私は取っ手を摘まみ、窓を上へと押し上げた。
外は相変わらず靄がかっていて遠くまで見渡すことができない。
泉の方を見ると、先程の布を体に巻き付けた青年がこちらへ近寄ってきた。
「いいかい、よく聞くんだ。君はこれから長い旅をすることになる。その先々ではたくさんの困難が待ち受けているだろう」
青年の顔には諦めのような悲しみのような、いずれにせよあまり良いとは言えない表情が浮かんでいた。
この知恵のありそうな青年に気掛かりなことを訊ねてみる。
「私はこれからどうなるの?」
「それは僕にもわからない」
期待していた答えは返ってこなかった。
「すまないね。他に、僕に答えられることなら話すよ」
「うん」
私は青年に…
①名前を訊ねた
②なぜ旅をしなければならないのか訊ねた
③餞別(せんべつ)をくれとせがんだ
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