JR山手線の車内で女が刃物で男性4人を刺すなどした殺人未遂事件で、女が「人を殺そうと思った」と供述していることが分かった。
東京・千代田区のJR山手線の車内で20代の女が刃物で、乗客の男性4人を刺すなどしてけがをさせ、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたもの。
警視庁の警察官が駆けつけ、JR秋葉原駅に停車中の山手線の車両内で女の身柄を確保した。
警視庁によると40代の男性は左胸、60代の男性は背中、30代の男性は右腕を刺されるなどして重傷、30代の男性も軽傷を負っているが、いずれも命に別状はないということ。
全く2024年はどうなってしまうのだろうか?
1月1日:能登半島地震
1月2日:羽田JAL機衝突事故
1月3日:北九州小倉”鳥町食道街”火災
そして1月4日。
JR秋葉原駅の山手線内で20代女性による無差別刺傷事件が発生してしまった。
実に恐ろしい事だが、無差別殺傷事件自体は今や然程珍しい事では無くなってしまった。
とは言え、20代女性による凶行となると中々聞いた事が無いが、何れにせよ、私は是等の無差別殺傷事件と言うのが実に震える程に不愉快だ。
2019年7月、アニメ制作会社「京都アニメーション」の第1スタジオに男Aが侵入し、ガソリンを撒いて放火したことで、Aを含む70人が死傷した京都アニメーション放火殺人事件。
戦争を除く、明治時代以降の事件において日本で最多の犠牲者数となったこの事件も、重度の火傷で昏睡状態にあった被告人の回復を待ち2023年から公判が開始された。
インターネットの匿名掲示板を通じて、「京アニの女性監督」とやり取りを交わし(後に本人に成りすました偽物と判明)、恋愛関係にあるとの妄想に取り憑かれた被告人だったが、自分の作品が認められず、「京都アニメーションに応募した小説からアイデアを盗まれた」、「人生がうまくいかないのは京都アニメーションのせい」、「社員も連帯責任で同罪」という無茶苦茶な恨みによる復讐であった。
2023年12月、検察は被告人に死刑を求刑した。
判決は2024年1月に宣告される予定である。
京都アニメーション放火初公判 vs ”無敵の人”救済措置のかとぅ
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12819330809.html
2008年秋葉原無差別殺傷事件では7人が死亡、10人が重軽傷を負った。
2トントラックで歩行者を撥ね飛ばし、道路に倒れこむ被害者の救護にかけつけた通行人・警察官ら17人を所持していたダガーで立て続けに殺傷したと言う、日本史上最悪の通り魔事件だが、犯行動機は「派遣社員として働く悩みや苦しみをサイトの掲示板に書き込んだが、誰も心配してくれない。工場に出勤し更衣室に行くと、作業着が見浸からず、自分と言う存在が殺されたと感じた」と言う、個人的な不満や怒りを、見ず知らずの人々への無差別殺傷で解消しようとする典型的な無敵理論である。
2011年死刑判決が下り、2022年執行された。
2015年6月、東海道新幹線車内で71歳の男が焼身自殺を図り、火災が発生した東海道新幹線火災事件では巻き添えとなった52歳女性が亡くなった。
自殺した男の姉は「自殺の原因はギャンブルによる借金だと思う。追い詰められていたんじゃないか」と話していると言う事で、実に身勝手な犯行だし、社会への報復と、ある種の自己顕示欲があり、最後に一花咲かせ自分の存在を世間に知らしめたいとの歪んだ願望を果たしたという、無差別殺傷では無いが、他人を巻き込んだ自死程、身勝手なモノは無いと実感した事件である。
2021年には映画「ジョーカー」を引き合いに出す、自暴自棄となった無敵の人による”ジョーカー事件”が多発した。
2021年8月に発生した小田急線刺傷事件では当時37歳の男が、自分は「貧乏くじ」を引いていると考え、幸せそうな女性に敵意を抱き、女性を標的にした無差別殺人を思いつき、事件を起こした。
20歳の女子大学生の胸や背中を刺して全治およそ3か月の大けがを負わせたなど、乗客3人に対する殺人未遂や窃盗を働き、懲役19年の判決が下った。
