2008年7月1日(火)、私は生まれてはじめて霞が関で働くことになった。

霞が関とはいっても、世間で諸悪の根源とされている、独立行政法人での仕事だ。


忙しくて、あれこれ何でも同時進行させるのも得意な性分なので、果たして公務員と一緒に働くのが私の性に合うんだろうか?と、かなり不安にもなったけれど、他にマッチした仕事もなかったので、ここの広報部で働くことにした。


なんでも広報誌の製作がメインだという。


出社してみたら本当に、広報誌の製作やその為の写真撮影とか、そんな仕事しかない。

プレスリリースも出すには出しているらしいが、なんと大学生のアルバイトさんにまかせっきりで、内容はリリースとは程遠く、紀伊国屋かどこかの階段脇に貼ってあるチラシのようなものばかり。


独立行政法人ともなると名が知れているから、メディアもこんな内容でも取り上げて記事にしてくれるのかしら?と、民間とのギャップに悩む日々がはじまったのだった。

2008年に入り、(社)日本パブリックリレーションズ協会のPRプランナー試験公式サイトで、ようやく3次試験の参考図書が発表された。


それまで、3次試験はベールに包まれていて、どういった答えが求められているかわからなかったのだから、これで何となく察しがつくというものだ。


これ以上、受験対策でお金を使うのは抵抗があったのだが、これまで報告書を出したことはあっても、企画書を出したことは殆どなかったので(展示会の時は出したが)参考図書のうちの1冊「図解でわかる仕事の基本 企画の立て方・企画書の書き方 青山昌平/海田夏生(定価1,500円)」を買ってみた。


だけど、企画書の書き方や表現の仕方は人それぞれで、1+1=2でないとわからない、頭の固い私は、「施策」だったり「訴求ポイント」だったり、言葉を置き換えられると何が何だかわからなくなってしまい、混乱していた。



そこでもう一度、多忙な鈴木宣利(スズセン)恩師に救いを求めるメールをして、試験の1ヶ月ぐらい前の6月28日(土)に、なんとか時間をもらう事ができた。


スズセンさんに、いろいろ教えていただいたのに理解できていなくて申し訳ない旨を告げると、かえって「こちらこそ申し訳ない」と言って下さった。そして、私が出した企画の立案に対し、1時間でA4サイズ1枚にまとめたパーフェクトな企画書を提示してくださった。


このレベルの人になると、腕試しでもない限り、資格を取る必要がないんだろうなあと、つくづく思った。この人なら、ぜったいにストレートで3次試験までパスするのになあと、思う。



だけどそうは思っても、実際に受験するのは私だ。


そもそもなんでこの資格を目指したかと言えば、広報・PRに関わっているといっても、そのやっている内容はピンからキリまであり、まして関わって1年や2年の私には社長も支店長も部長も、業者さんだって、私のスキルを図る事は出来ず、仕事もなかなか任せてもらえない。


そこで思いついたのが、この資格を取る事だ。

この資格を取ったら言うんだ。


「私は働きながら自費で勉強し、自費で受験料を払い、そしてここまでの資格を取りました。実務経験3年以上を対象としている資格を、私はこんなに短期間で取りました。どうですか?キャリアは浅くても、私はここまでの知識があります。どうか、私の企画をぜひ真剣に考えてください。」



まあ、その会社も今となっては倒産してしまい、言うところもなくなってしまったのだけれど。



スズセンさんは、試験を通して何度も言ってくれたことをこの日も私に言った。

相手を納得させて「じゃあ、やってみようか」という企画書であれば(すなわち、審査基準をきちんと抑えること)、ぜったい合格できます。kateさんには、それだけの力があります。ぜったいに、やれば出来ますよ。頑張って。


教え上手な人は、人を褒めて伸ばすことも知っている人だ。

私は、7月に行われる第2回PRプランナー3次試験に申し込んでいた。

その前に、やっぱりどうしても気になることがあった。そう、どこまでが合格ラインなのか?ということだ。


PRプランナー資格試験 コミュニティで、一緒に受験し見事合格された、なにがしさんという人がいる。コミュで何となく会話を交わすようになり、そして何よりストレートで合格したすごい人だ。


私は答えに予算をどこまで書くかを悩んでいた。いや、そもそも予算を書く必要があるのだろうか?悩めば悩むほど、気になって仕方がない。


そこで、思い切ってなにがしさんに、「どのような答えを書いたのか宜しければ教えていただけませんか?」と、メールを送った。もちろん、迷惑にならない範囲でメールにさらさらっと書いてもらえれば十分だと思っていた。


ところが、なにがしさんから直接会って教えて下さるというお返事をいただいたので、6月9日(月)にお会いすることにした。


当日は、静かな喫茶店で会った。

私は事前に、こんな風な答えを出したのですが、どうですか?とメールで送っておいた。当日、なにがしさんはそれをプリントアウトして持ってきていて、自分はこんな風に答えて、ここまで書いたということを具体的に教えてくれた。


話を聞けば、なにがしさんは、以前、広告代理店に勤めていたのでこの手の企画はお手の物のようだった。そして、私の企画に対しターゲット層が広すぎていて、どんなタレントをTVCMに起用するかは代理店が決めることなので、広報担当者がそこまで決める必要はないことまでを教えてくれた。


私は貪欲に広く勉強し過ぎていた。それはとても良いことなのだけれど、実際にどこまでが企業の広報担当者の仕事で、どこからが広告代理店の仕事で。という所まで理解できていなかった為に、知識を蓄えただけで終わってしまっていたのだった。


また、なにがしさんは予算を書いている途中で試験の終了時間が終わってしまったという。私も予算は書けなかった。


実務でも、企業の広報担当などになると広報予算すら最初からもらえてない場合も多いと聞くし、私の場合もそうだった。予算も大事だが、それ以前に戦略性や実現性の方が大事で、「これなら、じゃあやってみようか。それで、この企画にはいったいいくらかかるの?」と、言わせるだけの答えを課題Bでは求められているのだと悟った。