NHKのニュースで取り上げられた若い女性の家計簿をめぐり、議論が巻き起こっている。
「ニュースウオッチ9」の特集でコロナ禍によって多くの企業が冬のボーナスカットに踏み切る中、ローン返済に追われる人たちの不安に迫るという内容だった。
そこで取り上げられたのが、都内の企業で働く25歳の女性。
大学進学のために借り入れた奨学金600万円を毎月3万円、40歳まで返済する計画だが、コロナ禍での残業時間減少に伴う収入減と冬のボーナス無支給が直撃し、女性は「奨学金破産している人のSNSとか見てると、自分もそうなるのかなっていう恐怖みたいなものがすごくある」と不安を口にした。
女性は家計簿を付けており、「給料21万円」に対する、家賃(7.5万円)や光熱費(1.5万円)、そして食費は「5万円」と書かれていたが、女性の食費が5万円であることに対し「高すぎ」「甘えも良い所」などとする声が上がった。
賢明なる我がブログ読者諸氏に至っては、既に既知の事であろうが、この私かとぅは「孤独のグルメ」のハードウォッチャーである。
改めて説明しよう。
「孤独のグルメ」とは、原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる漫画で、輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎が営業先で見つけた食事処にふらりと立ち寄り、食べたいと思ったものを自由に食す、至福の時間を描いたグルメドキュメンタリー。
2012年1月に放送をスタートしたドラマ版では、主人公・井之頭五郎演ずる松重豊の朴訥かつ名言とも迷言とも称される“心の声”が光り、現在Season8迄の放送が終了の大人気ドラマと迄なっている。
念の為に“心の声”に関して、幾つか記しておく。
「うーん、腹もペコちゃんだし夜食でも食って一息つくか」
「うーん…豚肉ととん汁でぶたがダブってしまった」
「早くご飯来ないかなあ。焼き肉といったら白い飯だろうが」
「うん、うまい肉だ。いかにも肉って肉だ」
「うおォン、俺はまるで人間火力発電所だ。まるで俺の体は製鉄所、胃は溶鉱炉のようだ」
「焦るんじゃない、俺は腹が減っているだけなんだ」
「俺はできるだけ物おじせずハッキリという 注文を聞き返されるのはやっかいだ」
「ほーいいじゃないか こういうのでいいんだよ こういうので」
「こういうの好きだなシンプルで ソースの味って男のコだよな」
「ああ なんてことだ 食べ始めているのに さらに腹がへっていくかのようだ」
「俺は並んで食べるのが嫌いというより 食べている時後ろで誰かが待っているという状態が嫌なんだ」
「モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず、自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで……」
その人気は日本のみならず、今や英語、フランス語、中国語、韓国語で翻訳され世界的なモノとなり、2017年からはテレビ東京の大晦日特番として22:00~23:30の大役を任されており、23:15過ぎになると劇中に生放送パートが挿入。
五郎が年内最後の晩餐として訪れた店の客が、「テレビなにやってる?」「今は紅白で美空ひばりのCGが出てるよ。ガキ使は蝶野がビンタか~。毎年変わらないね」などと言う、トホホな演出すら私にとっては年末を感じるモノとなってしまった。
新型コロナ禍の影響だろうか、新Season放送の無かった2020年だが、先日4年連続での大晦日特番放送が発表された。
「待ってました、ゴローさん!」
そんな呼び声が世界各国から聞こえるとか聞こえないとか。
レギュラー放送の無かった2020年こそ登場回数は少ないモノの、「孤独のグルメ」放送中の我がブログは、孤独のグルメ一色に染まる。
「暇じゃないのに、日間賀島」
そんなゴローさんの声に誘われて、実際に日間賀島迄行った事も有る。
師崎港から高速艇で10分。
日間賀島西港は思いの外賑わっている。
港横のビーチでイルカ触れ合い体験があり、イルカの大ジャンプを間近で見れたのが嬉しい。
早速、ゴローさんも舌鼓を打った海鮮屋に入るも、待ち人ごった返す混み様に驚く。
ドラマの効果も有ろうが、飲食店はココしか無いのだから、何時も混んでいるのだろう。
まあ、気軽な一人旅。
水槽にたゆたう新鮮な魚介類を眺めながら待つ事とする。
店員が網でヒラメをすくい上げ、その場で〆るのだが、猛烈な勢いで木槌を叩き付けるので、見ていた子供が「アーッ!」と叫び、頭を抱えていたのに笑ってしまった。
タコぶつ、しらす天ぷら、大アサリ焼きなどを無計画に注文する。
タコは驚く程甘く、大アサリはツユのコクが滋味溢れ、流石にどれも美味い。
特にしらす天ぷらはゴローさんの教え通り、塩で食べたのだが、コレまで味わった事が無いしらすの旨みが凝縮されており、思わずしらすを育んだ海と漁師に感謝である。
さて、腹も満たされ、島巡りである。
ドラマでゴローさんはレンタル自転車に乗り島中を駆け巡ったのだが、私はそこまでする事も無く、海辺を徒歩で歩いた。
他の観光客は皆、自転車に乗っており、私はゴローさんが乗車した「No'56」を探したが、中々遭遇しないモノだ。
...と、思っていたら、来た!No'56が!
