じっとしているのにも飽き、私は汽車の外へ。
振り返るとなるほど、汽車全体が緑色に染まっていた。
近くでみると非常に細かい粒で、そのひとつひとつがキラキラと輝いている。
ぼんやり眺めていると、視界の端を何かが横切った。
思わずそちらに目をやる…
「(てんとう虫だ!)」
それは何匹もいた。
15センチ程の大きさのてんとう虫が勢いよく汽車の側面を滑っていく。
「食べているんですよ」
ふいに背後から話し掛けられた。
そこにはさっきの車掌蟻がいた。
「食べるって、粉を?」
「ええ、そうですよ」
確かに、てんとう虫が通った跡には汽車本来の綺麗な白色が顔を覗かせている。
私はしばらく車掌蟻とその光景を眺めていた。
「そうだ、おひとついかがですか?」
と、車掌蟻。
その手には小袋がひとつ。
「これは?」
「この粉を集めたものです」
「この緑の粉を?」
「ええ、とても甘くて美味しいんですよ」
「そうなんだ」
私は…
①ありがたくいただいた
②丁重にお断りした
③その場ですぐ食べてみた
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