マネー供給量の異常な拡大が”投機マネー”の異常な拡大をもたらしました。 そして、異常に拡大した投機マネーが”円ドル相場”を混乱させ、現在(2024年4月)円は1ドル155円と30数年来の円安になり、それが物価の高騰を招き国民生活を圧迫している。

円安の原因は、膨大な投機マネーが円をドルに換えて預金することにより年間5%の金利収入をえるために円を売ってドルを買っているため・・・と認識されています。

 

と言うわけで、「お金とは何か」シリーズの10回目は為替レートに関する話です。

為替レートは一体どの程度が妥当なのでしょうか・・・?

少なくとも、実態経済とは別の世界にある投機マネーが為替レートを左右している現状は異常と言わねばなりません。 私たちの生活そのものである”実態経済”をゆがめ、物価高と言う形で私たちの生活に悪影響を与えているためです。

では、実体経済び即した為替レートとはどのようなものなのでしょうか・・・?

 

為替レートについては、専門用語で”購買力平価説”と言う考え方があります。 

ある商品、例えばマクドナルドのビックマックを日本で食べても、アメリカで食べても、同じ価格であることが望ましいという考え方。すなわち日本でビッグマックが500円、アメリカで5ドルだった場合、1ドル=100円と言う為替レートが適当である・・・と言う考え方です。 (ビッグマックによる購買力平価のアイディアはイギリスの経済専門誌「エコノミスト」が考案した・・・そうです。)

 

マクドナルドのビッグマックだけで為替レートを考えるのはすこし乱暴です。 そこで、いろいろなモノやサービスを入れたバスケットを考え、その価格を二国間で比較して為替レートを考える方式があり、代表的なものはIMF(国際通貨基金)が公表しているものがあるそうです。

2023年のIMFの購買力平価では1ドル=約90円・・・だそうです。

 

2024年4月現在為替レートは1ドル=150円台半ば・・・。 購買力平価から大きくずれている為替レートは、輸出を増加させ、輸出により得たドルを円に換える動き”円買い”圧力が円安を修正すると説明する考え方がありますが・・・、それがうまくゆくのでしょうか・・・??

”ガルブレスの経済の鍋”の範囲で経済が動いていれば確かに上記の説で為替レートが正常化してゆくのでしょうが・・・、”経済の鍋”からこぼれ落ちた投機マネーが”ドル買い”を進めている現状ではうまくゆかないのではないかと思うわけです。

 

 

(2024年4月現在)円安修正の兆しは見えない・・・。

多くの人が円安による物価高に苦しんでいます・・・。

日本経済はこれからどうなるのでしょうか・・・?

 

次回は最後を締めくくり、日銀の役割について・・・の予定です。