何故か中東系の男性が乗っており、恐らく彼も国際的な孤独のグルメファンなのであろう。
「No'56、アリマスカ?56、スナワチゴロー...」
そんな彼と店員のやり取りを思い浮かべながら、軽く会釈をし、行き過ぎる。
面積0.77km²という小さい島とは言え、少々疲れた為、土産物屋でビールを購入すると、気になるチラシが...。
何と偶然ではあるが「孤独のグルメ」の原作者であり、ドラマ音楽を担当した久住氏のバンド「ザ・スクリーントーンズ」のライブが、当日島のビーチにてあると言うではないか!
コレは是非観たいが、本土への最終便を考えると、時間的に泊まりで無いと厳しい事を店員から聞く。
まあ、素泊まりでも良いか...、とも思ったが、一国の大統領が2日間行方不明とは問題にもなる。
泣く泣く断念した私だ。
さて、気を取り直して島巡りである。
ゴローさんも堪能したタコ脚あぶり焼きを食べに行くのだ。
目当ての店は目と鼻の先だが、その店が何か騒がしい。
おお、見よ!
そこにいたのは久住氏率いる「ザ・スクリーントーンズ」!
麦スカッシュを堪能しながら、ドラマの裏話など番組収録をしていた。
毎週拝見している方との、何ともユルい遭遇であった。
遭遇の日間賀島
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-11922704702.html
孤独のグルメseason4 第五話
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-11906574867.html
「孤独のグルメ2巻」と「ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…」
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12089118381.html
孤独のグルメ かとぅ版
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-11633458251.html
孤独のグルメ
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-11598031157.html
さて、話を戻して、NHKのニュースで取り上げられた若い女性の家計簿をめぐり、議論が巻き起こっているとの事。
何でも女性は家計簿を付けており、「給料21万円」に対する、家賃(7.5万円)や光熱費(1.5万円)、そして食費は「5万円」と書かれていたが、女性の食費が5万円であることに対し「高すぎ」「甘えも良い所」などとする声が上がったと言うが、果たしてそうだろうか?
支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」だが、とある研究機関の発表によると、全ての世帯にて25%が共通目安との事らしい。
確かにコロナ禍で収入が下がる中、奨学金を返済しながらであれば当然節制は必要であろうが、給料21万円、支出20.5万円に対する食費5万円は24.3%であり、「エンゲル係数」的には決して高い訳では無い。
逆に”貯金5000円”の方が「ソレでええんかい!?」的に気にはなるが、他人の生活費の心配程、余計なお世話は無かろう。
そんな事を言えば、我らがヒーロー「孤独のグルメ」主人公、井之頭五郎のエンゲル係数は如何ばかりのモノであろうか?
毎度その食べっぷりに驚かされるが、少なくともランチで3000円はいっており、時に5000円を超える事すら珍しく無いと分析しているハードウォッチャーたるこの私かとぅ。
独身貴族であるゴローさんが自炊をする訳が無いので、仮に1日あたりの食費が1万円として30日、1ヶ月当たり30万円もの食費となる。
個人輸入雑貨商であるゴローさんの月収を、仮に100万円と見立てる。
名言とも迷言とも称される“心の声”にはトホホ…と言わざるを得ないゴローさんではあるが、実の所様々な取引先から圧倒的な信頼、支持を取り付けており、私生活でもBMW~5シリーズセダンや、高級腕時計タグホイヤーの「カレラ・クロノグラフ」、LONNERのスーツ、REGALのシューズを愛用しており、モノに対するこだわりも強く、高級志向では無くとも、その審美眼に叶うアイテムしか使わない訳で、もっと稼いでいても丸で不思議ではない。
とは言え、男やもめの独身貴族として月々の総生活支出は、いっても50万円程度であろう。
ゴローさんの自宅は漫画でもドラマでも公開されていないと記憶するが、家賃15万円程度では無かろうか?
そうなるとそのエンゲル係数は、何と60%という驚異的な数値を叩き出す。
何たる事か、些か眩暈もして来る。
いや、漫画やドラマと言った創作上の話でしか無いのだが、今回批判を受けている25歳女性のエンゲル係数24.3%と比較すると、その暴力的な食費比率に暫し言葉も出ない。
ちなみにドラマ主演である松重豊のギャラは、1本10万円との事で、今や売れっ子の松重豊からすれば些か納得も行かない事であろうが、大みそか年1回の特番だけでも構わないから、細く長く我々を楽しませて頂きたい「孤独のグルメ」である。
かとぅ