星の会 | Atsuko's Cafe

Atsuko's Cafe

本職 高校家庭科教師 2男1女の母
誰でも作られる簡単レシピで、美味しくできる料理を、日々研究☆
レシピの覚え書きついでに、元教え子限定で無償のお料理教室(Atsuko’s Cafe)を開催しています。

♡インスタもやってます♡
atukocafe

星の会に参加してきました。

子どもを亡くした親の集いです。

逞(たくま)を亡くしてすぐ、友人から紹介してもらったのですが、その時は、自分がこの会に参加することがあるとは想像しませんでした。ただでさえ辛いのに、参加したら、他の方たちの悲しみまで抱えてしまいそうで、さらに辛くなりそうな気がしたからです。

逞を、乳幼児突然死症候群で亡くして1年半。

誰も逞のことを話題にすることはなくなり、私の心だけ取り残されたような感覚にとらわれ、やり場のない気持ちに胸を痛める日々。そんな時に、週末行われる星の会の案内葉書が目に入りました。
「行ってみようかな」
自然と気持ちが動きました。

当日は、午前中、10年前に同じ原因で子どもを亡くした旧友を訪ね、午後、星の会へ向かいました。

会は、順番に近況を報告しあう気楽な感じで、発言も強要されることはないので、私は、順番を飛ばしてもらい、みなさんのお話だけ聞かせていただきました。

会の3時間、私は泣き続け…こんなに長時間、泣けることに自分でも驚きつつ、心のままに涙を流しました。みなさんのお話を聞いていなかったわけではないけれど、1人で逞のことだけ思って、涙を流せたのは、精神衛生上、とてもよかったようです。

と、言うことで、私は元気です*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
これからも落ち込む時はあると思うけど、自分1人で抱え込まず、発散することは大事だなと思いました。


星の会で、気になったことがひとつ。

四年前に、乳幼児突然死症候群で7ヶ月の息子さんを亡くされたご夫婦が、「友人や職場の人が出産した時、お祝いをすることを躊躇する」「子どもを亡くした親がお祝いすると、縁起が悪いと思われるのではないか、気を遣わせるのではないか」と、言われていました。

私には、全くない発想だったので、心配になりました。
つい最近も、友人の出産祝いに行ったばかり。
我が子を亡くしても、友人の出産は嬉しいし、無条件に赤ちゃんはかわいい。
友人に気を遣わせることなく、私が純粋にそう思っている気持ちが伝わっているといいなと思います。


先日、平野啓一郎氏の著書『私とは何か「個人」から「分人」へ』を読みました。

人の人格は一つではなく、対人関係によって分人化され、どれも自分で、それでいい。と言う内容で、フッと心が軽くなった気がしました。

逞を想って泣く自分。
友人の出産を祝う自分。
これは別の分人で、どちらも本当。

分人という言葉を知って、逞のことを悲しむ自分と、日常生活、笑顔で過ごす自分は、共存していいと、許された気分になりました。


余談になりますが、芥川賞作家でもある平野啓一郎氏は、私の高校の同級生です。

先日、平野くんの講演会後、控え室を訪ねると、光栄にも飲み会に同席させてもらえることになり、平野くん交えて4人で飲みました。
講演会を企画した友人は、平野くんと高校3年間を同じクラスで過ごし、大学も一緒のため、TVでは見せないリラックスした表情の平野くん。話題も、高校時代の話が中心で、とても楽しい時間でした。気の置けない友人と過ごす分人としての平野くんに、とっても好感を持ちました。

平野くんの提唱する「分人」という考え方。意識して過ごすと、生き方がラクになる気がします。
今後は、逞への悲しみがつのりすぎて、日常生活の私を侵食し始めたら、早目に発散するよう心がけようと思います。

そして、いつかまた星の会に参加する機会があれば、出産祝いを躊躇する夫婦に、「分人」という考え方を教えてあげたいと思いました。