元風俗嬢 ともみの日記 -36ページ目

仕打ち(6)

母がともみに「今日、ともみの担任の先生に会ってきた」


「えっなんで?」


「多分、先生からともみに話しがあると思うから、聞いてきなさい」


ともみは、いったい何の話だろう?


その時、全く予想が付かなかった



次の日、担任の先生に呼ばれました。


学年主任の先生もいらして、何だか物々しい雰囲気でした。


ともみは、全く訳が分からなくて戸惑っていました。


そして学年主任の先生から


「ともみくん、お付き合いしている彼氏のこと聞いたけど...」


母は、先日のともみが彼にお金を渡したことを母から聞いていたようでした。


「最近のともみくんの言動がひどくなったり、


   服装も派手になって、お母様は、ともみくんのことが心配で


ご相談に見えたのですよ」


ともみは、彼とのお金の問題の事実を話して、もう彼氏とは別れたし、


洋服は、あまり持ってなかったので、従妹に借りたりしていて


母が買い与えていない服装を目にしたので、


ちょっと不信感を持ったのではという旨話ました。


でも、先生は私が話したことに対してより、


母の話を信用しているというか、何か腑に落ちない風でした。


それより、ともみは、母がともみが傷つきもう忘れたいと思っていた


彼との話を何のためにともみの担任の先生に話したのか?


それがとてもショックでしかたなかった。


もし、ともみに不信感をもっていたのだったら、


               なぜ、ともみに直接言ってくれないのか?


ともみは、母に彼から救ってもらって、


少しずつだけど、母のことを分かろうと思っていた矢先のこと...


崖から突き落とされた... 傷口をまた穿り返された... 


                        そんな気持ちでした。


それも私の実の母親に... 


なぜ、話したの? あなたの目的ってなに? ともみを苦しめること?


ともみは、あの時、自分の気持ちをぶつけていたら、


もしかしたら、また別の感情がともみに生じたかもしれない


でも、ともみは、あまりのショックで、


母に対してあれ以来、貝のように心の扉を閉ざしてしまったのでした。


ともみは、自分自身を重く暗く落とし込み、


         どんどんとその土ツボへハマっていったのでした。





救済(5)

逃げる?どこへ?


多分、待ち合わせの場所に来なかったら、家まで来てしまいそうだし...


とりあえず、以前お金の借りた祖母の家へ行きました。


彼は、祖母の家の場所は知らないので、来ることはないと思ったからです。


そして約束の時間から1時間経った頃でしょうか...


祖母の家へ彼から電話がありました。


祖母には居留守を使ってもらいました。


そして、母から祖母の家へ電話があり


「今、ともみを尋ねてともみの彼氏が来たけど... どうしたの?」


案の定、彼はともみの家に行っていたようでした。


ともみは、もう隠し切れない、本当のことを母に言おうと決心し、


今まで彼に旅行のキャンセル料にお金を渡していたこと


そのお金を祖母に借りて、


さらに兄と母の保険の集金袋からお金を取って渡したことを母に話しました。


母は、かなり激怒しました。


「早く、家に帰って来なさい」と母に言われたのですが、


ともみがまたお金を渡す約束をしていて、


彼が家に来られると怖いから、明日帰ると母に告げました。


家には、母と兄が待っていました。


兄は、お金が無いのに気づいて、


それがともみが取ったと薄々気づいていたようです。


でも、あえてそれは、母には何も言わずにいてくれたのです。


ともみがそこまでするには、


       何か事情があるのではないかと思っていたようでした。


母は、ともみから集金袋からお金を取ったと聞いて、初めて気づいたようでした。


ともみがお金を取ってからともみが白状するまで、あまり日も無かったし、


常にお金の出入りがあって、


把握しきれなかったから気づかなかったのも無理はありません。


自宅に帰ってしばらくしたら、彼から電話が入りました。


母がその電話に出て


「今、ともみに聞いたんだけど、


あなた、ともみからお金受け取ってるでしょ?」


「ちゃんと正直に話しなさい、ともみは、嘘つくような娘じゃないですよ」


「電話じゃらち明かないから、今から家に来て」


彼は、母にはお金受け取ってないと言っていたそうでした。


母から「お金の話をする男は、ろくな男じゃないよ。


もう関わるのはやめた方がいいね」


「お金は諦めるよりしょうがない。


おばあちゃんにはいくら借りたの?


私がおばあちゃんに返しておくから...


全く、どうしようもない男に引っかかったもんだね~」


母は、文句を言いながらもともみを救ってくれたのです


ともみは、最近母を避け、言葉は交わして無くて、意志の疎通が無くかった。


家族がバラバラで孤独感を感じていた


でも、今回の母が「ともみは、嘘をつくような娘じゃないですよ」


と彼に言ってくれたことがともみにとっては、何より嬉しい言葉でした。


兄もお金を黙って盗ったにも関わらず、言わずにいてくれたこと...


今回のことは、とても辛かったけど、


          母と兄と家族であることを実感した出来事でした。


ちなみに彼からは、あれから何も音沙汰なしでした。


確かに彼に対しては悔しいし、憎かったけど、それで良かったのだと思いました。


しばらく月日が経ち、ともみは、このことは、もう終わったこと  済んだこと


早く忘れたいと思っていたそんな矢先のことでした。



















金ズル(4)

今思うと、あの時のともみは、純粋すぎるというか


鈍いというか... 本当にバカでした。


キャンセル料の件も本当だったかきちんと調べた訳ではなく、


その彼の話をうのみにしてしまったのですから...


ともみは、兄のサイフからと母の集金袋から盗んだお金を持って、


彼に会いに行きました。


そして、お金を渡してしまったのです。


そしたら、その彼、また、「悪いんだけど、あと4万円だって」


ともみは、思わずその彼の前で泣いてしまいました。


「これで最後だと思うから...」


ともみは、小さくうなずきその場を去りました。


完全にともみは、その彼の金ズルにされていたようでした。


でも、ともみは、それも気づかず、お金の工面を思い悩んでいたのです。


前回のお金もともみは、兄と母を欺いて奪ったお金...


もう、限界... でも、なんとかお金を作らなければ...


考えた挙句、ともみは、電話帳で調べた消費者金融へ電話を掛けました。


でも、当時ともみは、16歳... 


20歳以上でないとお金は貸せないと断られてしまいました。


いろいろと考えても、いい案が浮かばす、


彼との約束の日が時間がちゃくちゃくと近づいてきてしまいました。


ともみは、結局お金を用意することができず、


ともみのお小遣いの2000円を持って待ち合わせ場所へ向かいました。


今回はどうしてもお金が用意できなかったと謝ろう...


多分、許してはもらえないだろう...


彼との待ち合わせ場所へ向かったのですが...


お金用意出来なかったって言ったら... 彼はどんな態度するんだろう


そう思うと、怖くなってしまったともみ


でも、行かなければ... 


足を踏み出した時、一人の男性が声を掛けたのでした。


「これから遊びにいかない?」


ともみは、行かなきゃいけないところがあると言い、思わず泣いてしまいました。


その男性がともみがとても思い悩んでいることに気づき、


                 いろいろ話を聞いてくれたのでした。


「何かひどいね、その話、本当なの?ちゃんと確認した方がいいよ」


「もう、その彼とは、関わらない方がいいんじゃないの」


ともみをナンパしたとはいえ、


ただの通りすがりの人がともみの話を聞いて、答えてくれたのでした。


今まで、彼の言葉を信じ疑うことをしなかった、


というか、それを自分の中で拒否していたともみの心に


彼から逃げる勇気、拒む勇気を投げかけてくれたのでした。