祈願かとぅ
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12423991555.html
素手でクマに勝てるアメリカ人 vs アイクぬわら vs カンガルー vs かとぅ
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12747119467.html
しかしながら2023年8月、テレビ東京は『おはスタ』からのアイクの降板を発表。
その後、週刊文春が『おはスタ』で共演している未成年のおはガールを自宅に連れ込んだと言うアイクの不祥事を報道した。
そんな暇が有ったら、先輩であるおぎやはぎ矢作とのYouTubeチャンネル「矢作とアイクの英会話」に早々に復帰したまえ。
トンツカタン森本が代役を務めてはいるが、やはりアイクが良いし、チャンネル名も「矢作とアイクの英会話」のままだ。
皆、アイクの復帰を心待ちにしている。
かとぅ