ハタヨーガとマッツェーンドラ(2) | 開運と幸福人生の案内人/ムー(MU)さんの日記

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「正しく実行すれば、夢はかなう」をモットーに東洋易学、四柱推命(神機推命)、風水などの秘伝を公開し、自分の夢を実現するとか、悩みの解消に役立つ運命好転化技法を紹介します。

ハタヨーガとマッツェーンドラ(2)
                                                                                 22/2/27
 

2022年2月は、ロシア軍がウクライナに侵攻するという暗黒の2月となって

しまいました。今は一日も早く、ロシアが軍を退去しウクライナ、ロシアの

双方に少しでも死者や負傷者が減ることを祈るばかりです。

今回はハタヨーガの成立について記します。

 

◇クラシカルヨーガの成立

ヨーガはこのように宗教的な要素と密接に関係し、どちらかというと解脱に至る一つの技法として、師から弟子へと受け継がれていきます。
これらの技法がおそらく複数の人物によって、紀元前後から5世紀くらいまでの間に体系化されて成立したものが、ヨーガの根本教典といわれる『ヨーガスートラ』です。
この中に説かれている教えが、「古典ヨーガ(クラシカル・ヨーガ)」または「アシュターンガ・ヨーガ」後世の「ラージャ・ヨーガ」といわれているもので、その名の通り八部門から成っています。

この八部門とは、

①禁戒、②勧戒、③坐法、④調息、⑤制感、⑥凝念、⑦静慮、⑧三昧
です。

①の禁戒(ヤマ)とは非暴力、正直、不盗、禁欲、不貪のことです。

②の勧戒(ニヤマ)とは清浄、知足、苦行、読誦、神への祈りでしす。

③の坐法(アーサナ)とは坐り方で、坐り方は安定し、かつ快適で なければならないと説かれています。 これは、後世のいわゆる数百にのぼるヨーガのアーサナ (ポーズ)とは異なるものです。

④調息(プラーナーヤーマ)は意識して呼吸を規則正しく整えることです。
 それ(調息)から、心の光輝を覆い隠していたもの(煩悩)が除去される、 と説かれていて、現代に至るモダンヨーガの中でも重要なメソッドとなっています。

⑤制感(プラティヤーハーラ)とは感覚器官(眼・耳・鼻・舌・身)を外部の対象から引き戻すことです。

 この行によって、感覚器官が外界の働きかけによっても攪乱されず、専ら心のみに向いた状態をつくります。
⑥凝念(ダーナーラ)とは心が一つの場所に固定されることです。
 一つの場所とは、外的な場合もありますが、しばしば内的な場所として臍(へそ)や心臓、鼻の先など身体の一点が選ばれます。

⑦静慮(ディヤーナ)とは、そこ(凝念の対象となった場所)に向かって想念が絶え間なく一筋に伸びていくことです。このディヤーナの漢訳が「禅」です。

⑧三昧(サマーディ)は、ヨーガ行者が極めようとする最終的、窮極的な状態です。
 『ヨーガスートラ』には、「三昧とは、静慮があたかも客体ばかりになり、
 自体が空(くう)になったかのような場合のことである」と述べられています。

この古典ヨーガにとって目的とするところは、繰り返しになりますが、悟りの追及-魂の解放-でありました。

このヨーガに、10世紀から12世紀ころ一大革命が起きます。
それが「ハタヨーガ」の成立です。

◇ハタヨーガについて

6世紀以降にヨーガは『ヨーガスートラ』の成立とヨーガ学派の登場によってインド思想・宗教の正統派的伝統の中に確固たる地位を占めるようになりました。

その後10世紀頃に、シヴァ神を信奉する秘教的なヒンドゥ教の一派であるナータ派が興ります。
このナータ派の指導者の一人が10~12世紀頃に活躍した
ゴーラクシャナータといわれており、ハタヨーガの事実上の始祖とされています。

 


[ゴーラクシャナータ]

この人は一説によるとインド北西部・パンジャーブ地方の出身で、機織りの家に生まれました。
若い時に出家し、神秘力を行使する行者として名をはせたといいます。
このゴーラクシャナータが著した書物が『ハタヨーガ』と『ゴーラクシャ・シャタカ』です。ハタヨーガを説いた初期の文献です。

ちなみにハタヨーガのハタとは、「力」「強さ」「努力」「忍耐」などを表すサンスクリット語です。
このハタを分解し、「ハ」が太陽を「タ」が月を意味し、「人間に秘められた陽のエネルギーと陰のエネルギーを一つに合せ、均整がとれた強靭さを養うヨーガ」という教義的解釈もありますが、
これは中国の陰陽二元説を流用した後世の付会的な解釈だと思います。

このハタヨーガは、前節で解説した「アシュターンガ・ヨーガ」の中の坐法(アーサナ)と調息(プラーナーヤーマ)の習得に力点をおいています。
 

ハタヨーガは初心者が取り組みやすいように、本格的なヨーガのクラシカルヨーガ(ラージャヨーガ)の前段階のヨーガという位置づけで体系かされたものといえます。
特にアーサナは発展進化し、難度の高いポーズを含む数百のアーサナが作られました。これは、身体を自在に制御することで心も制御できるようになるという理論によるものです。

ハタヨーガには、独壇場ともいえる数多くの調息法(呼吸法)が伝えられていますが、これも同様な理論に基づくものです。

もちろんこれらは、ハタヨ-ガの始祖といわれるゴーラクシャナータがすべて開発したものではなく、10世紀以前からの名前も事績も伝わらない数多くの行者たちが生み出し、師から弟子へと伝えて
いったものでしょう。
そして、その中の一人で実在された人物が、マッツェーンドラ師です。
(この人は名前が伝えられている稀有な例です)
このゴーラクシャナータの師がマッツェーンドラナータという説もあるようです。

このマッツェーンドラ師の名前を冠しているのが、ハタヨーガの代表的なひねりのポーズである

「アルダマッツェーンドラ」というわけです。

ようやくマッツェーンドラにたどりつきました。

この続きは次回に。次回は、マッツェーンドラ師とそのアーサナのことをもう少し述べます。