蝶々は触れない。[kasmilog] -24ページ目
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あしあと

失えないものを両手いっぱいに抱えて
二度と触れない鳥の足跡を数えている

幸福
という単語は今も好きになれなくて
雨の日は
睫を庇うように前髪を下ろしている
あの子が見つけられない

移ろうのは真実
交錯するデジャヴュ
永遠は事実
うしろの正面だあれ

憧れを不安に変えた甘い花が枯れるとき
解けることない呪いをいとおしみ始める
何故でしょう
風が忘れもせず
5月に同じ空を運んでくるのは

此処で生きて

それは決して
迷いのような曖昧なものではなく
後悔のような陰性のものでもなく
近づかない理解がもどかしい
達観できるほど大人にはなっていない
愛を口にするほど子どもでもないつもり
ただ確実に歳をとってしまったからか
そういうものだとアタマは知っている

そう あまりに些細でくだらないこと
伝わらない葛藤
労われない惰性
価値観の一言で負けを認めたくない

正も負も現実もすべてを共有し
わたしたちは此処にある

そうそれは決して
憎悪のような簡単なものではなく
個性と言う言葉で諦めることでもなく

明日が来る前に捨ててしまいたい嫌悪
その繰り返し
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