可能性へのPregnant P2 | 風合瀬のブログ

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    この宇宙エレベーターの開発が、宇宙移民地…スペースコロニーの建設に繋がって行く。月や火星に移住するという計画はそもそも無理があった。月は地球の重力の1/5しかないし、火星も地球の80%ほど。そんな場で人が子孫を残して行くと、二度と地球に戻って来られなくなる。


"遺伝上の変異があった場合、それまでの人と交配が出来なくなる可能性があるだけではなく、火星人となった人類から産まれたウィルスはそれまでの人類を滅亡させることに繋がる危険性もある"


    宇宙エレベーターが完成するとすぐに、日本の宇宙開発チームは、疑似重力システムの構築に取り掛かる。直径1.6㎞のトーラス型と呼ばれる試作機を製作する。トーラス型とは、ドーナツ状の環を作り、その中心部に動力源を持たせ疑似重力空間を作るというもの。この中心部は宇宙エレベーターの最上部と通路で繋がっており、疑似重力空間と直接行き来出来た。

    そこで、疑似重力実験の他、食糧の生産実験なども行われた。


    ちなみに地球世界での食糧問題は、2025年4月、EUで発布された「農業・畜産業への回帰」という運動により、それぞれの政府主導で農家や畜産業者への手厚い保護(その国の平均所得の1.8倍から2.5倍の所得を保証する制度)により、食糧問題は一応の成果を得ることが出来た。その国にとって過剰な分は、新しく創設された世界食糧流通機構(World Food Distribution network)を通し、貧困国や難民などに配給され、食糧による戦争の回避に繋がった。


    当初は、アメリカの金融界から大きな反対を受けたが、食糧やそれに関わる企業の株取引が盛んになったり、宇宙ビジネスが本格化し始めるとそちらに目が向き、アメリカの大統領選でも、農家や畜産業への待遇を世界基準にすべきだ!という流れが出来、またロシアでは、かつてのコルホーズ・ソホーズといった農業政策を元に"農業革命"が起こり、ロシアはかつての勢いを取り戻す。


    2028年ロシア大統領プーチンの病死による、ウクライナ侵攻の終結から、西側や日本などとの国交正常化による国内の安定と、それに伴う経済の自由化が功を奏したのだろう。