同年11月にはいみじくもジョーカーの仮装をした24歳男による京王線無差別刺傷事件では、「6月頃に仕事で失敗し、友達関係もうまくいかず、死にたかった。2人以上殺せば死刑になると思った。誰でもよかった」として、刃物で他の乗客を切りつけた上、液体を撒いて放火し、18人が重軽傷を負った。
男には懲役23年の判決が下ったが、その後も九州新幹線内で69歳の男がオイルを床に撒き、ライターで着火するなど、模倣した事件が発生し、社会に大きな影響を与えた。
是等、無差別殺傷犯に共通して言えるのは「社会により見捨てられた自分は被害者だ。どうせ死ぬならば、自殺では無く、一人でも多くの幸せな者を殺して死刑になる。自殺は怖いし、何よりソレが是迄俺を苦しめた社会に対する復讐だ!」などと言う身勝手かつ、歪んだヒロイスティックにある。
今後、山手線無差別刺傷事件に於いても、犯行に至る理由も詳らかにされて行くのだろうが、まー、そんな理由などどうでも良く、身勝手にも程が有るナンセンスな犯罪だと断ぜずにはいられない。
不謹慎を承知で書かせて頂くが、殺傷事件に至る正当な理由が有るならば、せめてその原因となった者を殺傷したまえ。
秋葉原無差別殺傷では母親からの虐待が犯行理由とされていたが、何故母親で無く、無関係な方々を殺傷したのか。
小田急線刺傷事件では食料品店における万引きを女性店員から摘発された事が犯行理由とされていたが、何故店員で無く、無関係な方々を刺傷したのか。
京王線無差別刺傷事件では仕事で失敗し、友達関係も上手く行かない事が犯行理由とされていたが、何故友達で無く、無関係な方々を刺傷したのか。
自ら死を望む程の問題にすら向き合わず、解決する事無く逃避して、無関係な方々を殺傷する事で恨みを晴らす…。
結局、最期まで逃げ続けるその姿勢に、私は怒りを禁じ得ないのであった。
無差別殺傷の連鎖 vs 映画「ジョーカー」
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12709295297.html
ただ、是迄の無差別殺傷事件に比較して、今回の山手線無差別刺傷事件は、更に深い闇を感じずにはいられない。
凶行に及んだ20代女性は、長い黒髪にロングコート、真冬にも関らず素足にスリッパを履くと言う異様な姿で、男性のみを狙い、黙々と刃物を振り回したと言う。
反対側のホームにいた人は「髪が長くて、表情も一切見えなかった。ヤバい…。ヤバすぎるでしょ…」と話した。
背中に悪寒を感じ、思わず振り返ってしまう。
そう、私はこの女を知っている。
学生時代、ほんの出来心から関係を持ってしまった女性がいた。
今や名前すら思い出せないし、本気で付き合う気など更々無かった碌でも無い私ではあったが、別の女性宅から深夜に帰宅した所、私の居住するアパートのドアの前に、独りの人影が見える。
身の危険を感じる。
本能がそう告げている。
かなり遠くで気付き身を翻したのだが、バイクで帰宅していたのでライトでバレたかも知れない。
冬場で寒意にも関らず、こんな深夜に待っていると言う事は、果たして何時からこの様な状態で待っていたのか?
更に恐ろしいのは、此の侭、何時まで待ち続けるつもりなのか?
パニックになりそうな自らを制し、決して振り返る事無く、息を殺して大通りまでバイクを押す。
途中で女の笑い声が聞こえた気がするが、目を深くつぶり、心の中で「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ…、ユルシテクダサイ…」と繰り返す。
その夜は友人宅にお世話になり、そのまま家に戻らず大学へ向かう。
夕方、遠くから慎重に、ドアの前やアパート周辺に、誰もいない事を確認してから自宅に戻る。
ドアに落書きや鍵穴への嫌がらせなどは無い感じでホッとしたのだが、郵便受けに一枚の手紙が入っている。
「キョウ、ナンジニカエル?」
うん!今帰ったよ!
…などと言える筈も無い。
何時に帰るかを手紙で聴かれた所で、答える術も無い訳で、この手紙が意図する事が分からないのが恐ろしい。
「あの…」
ヒャイ!?
変な声が出た。
後ろから大家さんだヤメテクレ…。
「女の子がズーッと待っとったんで、心配して声かけたんだぁ。あんな良い娘、待たせちゃいかんよぉ。またスグ来るって言っとったよ。ほれ、アソコ…」
大家さんが私の背後を指差すが、私は絶対に振り返る事は出来なかった。
かとぅ