未曽有の経済危機に見舞われている南米ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が、多くの国民にとって肉を食べることがぜいたくと化している現状を打開する方策として、ウサギを食用に繁殖する計画を打ち出した。
政府の食料計画を任されているフレディ・ベルナル氏は、「ウサギ計画」を成功させるため、国民は「ウサギ愛」を捨てなければならないと主張した。
ベルナル氏によると、第一弾として貧困地区を対象に先だって子ウサギを配給したが、住民たちはペットとして名前を付け、一緒に寝るなどかわいがってばかりいるという。
同氏は「ウサギはペットではなく、ベネズエラ国民の食卓に提供される高タンパク・コレステロールゼロの肉2.5キロだ」ということを国民は理解しなければならないと語った。
この報道を聞き、私は映画化された小説「豚のPちゃんと32人の小学生:命の授業900日」を思い返していた。
大阪北部の小学校で豚の飼育を通じて、教育を考え、命を見直そうとした実話。
大切に育てて来た豚のPちゃんを食肉にするか、それともこのまま飼い続けるか、究極ともいえる選択を自ら決めなければならない小学生の学級会には、私も手に汗を握り、胸に熱いモノが込み上げるのを押さえながら、刮目したモノだ。
鬼気迫る小学生のやり取りとは別に、貧困に喘ぐベネズエラ住民たちは「子ウサギをペットとして名前を付け、一緒に寝るなどかわいがってばかりいる」との事で、まー、実に平和な事だ。
飢えても貧しくても、ウサちゃんと一緒に寝れば大丈夫だモフモフ~...と、言う事なのか?
経済的には豊かな日本かも知れないが、本当の豊かさと言うモノは、ベネズエラに有るのかも知れない。
しかし、住民らに子ウサギを配給するのは良いが、2.5キロになる迄2ヶ月間育てれば、誰でも愛着は沸くし、如何に食用として配給されたとしても、潰すのは大いに躊躇される所だ。
夜店で貰った生まれたてのヒヨコを、馬鹿デカく育て上げた私とて、同様の想いでいる。
ココは手間も予算もかかる所だが、国の方で子ウサギが食用に育つまで飼育し、食肉として処理した上で配給すべきであろう。
そうで無いと「子ウサギをペットとして名前を付け、一緒に寝るなどかわいがってばかりいる」訳で、自分の食物すら子ウサギに回しそうなベネズエランの方々である。
国民の健康を維持するどころか、このままではますます飢えてしまうぞ!
それにしても、「子ウサギをペットとして名前を付け、一緒に寝るなどかわいがってばかりいる」と言う言い回し、凄く好きだ。
「ウサギ計画」を成功させるためッ!
国民は「ウサギ愛」を捨てなければならないッ!
ペットとして名前を付け、一緒に寝るなどかわいがってばかりいるッ!
強面の政治家が、自国民をこんなに可愛い表現でオコするのがタマラン。
かとぅ