39.2 バド・パウエルの命式を読み解く | 開運と幸福人生の案内人/ムー(MU)さんの日記

開運と幸福人生の案内人/ムー(MU)さんの日記

「正しく実行すれば、夢はかなう」をモットーに東洋易学、四柱推命(神機推命)、風水などの秘伝を公開し、自分の夢を実現するとか、悩みの解消に役立つ運命好転化技法を紹介します。

心に響く名言 39.2

バド・パウエルの命式を読み解く

 

ジャズピアニスト、バド・パウエル
 

今回は、1940年代におきたジャズの一大革命といわれるビ・バップを、チャーリー・パーカーらと共に創設したもう一人の天才ジャズピアニストのバド・パウエルの命式を読み解いてみましょう。

その演奏スタイルが後代のジャズピアニストに非常に大きな影響を与えたことでも知られています。一部の熱狂的な信奉者から「ジャズピアノの神様」と奉られています。ピアノを中心にベースとドラムスを加えた「ピアノトリオ」の演奏スタイルを作ったのも彼です。




[バド・パウエル]

 

彼のピアノはそのタッチに独自性があります。
驚異的な早弾きとまるで打楽器のように鍵盤を打ち下ろすことで、愛好者でなくてもバド・パウエルの演奏した作品とすぐに判ります。
バドの絶頂期、天才の技を余すところなく引き出したといわれるピアノソロのアルバムは「ジャズ・ジャイアント」とか「ザ・ジニアス・オブ・バドパウエル」といった作品があります。これらは、バドパウエルの演奏を最初に聞くときには、筆者はあまりおすすめできません。
音を楽しむという雰囲気で聞くことができる代物ではないからです。演奏者と対決するように真剣に耳を澄まして、その演奏に向き合うような緊張感と集中が求められるからです。



[ジャズ・ジャイアント][ザジニアス・オブ・バド・パウエル]

 

筆者としては、後期の作品といわれる「バド・パウエル・イン・パリ」がお薦めです。絶頂期とはいえないそうですが、バド・パウエルの芸術性、卓越した技術に触れることも出来、かつ音楽としてのジャズを楽しむことができます。

 

 


[バド・パウエル・イン・パリ]

バド・パウエルの生涯

1924年ニューヨークのハーレムで音楽一家の次男として生まれています。15歳の頃には、早くも兄のバンドにピアニストとして参加していました。

彼の先輩に、これまた孤高のピアニストとして独自の活動をするセロニアス・モンクがいます。
バド19歳の時に先輩モンクと親交を深め、大変かわいがられると共に彼から音楽理論を学びました。

そして、新進気鋭のジャズピアニストとして活躍をはじめたバドでしたが、1945年 24歳の時に大きな災難に遭遇します。
警官に棍棒で頭を殴られ、療養生活を余儀なくされます。
また、この事件が原因といわれていますが、ひどい頭痛に悩まされアルコールやドラッグに依存するようになってしまいました。
当然、演奏にも影響が出て好不調の波が激しくなっていきます。

1950年前半には、マリファナの所持で逮捕されたり、精神病院に入退院を繰り返すなど精神状態も健康状態も悪化していきます。またこの頃に、電気ショック療法を施術されました。この後遺症で、のちに指があまり動かなくなったといわれています。

1959年、健康が少し回復したバド・パウエルはパリに住むようになります。
人種差別の激しかったアメリカと異なり、欧州では音楽家として敬意をもって接してもらい、パウエルにとっても居心地が良かったのでしょう。

1963年、パウエルは結核と診断され病院に入院しますが、退院後はフランス人のファンが後見人としてパドを引き取り、面倒を見ました。後に、このバド・パウエルのパリ時代の友情の物語をベースにして、映画「ラウンド・ミッドナイト」が制作されました。サックス奏者のデクスター・ゴードンが玄人はだしの演技をして評判となりました。

