関東ではバカ、関西ではアホが

良く使われるようですが、

語源は中国で、

馬鹿は中国の故事成語、

阿呆も中国から伝わったと言われています。


どちらも中国の「漢」王朝が関係する言葉。


馬鹿は始皇帝が築いた秦で、

権勢を振るった宦官趙高のエピソード。


二代皇帝に

「名馬があります」

と伝えますが、

鹿を連れて来て馬と言います。


それを見て

「これ鹿だよね」と答えた臣下は皆殺しにし、

「馬です」と答えた臣下だけが生き残り、

二代皇帝も彼に逆らえなくなった、

と言うエピソードが基になったとか。


その後二代皇帝も殺し、

彼が権力を独占しますが、

項羽と劉邦が台頭し、

秦そのものが滅亡し、

その後劉邦の漢王朝となります。



一方の阿呆、語源説は2つあり、

1つはやはり秦の国。


始皇帝が「阿房宮」と言う

とてつもなく豪華な宮殿を

無駄に建設しようとしたため国が傾いた、

と言うことから。


もう1つは漢の末期、三国志の時代。

蜀の劉備の息子で二代目を継いだ劉禅が、

自身は何の努力もせず蜀を滅亡させますが、

彼の幼名「阿斗」に因んで

阿呆に転じたと言う説。


どれも俗説の域は出ないようですが、

馬鹿も阿呆も

漢の400年の前後に語源があるようで、

エピソードとしては面白いですね。


この漢王朝、

最初の200年ほどを前漢、

後半の200年ほどを後漢と言い、

紀元前が終わる頃、

数年だけ「新」と言う王朝に

取って代わられます。


この数年だけの新王朝を築いた人物は

王莽(おうもう)と言いますが、

先の趙高と共に平家物語にも登場する

極悪家臣の代表格。


なお、平家物語では木曽義仲が

この王莽になぞらえられています。



そして稀代の愛すべき阿呆、

孫悟空ですが、

西遊記の設定では

この新の時代に暴れて

五行山に500年封印されたようです。