1964年バドはニューヨークに戻ります。ジャズクラブでの数回のライブを行いましたが、精神的にも安定せず、やがて公の場から姿を消します。

その2年後の1966年、バドは結核が原因で亡くなります。享年41歳。
波乱に満ち、惜しまれつつ逝ったまだ若き天才の葬儀には、5000人以上が参列したといわれています。

バド・パウエル命式を読み解く

以下のバド・パウエルの命式を参照ください。


[バド・パウエルの命式]

 

彼は1924年9月27日、米国ニューヨーク州で生まれています。時差を考慮した干支は、
年の柱は甲子
月の柱は癸酉
日の柱は庚戌
となります。

月令は旺相で身旺です。一見して剛い性状ですねえ。
(看命をする場合に、命式を見た瞬間の第一印象が大切です。この閃きを感じられるようになれば、推命解読の初級を卒業です。)

五行を集計します。
木気が1、火気が0、土気が1,日主を含む金気が2、水気が2となっています。
通変星を見てみますと、年の柱が宝財と肖綺、月の柱が肖綺と劫泉、日の柱に偏印が入っています。
月支元命が劫泉となります。

彼の命式を詳細にみてみますと、吉凶星の血刃囚獄が2つずつでているのです。
血刃は、血と結びつく病気や怪我をしやすいという凶意があります。
囚獄は刑務所、留置所、監獄といった法律を犯したり、無実の罪で有罪になる、人から誤解されやすいといった象意があります。これらが一つであれば、あまり深刻に考えなくても良いのですが、二つ重なるとその象意がその人の人生に影響を及ぼすとみてよいでしょう。

四柱推命の書籍の中には吉凶星(神殺)は後世の付加で、推命の本質ではないから、無視するべしといった極端な意見を目にすることがあります。しかし、これら吉凶星は、何百年にわたって、有名、無名の推命家が実際の鑑定をしながら看命の目安として積み上げてきたものです。

筆者の実占からの経験では、確かにその人と無縁な吉凶星が現れる場合もありますが、ズバリと的中する場合も多いと感じています。確率の問題として見ても良いのですが、無視はできないと考えています。

バド・パウエルの命式は、偏った通変が揃っていることからも尋常の人でないといえそうです。
普通であればただの変人で終わってしまいそうですが、日主の吉凶星に魁罡が入っています。
吉凶ともに非常に大きく作用します。
月支元命の「劫泉」は以前も解説しましたが、別名社長星ともいわれています。非常に粘り強く、自尊心が強い人が多いです。
日主の「偏印」は、性格は偏屈ですが発明の才、独創性の才能があることを示しています。
「肖綺」は頭の回転が早く、才能の発露すなわち表現力あふれるという意味合いがあります。
作家や画家、音楽家には有難い星です。、

うまく働けば人の上に立ち、リーダーシップを発揮して大きな仕事を成し遂げる、傑物の象意を表します。悪く働けば、ただの偏屈の頑迷な人としてのけ者扱いをされる可能性もあります。

今回の命式の読み解きは、すこし安易ですが個々の通変星や吉凶星の象意から行ってみました。
本来は、命式に現れる通変星どうしの絡み合いや、年々歳々巡る星との関係を深く考察する必要があります。とはいえ、このような見方でも、バド・パウエルの持つ稀有な才能や、数奇な運命の一端をうまく説明できていると思います。

それにしても、前回のチャーリー・パーカーの場合や今回のバド・パウエルにしても同じですが、素晴らしい才能と創意工夫によってモダンジャズの扉を開けた天才二人が、ごく一般的な人間として幸福な人生を送ることとは、関係がないなと感じてしまいます。

このブログをきっかけに、モダンジャズを興味をもって彼らの演奏を聴く人が増えてくだされば、筆者としてもこのうえない喜びとなります。

最後にチャーリー・パーカーの名言を再掲します。

「サックスを吹くんじゃない。お前を演奏させるんだ」
“Don't play the saxophone. Let it play you."

 

今回も最後までお読みいただき有難うございました。